六字名号

お寺の宝物

六字名号 (専修寺第12世)堯慧上人筆 1幅
高田派の名号(みょうごう)で、専修寺第10世真慧上人が用いたと言われる名号の形式で、中央に「南無阿弥陀仏」と書かれ、その左右に、善導大師と法然聖人に続いて高田の歴代上人が書かれています。
向かって右上から「善導・親鸞・顕智(第3世)・定専(第5世)・順証(第7世)・定顕(第9世)・応真(第11世)」左上から「法然・真仏(第2世)・専空(第4世)・空仏(第6世)・定順(第8世)・真慧(第10世)」 左下に「愚老80歳 大正層堯慧 書之」とあります。

この形式の名号を用いた真慧上人は、親鸞聖人の「み教え」の正統は、善導(大師)・法然(聖人)と続く高田派にあることを著したと思いますが、堯慧上人の名号は、高田派の第11世応真上人と真智上人の正統争いが続いていた時代で、応真・堯慧と続くことが高田の正統であることを示しているとも見ることができと思います。

【案内】8月15日 津・平和の鐘

【案内】8月15日津・平和の鐘
今年6回目になる、「津 平和の鐘」を8月15日に開催します。「津がつながる津ぅりずむ」が主催し、津市内にある鐘を撞き「戦没者の追悼と世界平和を祈念する」ことに賛同した寺院が正午に黙祷をしてから鐘を撞きます。
妙華寺も趣旨に賛同して終戦記念日の15日(火)正午から30分間、一分間の黙祷の後、鐘をつきます。
昨年同様、呼びかけはしませんが、新型コロナウィルス感染症の感染防止対策をしています。8月15日正午から30分の間にお墓参りにお越しの場合、鐘をお撞きいただく機会もあります。

※妙華寺の鐘は、お寺の行事の案内の時だけ撞いています。

ロストテクノロジー

ロストテクノロジー
お茶関係の雑誌で、「ロストテクノロジー」として、これまでの技術の伝承が途絶えてしまうことを取り上げています。日本文化として考えれば、生活に必要であった多くの技術が、需要が少なくなり技術の継承が困難な状況であることはかなり以前からも指摘されています。住まいに関わる畳も、私の地域に畳屋さんが無くなって久しいです。これまで居間にあった火鉢に、炭を使うことも忘れていますね。お寺にも関わるものでは、大切な法宝物を保管する桐箱に使う、桐の木が日本では少なくなっいてるようです。漆だって外国産です。そこに至るまで関係者は何もしていないかと言えば危機感を持ちできる限りのことをしていたことはわかっているつもりですが、悲しいけれど、需要が無くなれば、技術を伝えることのむつかしさを感じます。

「テクノロジー」ではありませんが、仏教の教えについても、かなり以前から危機感を持ち活動されている宗教者はたくさんいらっしゃいますが、生活者の心には届いていないことは確かで、今の現状に至っているのでしょう。
現状にあがらいながら途絶えてしまうのも残念ですが、需要がなければ、大切な教えも伝わらないことは確かです。今一度、僧侶は「み教え」の学び直しも大切ですが、寺院のあり方も見直していかなければ、寺院消滅もすぐそこに来ていると感じています。
※中川個人の感想です。

高田本山からのお知らせ

高田本山からのお知らせ
①第97回 仏教文化講座
8月1日から5日 9時から12時(1日は9:30から開講式) 高田会館ホール

1日 法主殿 御親講
2日 佐藤弘夫先生 「墓のゆくえ」
3日 鍋島直樹先生 「親鸞聖人の死生観」
4日 柳澤正志先生 「親鸞聖人と天台浄土教」
5日 栗原直子先生 「真慧上人から江戸時代へ」

どなたでも聴講いただけます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②燈炬殿(新宝物館)
7月25日から10月1日 月曜休館(8月14日は開館)
仏教文化講座特別展観「見真大師と聖徳太子」
予約優先 専修寺HPから

お盆特別公開【さわって楽しむVRシアター】
・8月8日(火) 〜 8月16日(水)
・予約不要
・期間限定観覧料 一般500円/高校生以下無料

道 伝わること

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道 伝わること
お茶の稽古を初めもう35年以上になります。
お寺の行事では、薄茶をお出しする機会があり、当然、他のお寺さんで薄茶をいただく機会もあります。お同行さんの自宅でのお勤めの時にも、薄茶をいただくこともあり、最初は、お茶をいただく作法を覚えることが動機でした。稽古も、お客として、お菓子のいただき方、薄茶のいただき方から始まります。続いて、お茶を点てる作法を覚えることになります。風炉(5月から10月)の季節と炉(11月から4月)の季節で、点前は違います。半年ごとに、基本の点前から始まります。その時覚えていても、一年経つと(特に歳をとっていくごと)忘れていることも多く、稽古の年数を重ねているだけです。
知って(覚えて)いるとしても、教えを請うことの繰り返し、それが楽しく面白く感じるのはなぜでしょうか。「お茶」を通して、他者との関係を深めていくこともありそうです。
他者との関係は多種多様であり、私の知らないことに出会う楽しみでもありますが、一つのこと(「お茶」)を中心に据えて関係を造り上げていくことも、人によって視点が違うので、刺激をいただき、とても深まることにつながっているようにも感じます。「茶道」と言われるように、継続していくことが大切ではないでしょうか。
仏教も、以前は、仏道と呼ばれていました。
仏の教えも、これまでの日本の生活様式で、同じ家に住みながら、祖父母から父母へそして私へと伝わってきたのかもわかりません。しかし、今の時代は、父母から伝わることもなく、自らが求めないと伝わらないものになったようにも感じます。
仏の教えを知らなくても生きていける時代ですが、むなしく生きているように思ってしまうのは私だけでしょうか。
※中川個人の感想です。

 

カーブミラー

 

 

 

 

 

 

 

 

カーブミラー
7月10日にお寺の山門向かって左側にカーブミラーが設置されました。お寺の境内地での設置ですが、公民館(津市)の依頼によってのものです。山門前の公民館からの出入口で向かって右(東)側からの車が見にくいとのことで設置されました。

ハザードマップ

 

 

 

 

 

 

 

 

ハザードマップ
今年もこの時期に豪雨で災害が発生しています。被災されました皆様にお見舞い申し上げます。
今は、被害が発生していなくても、いつ何時、自分の住んでいる地域が災害に遭うかはわかりません。そうなる前に、三重県や津市・気象庁のHPなどで災害ハザードマップで自分の住んでいる場所の確認をすることが進められています。今は、テレビやインターネットを通して最新の情報をすぐさま得ることはできますが、事前に準備をしておくことも大切だと感じています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、これまでもお寺のHPで何度か紹介しています、
救援マップ(未来共生災害救援マップ)の紹介させていただきます。
お寺のある三重県では東海地震や東南海地震が今後発生すると大きな被害を受けることは随分前から指摘されています。その為、行政からも地震が発生した時の備えや行動計画の事例も何度も注意喚起がなされ住民も確認し自治会などを通して防災訓練なども行っています。また災害時の行動について個人・家族で話し合う機会もあったと思います。
以前、「災害時のソーシャルキャピタルとしてのお寺」と題したオンライン勉強会がありました。大阪大学の稲場圭信氏の研究分野で災害時の避難場所のあり方などのお話をお聞かせいただきました。行政が指定している地域の避難所が諸事情で使用できない場合に、その地区で広い空間施設を持っている寺社を活用する取り組みをされています。(大型商業施設なども避難場所として指定または活用も進んでいます)
行政の避難所指定がなくてもその地域の避難空間としてお寺を活用できることは、お寺の社会貢献としての一面もあると思いました。
稲場圭信さんの研究所では、既に「未来共生災害救援マップ」と言う全国地図に行政の避難指定施設と共に寺院・神社にも避難された方がいる場合にその概略を記入できるスペースが作られたマップが無料提供されています。
地域に災害が起こる前に1度このマップを確認して、今いる場所の避難場所の再確認や避難場所になり得る広い空間施設を持つ寺院・神社の場所の確認をされるのはいかがでしょうか。

新しいこころみ 「親あるあいだの語らいカフェ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新しいこころみ
今年5月に「お寺と教会の親なき相談室」の設立キックオフ講演会を開催させていただきました。そして、これから「親あるあいだの語らいカフェ」を開催する準備しています。

既に「親あるあいだの語らいカフェ」を開催されています岡崎市の本光寺様が7月3日に予定されていましたので、参加させていただきました。

本光寺さんは、電車で乗り換えを含めて2時間で岡崎駅へ、駅から3Kほどにある大谷派の寺院です。本堂と山門が、国の登録文化財でとても素晴らしい建造物です。このこともとても興味があるのですが、今回は、「お寺と教会の親なきあと相談室」を開設されていらっしゃることを教えていただき伺わせていただきました。本堂横の門徒会館が会場で、多くの皆さんが集まる場が用意されていました。5月に開催され2回目の「親あるあいだの語らいカフェ」に、およそ20名の方が参加されていました。市の福祉関係の方、地域包括センターの方、社会福祉協議会の方、民生委員の方、障害のある方の支援団体の方と親御さんと地域の様々な方々が集まる場でした。
支援側の団体も「つながり」を求められていらっしゃいます。当事者の方も「つながり」を求められていらっしゃり、これまで活動をされていられていることは当然で、きっとこれまでも「つながる」ことの必要性を感じられ協議会のようなものはあったのではないかと考えるのですが、お寺を一つの拠点(「場」)として「つながる」ことの意義をどのように作っていくか、課題もあると思いますが、考える刺激をいただきました。

妙華寺では、10月7日(土)13時30分からを予定しています。
今は、「つながりの場」と「傾聴の場」をどのように作るかが課題です。
このことにご関心のある方からご意見をいただきたいと思っています。

住職は大変だ

 

 

 

 

 

 

 

 

住職は大変だ
お釈迦さんの時代の僧侶は、出家得度をして、修行して、教えを乞う人々に、教え伝えていく(遊行)存在でした。
今の日本の僧侶も教えを伝えることの本質は同じですが、出家の意味合いが薄れて世襲も含まれるし、教えを伝える方法も遊行ではなく一つのお寺を護持しながらの伝え方がほとんどだと感じます。

お釈迦さんの時代の僧侶と、今の日本の僧侶の相違点は、何かと問われると、お釈迦さんの時代の僧侶は修行だけに専念できる環境であったこと。今の日本の僧侶は、修行が一番大切であることは同じですが、お寺の護持(経営)も必要なことでしょうか。

私(住職)は、中学3,年の夏休みに、毎朝、祖父と一緒に「阿弥陀経」のお勤めをすることになり、9月15日(敬老の日)に得度をしました。
大学生になると、祖父が伺っていたお盆勤めや報恩講のお勤めのお同行さんの自宅でお勤めをしたり、葬儀に随行しながら作法を学んでいました。社会人になると、本山出仕の法式作法や高田教学の学ぶ時間があり、平成18年10月10日に住職拝命を受け、お寺(宗教法人)をお預かりすることになりました。
前住職は父で、在世中の交代でありましたので、多くのことをスムーズに引継ぎ、交代したと思います。住職拝命の書類をもって、法務局で宗教法人の代表役員の変更。お同行さんへの挨拶、組内寺院への挨拶などをすましての寺院運営が始まりました。これまでのお寺の行事や葬儀・年忌法要などのことは、前住職と一緒に30年ほど法務の手伝いをした中で覚えたものでした。
しかし、住職の立場は、初めてで代わる者がいないので、寺族の時点では目に見えないやるべきことがあることを知りました。
お同行様が、お亡くなりになれば、枕勤めに伺い、ご法名を加授させていただく中には、本山への院号の依頼、それに伴う院号冥加金の会計処理。新たなお寺への入檀の相談や転檀や墓じまいの相談業務。
毎年の宗教法人の会計の決算報告やお世話方様への報告、それらを含めて三重県(主管)への事務所備付書類の写しの提出。私のお寺の規模としては提出義務がない収支決算書なども、前住職の時から作成し提出していましたので続けています。
住職や寺族は、宗教法人の給与所得者ですので、年2回の所得税の支払い。地方税や毎月の健康保険料・年金の給与からの徴収(天引き)、そして支払いなど、これまでしたことがなかった事務が加わりました。
2・3年続ければ慣れることではありますが、毎年緊張はかわりません。

他の宗教法人の代表役員もこれらのことを正確に行っているので、私だけが大変だと言っているのは、「恥ずべき」ことでありますが、一つの宗教法人をお預かりされていただくことはとてもエネルギーがいるようです。
それと同時に、真宗僧侶としての生涯に渡っての親鸞聖人のみ教え(教学)の学び。お寺としての社会貢献や支援についても考えていかなければならない時代だと感じています。

 

今昔写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今昔写真
「津市の今昔」の写真集が販売されています。
津市の「これまで」と「今」を写真で紹介されています。
お寺に残っている写真を見ますと私(住職)の祖父(明治33年生まれ)の結婚(昭和2年か3年)の頃から白黒のスナップ写真が残っています。お寺の住職や坊守の遺影写真も祖父の両親ら残っています。その後、父母の時代の写真や私(住職)の少年期の写真、私(住職)の子供の写真などのアルバムがありますが、その後、デジタルカメラになり、写真データとしてパソコンなどに保管するようになり、写真として残すことが少なくなりました。
また、お寺の行事や家族のスナップ写真はありますが、お寺の定点写真となると、探しても見つかりません。そのような中で、平成26年の一光三尊仏御開扉の時の写真を、地域での祭りの部門で紹介していただきました。
今の津市は、平成18年に周辺の市町村が合併しての津市ですので地域が広くたくさんの写真が掲載されています。自分の住んでいる町の「今昔」の写真を見ながら、町の変化を懐かしんだり、驚いています。