相導師寺院の前住職3回忌

相導師寺院の前住職3回忌
コロナ下でご往生され、昨年の一周忌は案内をいただいていましたが、予定日の一週間前に三重県にまん延防止等重点措置が適用され、感染者も増加していました。これらのことから、一周忌は内々(住職・寺族)でお勤めされることになり、私(住職)は、自坊でお勤めをさせていただいていました。
今年の3回忌は、組内の法中様と一緒に焼香・お勤めさせていただくことができました。
前住職様のご絵像が余間に掛けられ焼香をさせていただきました。そのご絵像は生前のお顔が懐かしく描かれていて、あたたかく見守ってくださっているよう感じました。本当に月日が流れるのは早く、ご住職さんが、お勤めの後「一周忌・3回忌は悲しみを和らげるお勤めで、7回忌からは悲しみを忘れないようにお勤めを・・・」と述べられたこと実感しました。

年忌法要は、悲しみだけではなく、悲しみを通して多くの気づきをいただきます。

「親鸞展」プレイベント 三重会場

「親鸞展」プレイベント 三重会場
今年は、親鸞聖人誕生850年にあたり、真宗10派の本山で大法会が予定されています。それに合わせて京都国立博物館で「親鸞 生涯と名宝」展(3月25日から5月21日)が開催されます。そのプレイベントの1つとして三重会場で「親鸞の声を聞く」と題した講演会が開催されました。講師は高田派鑑学の清水谷正尊師でした。親鸞聖人の生涯はこれまでに幾度も諸先生の書物を読んだり、お話をお聞きしているのですが、真宗10派の法宝物と関連づけてお聞かせいただくことはあまりありませんでしたので、とても有益な時間でした。

親鸞聖人の生涯は、日本の時代が大きく変わる時代でもあり、自分の出遇えた教えを多くの人々に伝えられる生涯でありました。今を生きる私たちが親鸞聖人の教えに出遇うことは、私(住職)には大きな喜びであると感じています。
また、展覧会のコンセプトや魅力も動画で見ることができ、親鸞聖人の著書の『顕浄土真実教行証文類』の板東本・西本願寺本・高田本を同時に拝観できることは初めてのことのようです。開催への期待が膨らんでいます。

他にも、三重県総合博物館では「親鸞と高田本山 専修寺国宝からひろがる世界」展(4月22日から6月18日)と高田本山の新宝物館での「知られざる専修寺の至宝」展(5月21日から6月18日)も予定されています。
多くの法宝物に出合えることを楽しみにしています。

真宗入門講座

真宗入門講座
久居もとっても寒く積雪があった25日の午後から高田会館ホールで「真宗入門講座」がありました。今年は、親鸞聖人御誕生850年の大きな行事があります。
親鸞聖人の「伝絵」を通して、親鸞聖人の生涯をお話されるようです。

初回は、「伝絵(でんね)」についての総説として親鸞聖人の生涯を伝える資料(史料)についての話でした。
「伝絵(でんね)」とは、本願寺覚如上人が「詞(ことば)」と「絵相」で親鸞聖人の生涯を巻物として作製されました。お勤めで拝読する「報恩講式」(式文)も覚如上人が作製されましたが格調高くお勤めの中での拝読ですので、親鸞聖人のことをもっとわかりやすく多くの方に紹介する手段として「伝絵」が作られたと思われます。
次回から。「伝絵」の各段の話になります。

ご興味のある方はご参加ください。
※事前申込制ですので、詳細は高田本山のHPをご覧ください。

「文化時報創刊100周年記念報道写真展」

宗教専門紙「文化時報」の「社会と宗教をつなぐ」報道写真展が京都で予定されています。
100年前と言えば、1923年(大正12年)になります。関東大震災があった年でもあります。過去帳には、関東大震災で亡くなられた方の記載もあります。また久居は12月から翌大正13年1月は大変寒いと当時の住職が書かれています。妙華寺には100年前の写真は残っていませんが、当時の社会はどのような姿であったか、宗教専門紙の写真を通して考えたいと思っています。
特別記念講演も楽しみです。

「文化時報創刊100周年記念報道写真展」
2月2日(木)から7日(火) 9時から21時(5日・7日は17時まで)
京都市男女共同参画センター ウイングス京都1階ギャラリースペース
京都市中京区東洞院通六角下る御射山町262

特別記念講演 「宗教と社会活動を考える」13時開演 2階イベントホール
2月6日(月) 金田諦應氏
2月7日(火) 奥田知志氏

お寺のHPから

お寺のHPから
お寺のHPを開設して7年が経ちました。「見てます」と仰る方もいらっしゃりうれしく思っています。HPのお問い合わせから、年忌法要の依頼やHPの感想、また近況報告などもいただき、HPを通して新たなコミュニティが生まれたことにも感謝しています。
お同行様以外からも、営業を含めていろいろなメールが毎日届きます。
中には、初めての方から「得度」をしたいのですがとのメールが届きました。
どのようなお気持ちから「得度」を考えられるようになったかもわからず直接の返事はしていません。

得度とは本来「迷いの世界をわたりさとりの世界に到る」ことですが、現在は、「僧侶」になることの意味で使われています。所属の寺院で、仏祖に奉仕し、自行化他に専念することになります。他宗では厳しい修行が必要になります。真宗では他宗のような修行はありませんが、祖師の教えを学び実践することの領域は多岐にわたり、私(住職)は大変なことで生涯が実践活動と思っています。また、僧侶の衣服も必要になります。

人生の中で僧侶になることを決められた覚悟はとても尊いものです。1度お話を伺いたいと思っています。

今年も本堂西余間に「選択本願念仏集絵伝」の 掛軸を掲げます。(2月10日まで)

今年も本堂西余間に「選択本願念仏集絵伝」の 掛軸を掲げます。(2月10日まで)
令和3年に修復しました「選択本願念仏集絵伝」の掛軸を、法然聖人のご命日(1月25日)にちなみ本堂西余間で披露します。ご興味のある方は、ご覧下さい。
法務などがありますので、事前にご連絡いただけますようお願い申し上げます。
※本堂でお勤めなどがある場合は、ご覧いただけませんのでご了承ください。

選択本願念仏集絵伝 掛軸 3幅 妙華寺所蔵
紙本 着色 表具縦194cm横97.5cm 本紙縦142cm横77.5cm

法然聖人の『選択本願念仏集』の内容を絵画で著している3幅の掛け軸。
1幅目から3幅目全て下から上へ6段に分かれ、3幅目の最後(上)の段は「選択本願念仏集終」と書かれている。
法然聖人の吉水の草庵に九条兼実が訪れた場面から初まり、法然聖人が弟子7名(内1名が祐筆)に話をされている。次に『選択本願念仏集』の名札「第1章」から「第16章」が3幅に、その内容が描かれている。

妙華寺が所蔵している「選択本願念仏集」の掛軸について、令和元年から青巖寺の清水谷正尊師に調査を依頼していました。令和3(2021)年12月24日に掛軸を撮影し、12月27日にこれまでにわかったことを報告していただきました。

「選択本願念仏集」は法然聖人が著した漢文の書物で、称名一行の専修を主張した、浄土宗の独立を宣言した立教開宗の書物でもあります。親鸞聖人は、29歳で法然聖人に帰依し33歳の時、書写を許され、その喜びを「顕浄土真実教行証文類」で述べています。その教えを自分の言葉で晩年まで多くの人々に伝えています。

漢文の「選択本願念仏集」が、江戸時代には、その教えを広める中でより多くの形態の1つとして絵画化が生まれてきたと思われます。

「選択本願念仏集」を最初に絵画として描いたのは、高田敬輔の「選択集十六章之図」です。この絵画を元として「通俗絵図選択本願念仏集」の挿絵が作製されたようです。 また、同時期に「図画和字選択集」を関通が開版し、その挿絵を和風で描いたのが忍海と言われる浄土宗の画僧です。

調査された清水谷師は「図画和字選択集」の挿絵の部分に注目し、挿絵を妙華寺の「選択本願念仏集絵伝」に合わせてみると一致したことで、「透(すき)写し」と言う手法で描き、配置を決めて掛軸の紙に写した後、着色したと報告していただきました。

挿絵と同じ構図でありますが、詳細な部分で違いがみられる部分もあります。当初、絵画が精密でなく、絵師の卵が描いたのではないかと感じもしていましたが、掛軸に至る作業としてはとても根気がいる仕事だったと感じられます。

報告を受けながら、3幅の選択本願念仏集絵伝が、妙華寺の西余間に掛けるサイズですので、そこに掛け、法然聖人の「選択本願念仏集」を多くの方にわかりやすく伝えていた時期もあったのだと想像しています。

文化財防火デーと未来共生災害救済マップ

文化財防火デーと未来共生災害救済マップ
毎年、1月26日を文化財防火デーとして火災に注意喚起がなされています。
昭和24年(1949)1月26日法隆寺金堂が焼失し、貴重な文化財などに再びこのようなことが起こらないよう昭和30年に「文化財防火デー」が制定されました。

文化財と聞きますと国宝や重要文化財の建物や宝物など貴重な品を最初に思い浮かべますが、小さなお寺にも地域やお同行の皆様から大切にされているものがいくつもあります。
私(住職)は、手を合わせる場・心が癒やされる場・非日常の場などの集いの場を思い浮かべますが、皆様はどうでしょうか。
お寺の本堂や建造物に消火器や火災報知器は設置していますが、本堂の暖房で灯油ストーブを使用していますので消し忘れには注意しています。
最近は、喫煙者も少なくなりましたが、境内ではポイ捨ても見受けられますのでマナーをお守りいただく周知も必要です。

また、近年はお寺が非常事態時の避難スペースとしても注目をされていると思います。
妙華寺も、もしもの時に一時避難スペースとして活用できる環境整備も考えています。
地域コミュニティの中でソーシャルキャピタルとしてお寺が活動できるよう準備していきます。
地域やお同行様の大切なものを預かっている寺院管理者として、もしもの時の行動を身につけることも大切だと改めて考えています。
1月17日に、未来共生災害救済マップの仕組みや投稿作業をオンラインで研修しました。必ずやってくる南海地震や他の災害時でも活用できるマップのことはこれまでもお寺のHPでご紹介していますがこれまで以上多くの方に知ってもらいたいと思っています。

 

高田本山のお七夜

高田本山報恩講
いつもより寒く無い中、お七夜の最終16日 ご参廟に間に合いました。


その後、高田会館で毎月16日の予約限定の制朝粥が1月16日だけ午前中いただけると聞いていましたのでいただきました。毎朝のお仏飯をお粥として、阿弥陀さんの12光から12種類のおばんざいの食事です。地元のお豆腐や県内の伊勢芋など身体にやさしい一食をいただきました。

また、5月にリニューアルする宝物館の一角に文化財活用室がプレオープンしていましたので最新のVRの映像を拝見しました。こちらは「日本博」の1つの事業として立ち上げた施設のようです。

帰りには16日限定の報恩菓(地元の4つの菓子店のお菓子・毎月違うお菓子)を土産に帰路につきました。

私(住職)は見ることはできませんでしたが、日が落ちるころの境内での「竹あかり」のイベントが素晴らしかったとお同行様から連絡をいただいていました。

仏壇 ②

仏壇 ②

具足
仏前に香花灯明を供える具足は、平素は三具足を用い、別事は五具足を用います。
【香炉】麒麟形香炉は、香炉の蓋飾りを大きくして独立させた形で「麒麟」が台上にはねている。胴体上部に蓋があり口から煙が出るように作られているが実際は飾香炉としておかれるため、実際使う香炉の背後に置かれることが多い。
【燭台】燭台は霊亀(耳があり尾に養毛をつける)の上に、羽根を半ば広げ口に花桐の枝を噛む鳳凰をのせている。
【花瓶】花瓶は丸形で玉を持った龍が巻き左右向き合っている。

仏壇

仏壇
皆さんの自宅にあるお仏壇はいつもどなたがお給仕されていますか? 今1度ご自宅のお仏壇を見直しましょう。
仏壇とは、仏像などを安置するための厨子(ずし)の一種です。

高田の仏壇は漆塗金仏壇です。特長として左右の中柱に龍が巻きついていることと、宮殿(くうでん)に扉がついていることがあげられます。宮殿には、本山からお受けする阿弥陀如来像が安置され、それに、48願成就文の光明が白毫を中心として表現されています。
脇壇には、法主自筆(複製)の十字名号が右側・九字名号が左側に安置されます。
右側の脇壇に親鸞聖人の絵像・左側の脇壇に、十字・九字名号(合幅名号)の場合もあります。
従来、仏壇には、灯籠がなかったようですが、荘厳に加えられました。
前卓(まえじゅく)は、須弥壇の一段下に置き、平素は三具足を前卓に置きます。
また、角敷と下掛は、前卓の水板で押さえて使います。

現在、昔ながらのお仏壇・新しい形のお仏壇(厨子)と様々でありますので一括りで正しい荘厳のお話できませんが、お仏壇が「落ち着き安心できる場」としてあって欲しいです。