親鸞聖人御誕生850年

今日から28日まで高田本山では、
親鸞聖人御誕生850年奉讃法会
立教開宗800年奉讃法会
真慧上人500年忌
聖徳太子1400年忌
が、賑々しく勤まります。よろしければご参詣ください。

親鸞聖人降誕会(ごうたんえ)
親鸞聖人の出自について覚如上人の『親鸞伝絵』に記されていますが、中世の史料には、聖人がいつどこで生まれたか具体的な記述がありません。
宗祖(しゅうそ)親鸞聖人は、承安3年(1173)に誕生されたことは、聖人のお手紙・書物に年齢が記されていますので判明しています。誕生の月日は、1月1日・2月上旬・4月1日、10月の諸説があります。これらは江戸時代に編集された聖人の伝記によるものです。その中で高田派の良空(りょうくう)の『高田開山親鸞聖人正統伝』に記された4月1日(太陽暦5月21日)説が有力になり、定着していき、場所については山城の日野の里に伝承があり今に至ります。また聖人の誕生日の行事として法会が勤まるのは明治に入ってからです。降誕会とは普通お釈迦様の誕生をお祝いする行事ですが、真宗では「親鸞聖人は阿弥陀如来の応現(おうげん)」と頂くところから聖人の誕生を降誕会と言いお祝いの行事をしています。

今年は親鸞聖人がご誕生され850年の節目の年で、高田本山では、今日から28日まで特別法要としてお勤めが始まります。

また、お同行の皆様の喜びの1つに親鸞聖人90歳のお年を「祖師寿(そしじゅ)」と言い90歳になられたお同行の皆様の仏縁を共にお喜び申し上げています。
男性は降誕会の5月21日に、女性は6月の最初の日曜日に開催されます高田派婦人連合大会の式典で表彰されます。このことを励みにされていらつしゃる方もたくさんいらっしゃるそうです。

※五天良空(ごてんりょうくう) 四日市川原田の常超院の住職
親鸞聖人の伝記研究に没頭し、専修寺の古い記録をさぐり、
史料調査で聖人の遺跡を訪ね正徳五年『高田開山親鸞聖人
正統伝』を著した。当時は聖人伝の研究の華やかな時で、
大谷派の慧空・本願寺派の玄智などと論戦が行われた。

 

高田本山の新宝物館の紹介

【紹介】高田本山の新宝物館の紹介
「燈炬(とうこ)殿」真宗高田派本山専修寺宝物館
第一回企画展
専修寺の至宝

5.21(日)−7.2(日)
前期展示5.21(日)−5.28(日)
後期展示6.3(土)−7.2(日)

高田派は800年前に親鸞聖人から直接み教えを聞いた門弟たちからはじまりました。この高田派から真宗十派が生まれたことを示す『下野一流根本相承法系図』、『教行証文類』が聖人往生の30年後にはすでに版本として出版されて世の中に流通していたことを示す堯秀上人書写『教行証文類』、さらには報恩講で法主殿が実際に御親読されている『式文』や『嘆徳文』など、今まであまり展示されたことがない専修寺の至宝を中心にご紹介します。

 

5.21(日)−5.28(日) 奉讃法会記念無料公開
奉讃法会期間中は混雑が予想されますので、入館時間指定整理券を配付し、観覧時間を限定してご案内します。
(整理券は宝物館受付テントにて当日朝8:30より配付します)

開館時間/午前9時〜午後5時
6.3(土)から 通常オープン
30分毎に定員(40名)を設けて予約をお受けいたします。予約枠に空きがあれば当日受付可能です。予約はウェブサイトから

開館時間/午前9時半〜午後3時半(最終入館は閉館の30分前まで)
休館日/月曜日
観覧料/一般1,000円、中高生500円、小学生以下無料
団体観覧料/一般900円、中高生450円
※10名以上の団体に適用されます
※小学生以下、無料観覧券をお持ちの方は団体人数には含まれません。

 

「燈炬(とうこ)」
正像末法和讃
「无明長夜の燈炬なり 智眼暗しと悲しむな 生死大海の船筏なり 罪障重しと嘆かざれ」 弥陀の本願は煩悩の長い夜の闇を破る燈火である。さとりの眼がないからとて、悲しむに及ばぬ。弥陀の本願はまた迷いの大海を渡す船である。罪とかが重いからとて、決してなげくに及ばない。
【註解 国宝 三帖和讃】常磐井鸞猷著

【案内】お寺と教会の親なきあと相談室 講演会

【案内】5月13日の講演会 津市久居アルスプラザ

先日、お寺の茶室が、地域の茶道の先生方の月釜の会場になり、コロナ下で休会を余儀なくされた茶会の再開を大変喜んでいらっしゃいました。
茶道の先生は、主催する茶会が決まると、茶会のテーマを決めて、使える道具を選んで、点前を繰り返し稽古し、当日を迎えるそうです。前日に茶室に道具を設え、当日は、主客が共に茶会を造り上げていく。終われば、全てを片付ける。茶会は、一期一会の出合いであるそうです。

この話を聞きながら、今回のお寺の講演会も、準備を重ねて、当日を迎えようとしています。

講師の藤井奈緒様からのお話を楽しみにしています。

令和5年5月13日(土)午後から津市久居アルスプラザ ときの風ホールで開催を予定しています。
 講師は、藤井奈緒さん(「親なきあと」相談室 関西ネットワーク代表)に「親なきあと」のことをお話していただきます。講演の後、既に津市内で「みえ障害者親なきあと相談室」で活動されています代表理事の鈴木伸行さんと講師の藤井奈緒さんの座談会も予定しています。
当日参加も大歓迎です。必要な方へ届いてほしいです。

【案内】みんなの集い

【案内】みんなで終活カフェ
①妙華寺ではこれまで終活カフェを開催しています。コロナ下では、みんなが集う終活カフェは、難しく、個別事前申込制で開催していましたが、前回ご協力いただきました行政書士法人中村事務所に再びお願いし、「行政書士さんに聞く」シリーズで3回の講座の予定が決まりました。
日時は、①9月23日(秋分日)秋彼岸会の後
    ②10月28日(土)秋千部会の後
    ③令和6年3月20日(春分日)春彼岸会の後です。
テーマは、前回と違うテーマです。
どなたでもご参加いただけます。

②お寺と教会の親なきあと相談室津市妙華寺支部の「親あるあいだの相談カフェ」を10月7日(土)午後1時30分から午後16時までから予定します。
令和6年からは2月・6月・10月第一土曜日午後1時30分から午後16時まで開催する予定です。
令和6年は、2月3日・6月1日・10月5日の予定です。

「親なきあと」の課題に、相談者に伴走する形で関わっていきます。

ロゴマーク お寺と教会の親なきあと相談室

お寺のHPの最後にあるロゴマークをご存知ですか?
その中の1つ「お寺と教会の親なきあと相談室」について紹介したいと思います。
(昨年2022年1月にも掲載しました)
「お寺と教会の親なきあと相談室」は、昨年(2021年)の福祉仏教の連続講座で知りました。
障がい者家族やひきこもり家族が「親なきあと」問題の1つして、死後のことを心配されています。これまでも、障がい者家族への支援活動をされています寺院もありますが、全国的な形で宗教者が関わることができるのではないかと、(一財)「お寺と教会の親なきあと相談室」が設立されました。この趣旨に賛同しながら、妙華寺のある地域で、宗教者ができる、障がい者家族・ひきこもり家族の「親なきあと」問題に他の支援者と共に活動をはじめたいと思っています。
妙華寺では、これまで「終活カフェ」としてお同行の方を中心に相談をいただいていますが、「(親なきあと)相談カフェ」も併設しながら活動をしていきたいと考えています。

【妙華寺の社会貢献について】
これまでのお寺も社会貢献として多くの事業や活動が興してきたことは、日本の貴重な社会的資源として今にも続いていますが、そのことを表だって発信することは、あまり、ありませんでした。
今のお寺としてできる社会貢献は何か改めて考えさせられています。

世の中が不条理であり、心の安寧・安心を求めるところに宗教があると考えていますが、社会と関わる実践的なこととして、地域の小さな私のお寺(妙華寺)や宗教者ができることとは何か、それを可視化できるように考えています。

 

防犯意識

防犯意識
もう写真も残っていませんが、私(住職)が中学生の頃までは、お寺の庫裏の玄関は間口が一間(いっけん)もない狭い引戸でした。
玄関に入ると、土間の三和土で、上がり口も高い、昔の様式でした。
昭和40年後半に玄関口を変更して、一間のアルミサッシの引戸になり、上がり口も二段にしてこれまでよりあがり良くなりました。

また、私(住職)は、小さい頃から鍵を身につける習慣がありませんでした。私だけでなく家族全員そうだったと思います。お寺にはいつも誰かがいる場所で庫裡には鍵のない出入り口も複数ありました。お寺にみえる方は、多くが檀家さんで、身内のような感覚で、防犯意識を持つこともありません。
そうであっても何度も盗難被害にはあっています。防犯カメラも設置しますが限られた部分しか見ることができないので確認できる範囲は限られています。
12年前、大きな行事で本堂を改修した時に、お寺の建造物全体のセキュリティについてセキュリティ会社と打ち合わせをするとたくさんの課題をいただきました。鍵の無い扉は至急鍵付きの扉にすること。サッシの扉には両面テープで取り付ける機器も、木製の扉に取付可能だが、難しい場所もあるので空間センサーを使うなど工夫もしています。
以前の庫裡の玄関も50年経過しています。
お寺もこれまでのようにいつも誰かがいる時代ではなく、留守になる場合もあり、鍵の管理の必要性も迫られています。今年、庫裡の玄関の扉を新しくしました。これまでより安全性を優先すると、玄関内の空間は採光が悪く少し暗くなりました。

「親鸞と高田本山」展

三重県総合博物館
「親鸞と高田本山」展のオープニングセレモニーに参加させていただくことができました。三重県総合博物館での高田本山の展覧会は8年前の開館1周年の時以来です。当時は、17年に1度の一光三尊仏御開扉の時で、高田派寺院が所蔵する一光三尊仏の紹介もありました。今回は、親鸞聖人御誕生850年の記念での高田本山・高田派寺院が所蔵する親鸞聖人に関する法宝物の紹介が中心で1度に拝見することができることに圧倒されます。
絵巻形式の親鸞聖人伝絵が一巻全部広げた状態で拝見できることは、中々ありません。
1巻・5巻は、京都国立博物館で拝見できます。2巻から4巻は三重県総合博物館で拝見できますので楽しみです。「西方指南抄」も全6巻・自筆の御消息(手紙)全7通を拝見できることも特別なことだと思います。高田派寺院の聖徳太子に関する紹介もあり充実した内容でした。近くの博物館ですので、これからも何度か行く予定です。

三重県総合博物館での「親鸞と高田本山」展・京都国立博物館の「親鸞」展・龍谷ミュージアムの「真宗と聖徳太子」展が同時期に開催される機会は、そうそう無いことと思います。ご関心・ご興味のある方は是非足をお運びください。

「真宗と聖徳太子」展

龍谷ミュージアム
4月1日から「真宗と聖徳太子」展が開催されています。聖徳太子と言えば、日本史で日本に仏教を取り入れた最初の一族の出身で、「憲法17条」を制定したことや、「三経義疏」を作製したとも伝えられ、仏法を大切にされた方です。ゆかりのお寺は、奈良の法隆寺や大阪の四天王寺が有名です。聖徳太子1400年御忌が2年前で、その時も聖徳太子の展覧会がありましたが、コロナ下で私(住職)は拝観がかないませんでした。
今回は、真宗と聖徳太子の関係を取り上げた展覧会です。親鸞聖人は、「和国の教主」と聖徳太子を仰ぎ、聖徳太子に関する和讃もたくさん読まれています。
高田派では、親鸞聖人は、善光寺聖の1人であったと伝えられていますので、善光寺にまつわることも大切にしています。
同時期に開催されています京都国立博物館の「親鸞」展でも1つテーマとして聖徳太子の紹介もありますが、龍谷ミュージアムでは、初期真宗の寺院の、聖徳太子や善光寺に関する法宝物を紹介していますので、貴重な学びの場になりました。
また、新しいデジタル技術を使ったコンテンツも紹介されています。

真宗の教学面では、近世になると、聖徳太子のことも次第に語られることが少なくなっていったようにも感じますが、親鸞聖人の中での聖徳太子の位置づけを再び考える機会になりました。

親鸞展

親鸞展
京都国立博物館で開催されています『親鸞 生涯と名宝』展に行ってきました。
平日でしたが、多くの人が来場していましたが、会場が広いのでそれほど混雑しているように感じず自分のペースで法宝物を拝見することができました。今回の展覧会はこれまでより多くの法宝物が出展されていましたので、9時30分過ぎから12時近くまでゆっくり学ぶことができました。見どころの1つの『顕浄土真実教行証文類』の板東本・西本願寺本・高田本が一同に拝見できる場所は人が滞っていましたが、迫力がありました。御真筆の消息(手紙)を拝見するのも貴重な体験です。各真宗寺院に伝わる「親鸞聖人伝絵」も、図録や本に掲載される写真では実際の大きさがわかりにくいですが、実物を拝見するとそれぞれのサイズや、絵相の色合いも違い、学ぶところはあります。12年前の「親鸞」展より見応えがあり、およそ8週間で8度の法宝物の展示替えがありますので毎週通いたいのですが時間がありません。後期の期間にもう一度行きたいと思っています。

真宗入門講座④

真宗入門講座④
今年度最後の入門講座は、「六角夢想」の段でした。現在の私たちは、この「六角夢想」の話は、法然聖人の「吉水入室」の前の出来事であることを史料で知っています。
この「絵伝」が作成された時は、「詞書」に書かれた年号順で「吉水入室」の後の出来事として描かれたようです。「夢想」とあるように、「夢」について、平安・鎌倉時代に生きた人々と現在の私たちとでは捉え方が違うようです。


神仏中心の思考から人間中心の思考の変化の視点から考えると宗教の「み教え」の捉え方も違ってきているのかもわかりません。
また、この講座を受講されている中の一人に、中学・高校の同級生がいます。彼は一般家庭の生活者ですが、定年の頃から、お寺に親しみを持ち、菩提寺の住職から高田本山での公開講座や高田短大の専門講座を勧められ、何度も受講されています。他の知人も仏教に興味を持ち、高田本山の公開講座や京都の本願寺の講座などにも受講される方もいらっしゃいます。今も多くの方に関心をもたれる親鸞聖人は、在世の時もそうですが、現代の私たちにとっても大変魅力がある存在です。