お茶からの学び

お茶からの学び

茶道を学び始めると、日本文化について多くのことに気づかされます。
僧侶として、お同行さんの自宅でお勤めする時、お茶(抹茶)をいただくことがあります。お寺の行事で他寺にお手伝いにいく時、もてなしとしてお茶(抹茶)をいただくことも多いです。お茶(抹茶)のいただき方(作法)も知らず、先輩の僧侶に教えていただきながら、床の間には掛軸がかかり、花が生けてあることに深く考えることはありませんでした。しかし、1幅の掛軸や一輪の花に込められた意味を知ると、もてなす側の想いをより深く感じることができます。
茶室に限らず、これまでの日本建築の建物には床の間があり、花が生けてあるのに、何も知らずにいたことに気づくと恥ずかしい気持ちになり、公民館の茶道講座で学び始めました。稽古は、茶事を行う為の点前を習うのですが、床の間の掛軸のことや花を生けること、禅の教えを通しての精神性や、客をもてなすことを通して他者への気配りなど、日本文化や精神性などに関係していてとても興味深いものを感じます。

稽古の最初は、客としての作法から入ります。招かれた家に入る時から始まります。襖(障子)の開け閉め、畳の足の運び、床の間の拝見の仕方、畳の座り方などは、お茶に関係なくても日常にあることです。お茶を習わなくてもマナーとして学ぶこともありますが、1つの形として身につけると迷わなくなります。お茶(薄茶)とお菓子の関係も茶道の中では、最初にお菓子をいただき、お茶(薄茶)をいただく形です。
茶会や茶事では、客の役割も増えますが、日常でもその場を一期一会として考えるなら、招く側(亭主)と招かれた側(客)の関係をより深く感じることができると思います。

今年は、茶道を習い気づいたことを記載していきます。

【報告】真宗入門講座

【報告】真宗入門講座
高田本山専修寺の「親鸞伝絵」から親鸞聖人の生涯の紹介です。
今回は、「稲田興法」の段でした。親鸞聖人の越後での流罪が終わり、信州を越え関東に向かわれました。何故関東へ向かわれたかの理由は定かではありませんが、関東の地におよそ20年間逗留し、法然聖人の教えを弘めていました。その1つの住居が稲田です。僧俗多くの方が教えについて聞きに来られたようです。話の中で、「教えを聞く」と「教えに聞く」の違いの説明を聞き、親鸞聖人は、師の法然聖人の教えをどこまでも聞いていくことを喜ばれたことを改めて感じました。また、「弟子1人持たず」と言うスタンスの親鸞聖人でしたが、多くの方が教えを聞きに来ることは、親鸞聖人が師匠の法然聖人と出遇うことと同じように、親鸞聖人に出遇われた方々がいらっしゃったんだと感じました。
※中川個人の感想です。



次回は3月27日(木)13時30分から15時30分 高田会館ホールで「山伏済度」の段の紹介があります。高田本山も桜が咲き出す頃と思います。関心のある方は是非足をお運びください。
※前回の案内では、03月26日(水)でしたが、3月27日(木)に変更になっています。お間違えなきようお願いします。

本堂の荘厳①

本堂の荘厳①
本尊
本尊には、「木像」・「絵像」・「名号(みょうごう)」があり、いずれかを安置いたします。木像の本尊は、阿弥陀如来の立像で、光背(こうはい)は傘後光(かさごこう)を本来の形としておりますが、舟形後光のものもあります【真宗高田派の平素のお給仕より】

真宗のご本尊
ご和讃に「十方微塵世界の 念仏の衆生をみそなはし 摂取してすてざれば 阿弥陀となづけたてまつる」とあります。阿弥陀仏のご本願は、衆生のはかりある(有量の)境涯の苦悩を、摂取して捨てずのお心を成就するために、はかりなき(無量)仏になり給うた。これが阿(無)弥陀(量寿)の名のりであります。この仏が、衆生のために名乗り立ち上がる。すなわち南无(帰命)阿弥陀(無量寿)の仏となる。すなわち南无阿弥陀仏なのであります。【中略】では浄土真宗のご本尊はどうなっているでしょうか。座像でなく、立像の来迎仏でもなく、お真向(まむき)さまと呼びならわされています。これは、52段を衆生の場まで降り切って、真向いに至り着いて離れぬ大悲心を表しています。ご開山聖人が、こうして至り来て下さっている「大悲無倦常照我」の仏を、仏というより「如来さま」といただかれていたことは、ご和讃のよろこびの高潮した折りのお言葉に、「如来大悲」とか「如来作願」とか、「仏」より「如来」の方が多く唄われているのを見てもうなずかれます。さて衆生の所まで常に昼夜を分かたず、来切って下さるので、「来迎まつことなし」の不来迎、不廻向で、「常来迎」です。如来よりの「御廻向」が、み足を揃え1つの蓮台に乗っておられるみ姿となります。この蓮華に割り蓮華といって前から見ると2つに見え、それがくっついて1つになっているのがあります。お寺の古い仏像でよく見かけますが、これは来り来る瞬間を表したものかも知れません。
古い仏像は、光背が舟型の雲が多いですが、こうした阿弥陀像をいわゆる「傘後光」に直したのがあり、そのみ光は数十本の荘厳でした。しかし阿弥陀如来の誓願は、所依の経典『大無量寿経』から窺いますと、摂取不捨たらしめるために48願が説かれてあります。従ってこの願を表すために48本のみ光を後光とするのが、そのみ姿のありようになってまいりました。御画(絵)像につきまして、この48本のみ光が、金色の線で表され、この影の部分が紺地で相互しています。高田派や、本願寺派のはそのみ光が画面の中央を通り、これが逆になっているのもあります。こうした仏像はご本尊とする時、必ず「お裏書」があります。これは最近まで、ご法主が書かれたものでありましたが、制度が変わり、今は本山「専修寺」になっています。ご本山進納所でお受けするお真向さまには、これが裏に貼ってあります。お寺の木像には「お墨付き」が下付され保管されています。書かれてあるのは、「方便法身尊像」で、基本としては本願の「名号」がご本尊ですが、最初に申した通り、「法」の法身から、「方」まさしく、「便」すなわち、形を以て象徴した時、あるべくして拝み出されたのが、この大悲の願(48)を背負い、生死の苦海に出でまして「衆生を呼ぼうて乗せたまふ」お慈悲が、立像として寄り添い、常に喚びかけ給う、これがお真向さまであります。そうであったかと願心を仰ぐのみであります。
【「一期一会」真置俊徳著より】

【案内】真宗入門講座

【案内】真宗入門講座
真宗入門講座は、高田本山専修寺に伝わる「親鸞伝絵」から親鸞聖人の生涯の紹介です。
今年で3期目にあたります。
02月05日(水) 13時30分から15時30分 高田会館ホール
「稲田興法」の段
03月26日(水) 13時30分から15時30分 高田会館ホール
「山伏済度」の段
04月16日(水) 13時30分から15時30分 高田会館ホール
「箱根霊告」「熊野霊次」の段
05月20日(火) 13時30分から15時30分 高田会館ホール
「聖人入滅」「廟堂創立の段
どなたでも参加できます。関心のある方は、高田本山教学院におたずねください。

【案内】「親あるあいだの語らいカフェ」2月01日(土)13時30分から16時 妙華寺 本堂

【案内】「親あるあいだの語らいカフェ」を開催します
2月01日(土)13時30分から16時 妙華寺 本堂

お寺と教会の親なきあと相談室津市妙華寺支部では、令和5年5月13日にキックオフ講演会を開催しました。
その後、令和5年10月7日・令和6年2月3日、6月1日、10月05日「親あるあいだの語らいカフェ」を開催し「親なきあと」の課題について、「つながりの場」と「傾聴の場」をご用意しました。
4ケ月に一度ではありますが、継続的に「親あるあいだの語らいカフェ」の開催を予定しています。
当事者やご家族の皆様の悩みの「親なきあと」問題の支援が必要な場合は、専門的な知識をお持ちの支援団体に「つながる」ように。
当事者やご家族の皆様の悩みに寄り添うようにお話を「傾聴」します。
妙華寺の「親あるあいだの語らいカフェ」は、(一社)みえ円満相続支援センター様にもご賛同いただいています。また、「傾聴僧の会」の宗教者のお力添えいただきます。
令和7年も、2月6月10月の第一土曜日13時30分から16時頃の年3回開催予定です。

必要な方に届きますように

「親あるあいだの語らいカフェ」津市妙華寺支部の約束
「親あるあいだの語らいカフェ」が安心安全な「場」となるよう①~④を約束します
①布教はしません
②あなたのことを尊重します
③生き方や考え方を押し付けません
④入退室は自由です

また、みなさまと一緒に安心安全な「場」をつくるため、⑤から⑧をお願いします
⑤当日、話された内容は、この場限りで、他者には話しません
⑥ご自身の悩んでいることや辛いことをお話する
⑦他の方が話されている時は、割り込まず、最後まで聞きます
⑧お互いの悩みや「おもい」を評価したり比較したりしません

似たような境遇であっても感じ方やとらえ方は、人それぞれ異なります。
それぞれの気持ちを大切に、一期一会の時間をお過ごしください。

 

仏徳讃嘆

年忌法要のお勤め(仏徳讃嘆)
真宗の年忌法要は、亡くなられた方との縁を通して、私が仏法に出遇い、阿弥陀仏の恩徳に報謝するものですから、亡くなられた方へのお勤めでないことに違和感を感じるかもわかりません。

妙華寺の年忌法要のお勤めは、お経(浄土三部経から)・文類偈・和讃(五首か三重念仏一首)・御書拝読です。
浄土の教えのお経と親鸞聖人が著した中から漢文の偈文、同じく和語で讃じた文、歴代ご法主の手紙形式の法語です。そして、亡くなられた方を通して阿弥陀如来のはたらきが、私を必ず救うと誓ってくださり、生きる喜びを知らしめてくださることに対して仏恩を讃歎しています。
限られた時間ですので、亡くなられた方と今の私の関係を新たに結んでいただく時間でもあると考えています。大切な方が亡くなられた時点では気がつかなかったことが時間と共に気づかせていただくことがあったりします。

私(住職)も、前住職(父)が亡くなった後、言葉を交わすことがなくなったのですが、お寺のことで悩んだりする時、前住職ならどう考えるか・前々住職であればどう捉えるかなど現実的ではありませんが、心の中で対面しています。
そして、そのことが大きなはたらきの中のことであると感じています。

文化財防火デー

文化財防火デー
毎年、1月26日を文化財防火デーとして火災に注意喚起がなされています。
昭和24年(1949)1月26日法隆寺金堂が焼失し、貴重な文化財などに再びこのようなことが起こらないよう昭和30年に「文化財防火デー」が制定されました。

文化財だけでなく火災については注意が必要です。
昨年11月下旬にお寺の近くで民家の火災がありました。一軒の家屋が半焼で人的被害もなかったですが、燃えさかる火を見ると怖さを感じます。

お寺の本堂を始めとして、消火器や火災報知機を設置していますが、日頃から火災への意識を更新していかなければいけないと思っています。

文化財と聞きますと国宝や重要文化財の建物や宝物など貴重な品を最初に思い浮かべますが、小さなお寺にも地域やお同行の皆様から大切にされているものがいくつもあります。
私(住職)は、手を合わせる場・心が癒やされる場・非日常の場などの集いの場を思い浮かべますが、皆様はどうでしょうか。

最近は、喫煙者も少なくなりましたが、境内では、タバコのポイ捨ても見受けられますのでマナーをお守りいただく周知も必要です。
地域やお同行様の大切なものを預かっている寺院管理者として、もしもの時の行動を身につけることも大切だと改めて考えています。

また、火災だけでなく、南海地震の発生も以前に増して確率が上がっています。
今年の1月17日は阪神淡路大震災から30年でした。この地でも震度4だったかと思いますが、私の中では大きな揺れで、目をさましました。東日本大震災でも、ゆっくりした揺れに不気味な感じを受けました。昨年(令和6年)の元日の能登半島の地震でも本堂の輪燈が揺れていました。8月8日の日向灘沖の地震では、東南海地震注意が発出されたことも改めて地震について考えるきっかけになりました。
災害時に活用できます未来共生災害救済マップをご存じでしょうか。指定避難所以外にも、寺院や神社の施設で避難所として使用できる場合に現状(避難人数)などを投稿することもできる仕組みがあります。妙華寺でも、防災対策に取り組んでいます。

碑前のお勤め

碑前でのお勤め
妙華寺の境内には、お同行様各家の碑(墓)と戦没者の碑、「倶会一処」の碑、樹木の元の「三部石経」の碑、地蔵像と名号(みょうごう)の碑があります。戦没者の碑は、第二次世界大戦で戦死されましたお同行のご遺族が戦後協力して建てられました。「倶会一処」とは、『仏説阿弥陀経』の中の一文で、「往生してからも倶(とも)に会える場所」のことであります。「浄土三部経」と呼ばれる、『仏説無量寿経』、『仏説観無量寿経』、『仏説阿弥陀経』の経文を一字づつ石に書き続けて全てを書き終えて石碑を建てられた「三部石経」の碑。水屋の近くのお地蔵さんと共に「南無阿弥陀仏」の「名号(みょうごう)」の碑。建てられた時期は違いますが、私のいのちが、仏さまから誓われている中で安心できる日常を生きていることに感謝し、先に往生された方々に仏徳讃嘆させていただく思いでそれぞれの碑が建てられたことと感じています。

平成30年の10月から毎月16日の朝にそれぞれの碑の前でお勤めをしています。
1年間毎月同じ時間にお勤めしていますと、空のグラデーション(冬の夜明け前から夏の明るい色)や体感の変化に季節の移ろいを感じています。
※毎月16日の朝、高田本山では親鸞聖人の命日で御廟でお勤めがあります。
妙華寺の碑前のお勤めが16日であることは、それに準じて決めました。

高田本山お七夜

高田本山報恩講
高田本山のお七夜中に、派内寺院の責任役員大会が開催されます。高田本山の現状を説明されたり、今後の予定などを各寺院の責任役員の皆様に情報の共有をしていただき、寺院護持にご協力をお願いしています。
妙華寺からは、総代様に出席をお願いしています。今年も寒い中、参加していただきありがとうございました。
今年は、13日の午前中にお参りに行く時間がありました。
宝物館での特別展観「絵伝でたどる高田のものがたり」では、3つの絵伝が注目です。
真宗寺院の報恩講に掛る「親鸞聖人絵伝」以外に、高田派独自の「正統伝絵伝」と「一光三尊仏絵伝」を1度に拝見することができました。こちらの特別展は2月16日まで開催されていますので、ご興味のある方は是非足をお運びください。
昨年に続いて、お非時(ひじ)もいただくことができて有難かったです。

13日の晨朝(じんちょう)のお勤めの後、妙華寺の副住職が「功徳の宝海みちみちて 煩悩の濁水へだてなし」と題して法話をお取次ぎさせていただきました。
今回も遠方で朝寒い時間にも関わらずお同行様が高田本山に駆けつけていただいたこと感謝申し上げます。副住職も、知っているお同行様のお顔を見て心強く感じていると後ほど聞きました。まだまだ修学中の副住職をお育ていただいていること、私(住職)もお礼申し上げます。しばらくの間ですが、高田本山のYouTubeで視聴できるようですので、ご興味のある方はご視聴ください。

創建350年に向けて①

創建350年に向けて①
妙華寺は、久居の地に延宝8年(1680)に寺領を与えられました。5年後の2030年に創建350年を迎えます。これまでの寺院のあり方を省みて、これからの寺院について改めて考えていこうと思います。
お寺のことを考える前に、自分自身について改めて考えてみたいと思います。
以前「からくりテレビ」と言う番組で、高齢の今の自分から若かった頃の自分へビデオレターで話しかけるコーナーがありました。その方の想いを聞くことが心に残っています。
今は、お正月番組の1コーナーとして続いています。

今の私(住職)は、いつの頃の自分に語りかけるでしょうか。また、皆さんはどうですか。
それと同時に、未来の世代に何を語りかけたいか考えていきたいと思います。