お茶からの学び
茶道を学び始めると、日本文化について多くのことに気づかされます。
僧侶として、お同行さんの自宅でお勤めする時、お茶(抹茶)をいただくことがあります。お寺の行事で他寺にお手伝いにいく時、もてなしとしてお茶(抹茶)をいただくことも多いです。お茶(抹茶)のいただき方(作法)も知らず、先輩の僧侶に教えていただきながら、床の間には掛軸がかかり、花が生けてあることに深く考えることはありませんでした。しかし、1幅の掛軸や一輪の花に込められた意味を知ると、もてなす側の想いをより深く感じることができます。
茶室に限らず、これまでの日本建築の建物には床の間があり、花が生けてあるのに、何も知らずにいたことに気づくと恥ずかしい気持ちになり、公民館の茶道講座で学び始めました。稽古は、茶事を行う為の点前を習うのですが、床の間の掛軸のことや花を生けること、禅の教えを通しての精神性や、客をもてなすことを通して他者への気配りなど、日本文化や精神性などに関係していてとても興味深いものを感じます。
稽古の最初は、客としての作法から入ります。招かれた家に入る時から始まります。襖(障子)の開け閉め、畳の足の運び、床の間の拝見の仕方、畳の座り方などは、お茶に関係なくても日常にあることです。お茶を習わなくてもマナーとして学ぶこともありますが、1つの形として身につけると迷わなくなります。お茶(薄茶)とお菓子の関係も茶道の中では、最初にお菓子をいただき、お茶(薄茶)をいただく形です。
茶会や茶事では、客の役割も増えますが、日常でもその場を一期一会として考えるなら、招く側(亭主)と招かれた側(客)の関係をより深く感じることができると思います。
今年は、茶道を習い気づいたことを記載していきます。