四季の花(2月)

四季の花 今年は例年より寒さを感じていますが皆様はいかがでしょうか。
ふと裏庭に行くと、まだ2月なのに彼岸桜が満開でした。
境内の紅梅はまだ咲きかけです。


1月下旬からロウバイも咲き、三寒四温の中、咲く花々が増えるのが楽しみです。
お墓詣りの折、咲く花を通して四季を感じていただければと思います。

真宗入門講座②

真宗入門講座②
先月からの真宗入門講座の2回目は、「伝絵」の最初の「出家学道」の段のお話です。
詞書と絵相によって親鸞聖人の生涯を伝える「伝絵」ですが、私(住職)は、どうしても絵相に目がいってしまい、詞書をゆっくり読むことはしません。と言うより読めないので飛ばしてしまうと言うのが本音です。日本語の古文が読めないのは残念なことです。
幸い、講座では、原文と現代語訳の資料がありますのでありがたいです。

詞書は、聖人の家系と出家の時と比叡山での話です。絵相は、出家の場面です。
私たちは、あらためて人物を紹介する時は、その人物の家系から語られる(記載する)ことは、今も変わらないように思ったりします。また、格調高い文面になるのも、当然かもわかりません。しかし、幼い9歳で、叔父に付き添われ得度をすること。他の史料などから確認すると聖人の兄弟が全員得度出家していることからみえてくるものは、飾り立てられた言葉とは違う一面を見極めることも大切なことと思います。それは絵相にもあてはまります。高貴な方として描かれることで普通と違うことを強調するのは尊敬の念だけではないのかもわかりません。

次回は。「伝絵」の「吉水入室」の段の話になります。ご興味のある方はご参加ください。※事前申込制ですので、詳細は高田本山のHPをご覧ください。

 

他人事

他人事
遠く離れた地の戦争や災害に心痛めることがあります。そしてそのことを、自分事であるか他人事であるか考えるのは、自分の関心がこの戦争や災害とどのようにつながっているかを感じるかによって違ってみえるようです。
身近なことで考えるなら、「他者の死」はどうでしょうか。
自分に関係ない他者の死を、毎日ニュース・新聞で目にしますが、「悲しい」「残念」とは思う心だけであれば他人事だと思います。「身近な方、大切な方の死」は他人事ではなく。自分事として受けとめる方が多いと思いますが、最近は、他人事として捉える方も見受けられます。
自分の関心事が、他者にまで思いいたらなく個人的になっているからかもわかりません。

地域社会のことも以前に比べると他人事のように考えてしまうことが多いように感じます。
自分にできることは限られていますが、自分の中でもう少し視野を広めたり、考える実践をしないといけないようにも感じています。

国友一貫斎展

国友一貫斎展
滋賀県では名が知られている、「国友一貫斎」の展覧会が長浜市長浜城歴史博物館で開催されています。

以前も紹介しましたが、妙華寺の本堂の屋根から、久居藩の国友貢が鳥のように空を飛ぶ試みをした伝承が『藤陰記』にあり、国友一貫斎の文書資料から日本最古の「飛行機図」が見つかり、国友つながりで、「飛行機の失敗」を展覧会のコラムとして紹介していただいています。

展覧会では、学芸員の方から展示物の紹介をいただき、深い学びをいただく時間でした。
国友一貫斎は、家業の鍛冶鉄砲を製造し、その技術力をいかし、豊かな発想力で多くの発明品や改良品が紹介されています。それによって多くの人々と交流を深めていました。彼が改良した反射式望遠鏡は今の時代でも使えるようです。その望遠鏡から見た宇宙を1年以上かけて記録してある資料は貴重であると感じました。

 

琵琶湖の北西部の長浜市は、長浜盆梅も有名です。寒い時期ではありますが、ご興味のある方にお勧めします。

公開シンポジウム 岐路に立つ、これからの「お葬式」

公開シンポジウム 岐路に立つ、これからの「お葬式」
浄土宗総合研究所主催の公開シンポジウムが、オンラインでも視聴することができました。5名のパネリストが、専門の領域から提案があり、最後にディスカッション終了まで4時間のシンポジウムでした。

①「日本社会と葬送の変動」として、近世の日本の葬儀を振り返り、生活者の葬送への意識変化と、これからの葬儀・僧侶への期待を提案されました。
②「寺院へのアンケート調査からみるコロナ禍が葬送に与えた影響」としてコロナ禍の3年間、4回のアンケート調査を通して、葬送儀礼の変化、僧侶と檀家のコミュニケーション不足による不信・不満の要因であったり、葬儀社との友好関係の構築など対応が大切であると提案された。
③「本質から葬送を考える」として、葬祭業者からの視点で、これまでの葬儀の振り返りとこれからの葬儀には、遺族へのグリーフケア・サポートが大切である提案をいただいた。
④「コロナ禍における婚礼の現状と「お葬式」との共通点」として、ウエディングプランナーから婚礼(ブライダル)の現状と葬儀の共通点の提案は私(住職)にはない視点からの提案で勉強になりました。
⑤「葬儀の読経と意味」として、葬儀の読経の声に注目しての提案でした。こちらも私(住職)にない視点でした。確かに葬儀式の時間、「お経」を中心に「声」を発するのは僧侶だけです。僧侶の「声」は同心円に、仏と亡き人と遺族・関係者へ届いてき、誰の為の読経であるのか問い直していくことは大切と感じました。

最後のディスカッションは、予定が入り視聴できませんでしたが、生活者の視点と宗教者からの視点から膨大な資料と共に貴重な学びの時間に会えたことを喜んでいます。

妙華寺の「葬儀」も時代で変化をしてきています。そこには、時代に適したより良い「葬儀」を目指して変わり続けてきた証だと思います。今後も、生活者の視点に立った「葬儀」を大切にしていきたいと思っています。

※中川個人の感想です。

専修寺庭園

専修寺庭園
つ広報令和5年2月16日号の歴史散歩198で紹介されています専修寺庭園は、高田本山専修寺の御影堂・如来堂の北側にある「雲幽(うんゆう)園」と茶席「安楽(あんらく)庵」を「専修寺庭園」として三重県の史跡・名勝に指定されています。

今、改めて紹介するのは、1月27日から公開されています映画「レジェンド&バタフライ」3月17日公開予定の映画「わたしの幸せな結婚」の撮影があった場所として3月17日~19日までロケ地特別無料公開の予定だそうです。詳細は、専修寺HPでご確認ください。

3年前には映画「浅田家」で御影堂や如来堂がロケ地になり、映画の聖地めぐりで多くの観光客が訪れたと聞いていますので、今回も多くの皆さんが訪れると思われます。

マスク

マスク
新型コロナウィルス感染症の拡大防止の対策の1つのマスク着用が来月13日から個人の判断に委ねられるようです。
3年前の2月から6月頃までマスクが店頭からなくなり、慌てた時期がありました。
家で以前買ってあったマスクを探して使用していました。少しずつマスクも店頭で購入することができ、今では、マスク着用が、人前でのマナーのような感覚でいます。
これまでもマスク着用についていろいろな意見があり、議論はされていたと思いますが、同調圧力が強い日本では、私(住職)も皆に合わせてマスクを着用しています。

これから、お寺として、マスク着用をどうするか悩むところです。コロナ以前の状況に戻りたいと希望はありますが、感染リスクが高いとされます、基礎疾患のある方や高齢者の方のことを考えますと、直ぐにマスクをしない(外す)ことは、実際は難しく感じます。

また、お寺の行事の「集い場」で、個人の判断を尊重しながら、自分と異なる判断する人々を、その場にいる全員がどのように容認していくことができるか考えてもこれだと思える判断はできそうもありません。

これまでのように、換気を考え、アルコール消毒・体温測定にご協力いただきながら、安全・安心の場を提供し、皆様の判断に委ねてみようと考えています。

仏壇・位牌・墓石のお尋ね

新しく入檀された方からのお尋ねがありました。
①仏壇を求めましたが開眼勤めが必要ですか
②仏具は必要でしょうか
③位牌はどのように用意したらよいですか
④お墓はどこに依頼すればよろしいですか

①今風のコンパクトな仏壇をお求めになられたそうです。
まだ拝見していませんので正しい返答かわかりませんが、開眼のお勤めは、仏壇に安置されます「阿弥陀如来」または「名号」にお勤めさせていただいています。新しくこの家で、手を合わせる場所で毎日お給仕させていただくことをうれしく思いながらお勤めさせていただきます。
遠方の場合、仏壇に安置されます「阿弥陀如来像」または「名号」をお寺にお持ちいただき本堂でお勤めさせていただくこともあります。

②仏壇の仏具もいろいろありますのでなんとも言えませんが、よろしければ仏様を荘厳する「燭台」「花瓶」「香炉」は用意していただければと思います。
他にも、仏様への「仏飯器」やお勤めをする時に使用する「リン」であったり、お供えに使う「三宝」、お勤めの本を置く「前卓」など必要に応じて用意されましたらと思います。
ただし、コンパクトな仏壇ですとスペースの問題も考えて用意されますようにお願いします。

③位牌は、お寺への位牌は必要ありません。位牌も種類複数がありますので、仏壇店で十分話し合うことで、ご自宅の仏壇に見合う位牌をお決めいただことになります。

④墓石について、お寺の指定石材店はございません。知り合いの石材店があればそちらに見積もりを依頼されることも可能です。また、お寺の近くの石材店の紹介はしています。複数の石材店で見積もりをとり、ご納得のできる墓石をお造りになられたら良いと思います。

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佛涅槃図

佛涅槃図の見所
お釈迦様が亡くなられたのが2月15日。妙華寺では今日から3月15日まで、本堂西余間(むかって左側)に涅槃図をお掛けします。
この佛涅槃図は、親鸞聖人750回御遠忌の記念として高田本山より京都別院の佛涅槃図の複製が配布されましたものです。平成24年よりお掛けしています。
京都別院の佛涅槃図は、室町時代の兆殿司筆で、大きさは、縦151.2cm 横128.7cmです。

今回は佛涅槃図の見所の一部をご紹介いたします。
①お釈迦様の右手の表現
(1)両手を体につけて仰臥か右脇臥
(2)右手を顔前におき右脇臥
(3)右手枕で右脇臥
古代インドで(1)の両手体側・仰臥は「死者の臥法」(3)の右手枕・右脇臥は「獅子の臥法」と呼ばれ大般涅槃を成就した聖者の表現とされている。

日本で唯一 珍しい涅槃図 お釈迦様の右手の表現で上記の3点に納まらない作品がある。「大和法隆寺現身往生宝塔北正面涅槃像」と刻入されている木版涅槃図。
右脇を下に横臥されたお釈迦様は右手をまっすぐ前下方に差し出され、宝床下で一人物がその手に触れている。

②お釈迦様の枕
(1)手枕のみ
(2)枕をして手枕 『長阿含経』に「大衣を畳んで・・・」とありこれが枕に変わって表現 ガンダーラ出土の石彫の涅槃図などにもある。鈴鹿市の龍光寺の涅槃図もこの構図
(3)枕が蓮華台 右手が枕でない構図が多い。東福寺本、平安時代後期の金剛峯寺本の涅槃図の構図
例外として鎌倉時代後期の愛知・妙興寺本、京都大徳寺本は、右手はお顔の前にあり、枕は蓮華台でなく袈裟を畳んだものを枕とされている。

③宝床の向き
(1)宝床の右側を描く
(2)宝床の左側を描く
平安時代から見られる宝床の右側面を描く形式が古様な表現で鎌倉時代に入り、お釈迦様が右手枕をし宝床の左側面が描かれるものが現れこの形式が定着していく。

※涅槃図の見所は『涅槃図物語』竹林史博著 大法輪閣より抜粋しました。

 

【案内】親鸞展

【案内】親鸞展
祖師親鸞聖人に関する大きな行事がある時、展覧会が開催され、新たな知見をいただくことがあります。令和5年は、親鸞聖人御誕生850年の法会が真宗教団の各本山であり、真宗教団連合の協力で「親鸞展」が京都国立博物館で開催されます。
前回の大きな「親鸞展」は、2011年の親鸞聖人750回御遠忌の時、京都市美術館で「親鸞展」が開催されていました。同時期に法然聖人800回御遠忌で京都国立博物館で「法然展」が開催されていました。10月には、東京国立博物館で「法然と親鸞展」が開催されていました。

今年は、京都国立博物館で3月25日から5月21日まで『親鸞 生涯と名宝』展が予定されています。今回の見所は、親鸞聖人の著書の『顕浄土真実教行証文類』の板東本・西本願寺本・高田本が一同に拝見できることです。また、名号や門弟との自筆の消息(手紙)12通も出展されるようです。

他にも、三重県総合博物館で4月22日から6月18日に「親鸞と高田本山 専修寺国宝からひろがる世界」展が予定されています。こちらは高田に伝わる法宝物を拝観できます。

高田本山の新宝物館で5月21日から6月18日に「知られざる専修寺の至宝」展も予定されています。
多くの法宝物に出合える機会はなかなかありませんのでとても楽しみにしています。