季節を感じて

季節を感じて
茶道では立夏から立冬までが風炉の季節になります。
最初、書院でお茶が振る舞われていた頃は、年中、風炉でした。利休が立冬から立夏まで畳に炉を切りお茶を振る舞うことになり書院から茶室での茶道となり、更に季節の移ろいをより感じることができるようになりました。
衣服も、暑さや寒さを感じる時に衣更えをします。日本では、6月から10月が単衣の着物になりますので、僧侶の衣も6月と10月に衣更えをしています。最近思うことは、気候変動などの影響で暑い時期が延びていますので、立夏から立冬までの半年間、単衣でも良いのかなと思ったりします。
今の時代、四季の花を愛でたり、自然を感じることなど、季節の移ろいを感じながら生活することはとても豊かな気持ちをいただけます。

今月の本

今月の本『利他主義と宗教』稲場圭信 弘文堂
10年前(東日本大震災の後)に出版された本に出会った。宗教社会学の研究者で 共生(きょうせい)学を立ち上げた一人である稲場氏の宗教的利他主義の研究20年目頃に出版された1冊で海外の宗教団体や日本の宗教団体での調査や、阪神淡路大震災や東日本大震災などの非常時での宗教者の活動や日常での活動を、研究者(生活者)の視点から宗教者や宗教法人の現状と将来を語られていて、とても感銘を受けました。
私(住職)の中で、宗教者として社会貢献の活動をしているのか自省をしながら、私(住職)にできることは微々たるものであるが、宗教界として希望をいだける内容と感じた。 著者が日本人の宗教性を、「無宗教」と言わず「無自覚」と示されていることや、宗教者や宗教法人のこれからの社会貢献の可能性を「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」として論じられていることに興味を持ちました。
そこから、著者の研究領域である『共生学宣言』や『災害支援ハンドブック~宗教者の実践とその協働~』の1冊にも出会うことができました。
※著者の稲場圭信さん達が立ち上げた宗教施設などの地域資源を活用した減災・見守りシステの構築から、全国の避難所と宗教施設のデータが登録されている「未来共生災害救援マップ」https://map.respect-relife.net が公開されています。それぞれの地域で大きな災害などが起こった時、避難施設の情報として活用されます。

お寺の掲示板

お寺の掲示板
渡る世間を「鬼」ばかりにする人 「仏さん」ばかりにする人

『大往生できる人 できない人』潔く、とらわれず、おまかせして生きる 田畑正久著 から
著書では、「渡る世間は鬼ばかり」の発想は、私たちは自分の周囲をとりまく様々な出来事を、「これは利用価値がある・ない」「これは便利がいい・悪い」といった視点で見ています。

仏法に対するスタンスも、本当に利用価値があるかどうか、自分が判断して「いいとこどり」をしていこうという発想をもつ人もいます。これは「私」の方が「仏さん」より偉くなっているわけです。

※耳の痛い言葉ですね。どこまでも私の都合を優先する「迷い」の中にいれば、私を含めて「渡る世間は鬼ばかり」です。そうではないことに遇うことがどれほど難しいのかもわかっていません。

お寺の犬

お寺の犬
先日、今年の本屋大賞ノミネート作品の1つ「犬がいた季節」を拝読しました。作者が三重県出身で地元のメディアにも取り上げられていたこともあり気になっていました。また、作者の母校で12年間、犬を飼っていたことも興味がわいたことでした。その12年間を犬の視点や、群像小説として高校生の多様な姿が表現されています。小説の時代とは違いますが、私(住職)にも18歳の時があり、若い時代の気持ちに共感することもあり、その時代の出来事も身近に感じ、「希望」を求める姿を自分に重ねたりする素敵な時間でした。

そんな犬つながりでお寺の犬を紹介します。

私(住職)は犬が好きです。私が生まれた時に、母や母の妹たちが「シロ」と呼ぶ犬を飼っていました。私が歩き始めた頃、「シロ」と境内でいる写真が残っていました。
私が犬の世話をはじめたのは、小学校5年くらいと記憶しています。学校の仲間が何匹か生まれた子犬を誰か世話をしてと話していたのを聞いて一匹飼うことにしました。「コロ」と呼ぶことにして、父(前住職)が犬小屋を作って、庫裡の裏にいました。私が世話をしていたのは、小中時代で高校や大学の時は、母が世話をしていました。就職して結婚し子どもが生まれた頃に亡くなりました。そして職場の仲間で犬に子犬が生まれ一匹を飼うことになりました。前の犬と同じ「コロ」と呼んでいました。また私の子どもが小学校の頃、地元の高校の文化祭で見た子犬を育てたいと飼うことになりました。「ターボ」と名づけて数年は二匹の犬を飼っていました。13年前に「ターボ」が亡くなり、しばらくは、もう犬は飼わないと思っていましたが、ホームセンターのペット売り場で見た白い犬を飼うことになりました。
それまで私の飼っていた犬は、縁あって貰ったものばかりで、購入したことは初めてです。犬は外で飼っていますので、番犬との認識がありますが、ペット店でのしつけが良いのか吠えることは滅多になくおだやかな性格はうれしいのですが番犬としては向いていないような感じです。6年前に地方局の東海TVで本堂の紹介がありました。お寺に来られた照英さんが犬好きとのことで、普段裏に居る犬を境内に繋いで置きました。撮影の最後に見つけてもらいとってもかわいがっていただいた姿がTVで放映されると、犬好きな方がTVで見ましたと愛知県や県内の遠方からご自身が飼われている犬と共にお寺に訪問されたことが印象に残っています。
今は12歳になります。以前より機敏な動きは少なくなりましたが、私(住職)よりは運動好きで毎日の散歩が私の健康管理の一助になっています。

介護保険制度と成年後見制度

 

介護保険制度と成年後見制度
私(住職)は今年の3月で65歳になりました。3月に入ると「介護被保険者証」が送られてきました。父や母も晩年介護サービスを使用していしましたので見慣れた「保険証」ですが、実際自分自身の「介護被保険者証」が届くまで、「介護保険」について詳しく知ろうとしていませんでした。そして、成年後見制度は、もしも自分自身が判断力を失った時、生活をしっかり支える制度で、介護保険制度と同時に成立した制度だと言うことを知りました。
「介護保険制度」で自立した安心な生活を支援(サービス)しつつ、判断力を失った後もその方の生活支援の中で、資金管理をきちんと守る「成年後見制度」がそろって、私たちの終活も安心なものになるのでしょう。もちろん制度に行き届かない点もあるのだと思いますが、しっかり自分で理解をしておきたいと思います。
これまで、お寺で「終活」について、行政書士様や終活カウンセラー様などと共に行事を何度か開催してきました。「成年後見制度」についても本来関わっていらっしゃる方にお話をお聞きしたいと思っていますが、現在コロナ禍の中では、行事として開催が難しいので、「市民後見センターSTEP」さんが作成したわかりやすいパンフレットを用意しました。(定価200円) 成年後見制度についてご興味のある方は、お寺にお申し出ください。数に限りがあります。


【これまでのお寺で開催した終活行事】
・エンディングノートについて
・「死の体験旅行」のワークショップ
・相続について
・死後事務委任について
・介護保険について
・健康体操

親鸞聖人降誕会 来年の妙華寺の誕生850年まで後1年

親鸞聖人降誕会(ごうたんえ)
親鸞聖人の出自について覚如上人の『親鸞伝絵』に記されていますが、中世の史料には、聖人がいつどこで生まれたか具体的な記述がありません。
宗祖(しゅうそ)親鸞聖人は、承安3年(1173)に誕生されたことは、聖人のお手紙・書物に年齢が記されていますので判明しています。誕生の月日は、1月1日・2月上旬・4月1日、10月の諸説があります。これらは江戸時代に編集された聖人の伝記によるものです。その中で高田派の良空(りょうくう)の『高田開山親鸞聖人正統伝』に記された4月1日(太陽暦5月21日)説が有力になり、定着していき、場所については山城の日野の里に伝承があり今に至ります。また聖人の誕生日の行事として法会が勤まるのは明治に入ってからです。降誕会とは普通お釈迦様の誕生をお祝いする行事ですが、真宗では「親鸞聖人は阿弥陀如来の応現(おうげん)」と頂くところから聖人の誕生を降誕会と言いお祝いの行事をしています。

※五天良空(ごてんりょうくう) 四日市川原田の常超院の住職
親鸞聖人の伝記研究に没頭し、専修寺の古い記録をさぐり、
史料調査で聖人の遺跡を訪ね正徳五年『高田開山親鸞聖人
正統伝』を著した。当時は聖人伝の研究の華やかな時で、
大谷派の慧空・本願寺派の玄智などと論戦が行われた。

また、来年は、法苑院妙華寺 親鸞聖人ご誕生850年・立教開宗800年奉讃法会を予定しています。
 日時は2022年令和4年5月22日(日)に予定しています。
    講演会 午前10時から午前11時30分 講師 田畑正久氏
    法会 午後1時(又は)午後1時30分から一席
    提言・対談 午後2時から午後4時30分終了予定 
    清水谷正尊師と井上広法師のお二人に「親鸞と法然」をテーマとした提言後 座談会30分を考えています。

親鸞聖人ご誕生850年と立教開宗800年奉讃法会で、法然聖人から親鸞聖人に伝えられたお念仏のみ教えを「選択本願念仏集」を通してどのように今に伝わってきたか、また、今後どのように伝えていくかを浄土宗と真宗高田派の僧侶をお迎えして語り合う場を持ち、お同行の皆様と一緒に考えたいと思います。

※午前中の田畑正久先生の講演は、令和2年の「お寺の講演会」が中止になったことで、令和4年に時間をとっていただきました。

妙華寺親鸞聖人ご誕生850年・立教開宗800年奉讃法会の行事に、記念事業の1つとして妙華寺に伝わる「選択本願念仏集」の掛軸(3幅)を修復し、西(向かって左)余間に掛ける予定です。

まだチラシなども出来上がっていませんが、妙華寺に伝わる「選択本願念仏集」の掛け軸について、調査していただいています清水谷正尊師に新しい知見を紹介していただきます冊子を作成する予定です。

今月のおてらおやつクラブ

5月のおてらおやつクラブ
5月は12日に支援団体様におすそ分けさせていただきました。
昨年からのコロナ禍で、多くの一人親家族が生活に苦慮されている現実があります。
おてらおやつクラブへの「助けて」との声も増えていることを事務局からお聞きしました。そして新しい取り組みもはじまりました。「助けて」の声があげられる世の中で、不安や心配が少しでも小さくなればうれしいですね。
おてらおやつクラブの活動としてお供え物が、一人親家族の生活の一助にでもなれば有難いです。

おてらおやつクラブ事務局では、コロナ禍でおてらおやつクラブに支援を希望される一人親家族の皆さんが増えていらっしゃるそうです(おてらおやつクラブのHP)
もっともっとこの活動が拡がっていくことを願っています。

また、年2度回収の古本勧進での古本も募集しています。
今回は8月月末までに集まった古本を寄付させていただきます。
不要になりました古本がありましたらいつでもお寺にお持ち込みください。
対象の本は、裏表紙にバーコードのあります文庫本・新書本・単行本です。
申し訳ございませんが、週刊誌・雑誌・百科事典・全集は対象外です。
本以外、書き損じのハガキ・不要なCDも受け付けています。

母の日

母のいない母の日 私(住職)が小学生の頃には、「母の日」「父の日」があり、先生から父や母に感謝する日と教わり、やがて「敬老の日」もカレンダーに加わって、両親とともに祖父・祖母を含む高齢者も尊ぶことを教えられました。
私(住職)が社会人になった頃から、「母の日」や「父の日」にプレゼントを贈ったことも、感謝の気持ちですが毎年の中元や歳暮のような感覚でした。
数年前に「母の日」は、諸説あるようですが、およそ100年前にアメリカで亡くなった母を追弔する(想う)日からはじまったとお聞かせいただいたのですが、

それほど実感はわきませんでした。
今年、65歳にして母がいない「母の日」を初めて迎えました。
日本仏教では亡くなられた方を追弔する日として、命日や年回(忌)法要を思い浮かべます(真宗では大切な方の命終えられる姿を通して仏徳讃嘆しています)
今は亡き母を「母の日」に追弔することも特別な記念になると感じています。
これまでの思い出も大切ですが、いなくなってからの関係性も大切にしていきたいと思います。

Temple Morningは、5月16日午前8時から9時です

【第1回4月のTemple Morning参加者】

【案内】今年もTemple Morningは、4月から行っています。第2回は05月16日(日)午前8時から9時頃までです。
今年は6回のご案内です。
Temple Morning お寺の朝(テンプルモーニング)はじめます
いつもと違う朝 気持ちを整えて集中できる時間を創りませんか

予定 お勤め(10分)・境内の掃除(30分)・お話(10分)・茶話会(自由参加)
風邪の症状のある方・37.3度以上の熱のある方はご遠慮ください。
お勤め・お話は、短めに、自由参加の茶話会は、当面中止します
掃除道具は貸し出します。途中出入り自由です。雨天は中止です

お寺の掃除を今風に呼びかけるには、これまで妙華寺の境内(特にお墓)の草抜きなどの掃除は、古くは草抜きなどをされている方、そして現在は高齢者(シルバー)人材センター様に登録されている方にお願いをしていました。依頼していました方がご高齢になり、次の世代の方に草抜きを希望される方がいない状態になり2020年から境内(墓)の掃除が難しくなったことが主たる要因です。境内(特にお墓)の清掃として1年の内おそよ8が月延べ160日(1日6時間労働)ほどこれまで高齢者(シルバー)人材センター様に登録されている方々に境内の清掃をしていただいていました。お寺側の身勝手な思いでありますが、お同行の皆様のお力をいただき境内(特にお墓)がこれまでのようにきれいな環境を保てることを願う行事です。
各位のそれぞれのご事情もありますので、お身体の状況をお考えていただきお時間が許しましたら一緒に境内をお掃除しませんか。
Temple Morningは、境内(外)の掃除に集中してすることで気持ちを整える時間です。
お一人お一人十分なほど距離をとることは可能です。

※新型コロナウィルスの感染拡大防止で三重県内の市町がまん延防止等重点措置が適用されている時期での開催について、様々な意見があることは重々承知しておりますが、最終的にはお寺の住職の判断で、開催を考えています。

本堂入口に非接触型体温計・アルコール消毒液を設置するなどして対策を講じます。
マスク着用をお願いします。また風邪の症状の方・体調の優れない方はご参加をご遠慮していただく考えです。
そして健康である方も、不安を抱えながら参加する行事ではありません。
どうかご無理のないお気持ちでご検討をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

年6回 第3日曜日午前8時から1時間【1月・2月・3月・7月・8月・12月は休会・雨天中止】
4月18日(11名参加)・5月16日・6月20日・9月19日・10月17日・ 11月21日
清々しい朝の1時間 お寺で過ごしませんか