5月のおてらおやつクラブと報告会

2017-05-235月のおてらおやつクラブFullSizeRender

5月のおてらおやつクラブも、一人親家族様、支援団体様におすそ分けさせていただきました。

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5月24日(水)に、奈良市の東大寺でおてらおやつクラブの活動報告会が開催され私(住職)も参加しました。有名な東大寺ですが、私(住職)は、小学校の修学旅行と、自分自身が小学生時代に家族と、そして私(住職)が子どもと共に家族で奈良観光した時に訪れただけです。この日も観光客(修学旅行生と外国人)が多いのと鹿の多さに改めて驚きました。活動報告会の会場は、東大寺ミュージアムに併設されています金鐘(きんしょう)ホールで開催されました。

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4年前の5月24日大阪で母子が餓死されていたのが発見された日です。代表の松島靖朗師はこの事件から「おてらおやつクラブ」の活動を模索されたようです。私(住職)も当時新聞などで事件を知ったのですが、日本の相対的な貧困の現状を知りませんでした。活動報告会は、お勤めから始まりました。「おてらおやつクラブ」の発願の表白文はとても心に響くものでしたし、お勤めも一般の方々にも分かる和訳で述べられ、会場の参加者も一緒にお勤めできるものでした。続いて法話も、法話を初めて聴かれる方にもわかりやすい工夫がされていました。僧侶が主催されます行事でこれほどお勤めが丁寧で心に残るものは私(住職)にとって初めてでした。

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2017-05-24報告会表白文FullSizeRender
講演は、「もったいない」を「ありがとう」へ  の講題で、食品ロス問題専門家の井出留美氏でした。食品の「いのち」に向き合う中で、「おてらおやつクラブ」の活動に発足まもなくから注目され、ご自身の「食品ロス問題」の活動と「おてらおやつクラブ」の活動が、「いのち」に向き合っていることで活動がこれまで以上期待されていることを話されました。「食品ロス」もこれまであまり気にせずにきた問題です。「食品のいのち」を真剣に考えることの大切さを感じました。
おてらおやつクラブのこれまでの活動の報告を代表の松島靖朗師、事務局の皆様がされて終了しました。これからも多くの寺院の皆様と共に「おてらおやつクラブ」の活動が広まっていくことを念願し、会場を後にしました。
※中川個人の感想です。

2017-05-24報告会レポートFullSizeRender

 

 

親鸞聖人降誕会(ごうたんえ)

親鸞聖人像IMG_4002
親鸞聖人降誕会(ごうたんえ)
親鸞聖人の出自について覚如上人の『親鸞伝絵』に記されていますが、中世の史料には、聖人がいつどこで生まれたか具体的な記述がありません。
宗祖(しゅうそ)親鸞聖人は、承安3年(1173)に誕生されたことは、聖人のお手紙・書物に年齢が記されていますので判明しています。誕生の月日は、1月1日・2月上旬・4月1日、10月の諸説があります。これらは江戸時代に編集された聖人の伝記によるものです。その中で高田派の良空(りょうくう)の『高田開山親鸞聖人正統伝』に記された4月1日(太陽暦5月21日)説が有力になり、定着していき、場所については山城の日野の里に伝承があり今に至ります。また聖人の誕生日の行事として法会が勤まるのは明治に入ってからです。降誕会とは普通お釈迦様の誕生をお祝いする行事ですが、真宗では「親鸞聖人は阿弥陀如来の応現(おうげん)」と頂くところから聖人の誕生を降誕会と言いお祝いの行事をしています。
また、お同行の皆様の喜びの1つに親鸞聖人90歳のお年を「祖師寿(そしじゅ)」と言い90歳になられたお同行の皆様の仏縁を共にお喜び申し上げています。
男性は降誕会の5月21日に、女性は6月の最初の日曜日に開催されます高田派婦人連合大会の式典で表彰されます。このことを励みにされていらつしゃる方もたくさんいらっしゃるそうです。今年は昭和3年(1928)生まれの方が該当されます。
毎年、妙華寺のお同行様も表彰されていますが、今年は、男性・女性共に式典に参加されます。御影堂(みえいどう)での式典はとても栄えあることで、祖師(親鸞聖人)と同じお年まで報恩感謝のお念仏を申すことが有難く、これからも一緒に仏縁をお喜びいたしましょう。
(今年の祖師寿の申し込みはすでに終了しています)
祖師寿についてはご本人またはご家族から菩提寺へお申し込みをしていただきます。詳しくは、年末に発行しています「寺報」をご確認ください。

※五天良空(ごてんりょうくう) 四日市川原田の常超院の住職
親鸞聖人の伝記研究に没頭し、専修寺の古い記録をさぐり、
史料調査で聖人の遺跡を訪ね正徳五年『高田開山親鸞聖人
正統伝』を著した。当時は聖人伝の研究の華やかな時で、
大谷派の慧空・本願寺派の玄智などと論戦が行われた。

和讃

和讃をご紹介いたします。和讃について多くの参考書がありますが、『注解 国宝 三帖和讃』常磐井鸞猶著と『浄土和讃講話』川瀬和敬著より紹介します。
浄土和讃 諸経意阿弥陀仏和讃8首
歓喜信心無疑者おば 興諸如来等と説く
大信心は仏性なり 仏性即ち如来なり
 信心を喜び、仏智を疑わぬ人を如来と等しい人であると説く。この大信心は仏になる因子に他ならず、この因子そのものが如来なのである。
※歓喜信心無疑者おば 興諸如来等と説くの二句、他本「信心よろこぶその人を如来とひとしとときたまふ」
※興諸如来等と説く もろもろの如来と等しと読む。華厳経に説かれている。
以上 【注解 国宝 三帖和讃 常磐井鸞猶著より】
 最初の二行は「文明本」には「信心よろこぶその人を如来とひとしとときたまふ」とやさしくなります。『大方広仏華厳経』「入法界品」最後の偈頌に「阿弥陀 観世音菩薩」とか、「如来一音をもって説き、各所応に随って解す」とかあって、一番終わりに「此の法を聞きて歓喜し信心疑無き者、速やかに無上道を成じ諸の如来と等し」とあるより出ているのです。「聞其名号信心歓喜」の座をもって華厳経を読んでいるのですから、「この法を聞きて」というのも所応にしたがって本願名号となっているのです。「信心の人は如来に等しい」という根本主張を、そのよるべとして華厳経に求められたのは、此の経が正覚成就の最初説法の威力に輝き、同時に大乗仏教の高峰として涅槃経と並ぶものであるによります。それだから涅槃経によって如来の讃歌が数首続いているところへ、にわかに華厳経のまたたきを見ますのは、大乗の全景を尽くすためです。
歓喜信心は信心をよろこぶことですが、むしろ歓喜はそのまま信心なのです。二つあるのではなく信心の内実が歓喜です。信心を表現するならば無疑と歓喜としてあるといわねばなりませんが、ともに人間性のどこかから生みだされるものではありません。自力は疑心としてしかありようがなく、煩悩もまた堪能するほどのよろこびを与えますから、その混同をよく警戒して信心の歓喜には白紙で向かわねばなりません。人の生きる条件が不本意にゆがめられようとも、信心のよろこびはそれによってたじろぐものではないのです。
第三行には、「われらが弥陀の本願他力を信じたるを大信心という。無上菩提に至るを大信というなり」との左訓を見ます。菩提心のかけらもないわれらには、たすかる力は自分自身にありませんから、救いは他力として彼方から来ます。如来の本願だけが他力のはたらきをもちます。信心が成就したことが、本願他力なのです。さきの第六首のときに掲げた『涅槃経』文のままにこのようにうたわれるのですが、この第八首の主題は信心が如来だというのですが、これは同時に救うものは弥陀、救われるものは衆生、この二者には絶対の隔絶のあることを離れてはいけないのです。しかもこの救いも大乗の軌道の上を走ります。如来の心がはじめてわれにとどいたよろこびは、そこにうたがいのはいる余地はなく、この信心はもろもろの如来と等しいのだと説かれます。無碍広大の信心は、悉有仏性の仏性そのものであり、その仏性はそのまま如来であって、すべての存在を真実であらしめようとするはたらきなのです。『涅槃経』には「真実は如来、如来は真実、真実は仏性、仏性は真実」と縦横に説かれて、今の和讃にも力を与えます。
以上【浄土和讃講話 川瀬和敬著より】
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寺報に見る住職の10年の歩み 平成25年

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寺報に見る住職の10年の歩み 平成25年
【寺報32号平成25年12月発行】
『柔らかい顔
 お彼岸・お盆になると大阪の千里より、今年で98歳なられた方が、お一人でバス・電車を乗り継いで、お墓参りに見える。お寺の近くの方で毎日お墓参りに見える何人の方もいらっしゃる。遠方の為、お墓参りができず、佛様にお供えをお送りいただく方もいる。境内の清掃を知らないうちにしていただく方もいらっしゃる。それぞれの思いで、お墓にお参りされ、本堂に手を合わされいる姿を拝見しながら、そこには、優しいと言うより、柔らかいお顔があります。
 以前読んだ本で、自分の怒った顔のことの話がありました。他人の怒った顔は見ることがあっても、自分の怒った顔を見たことがある人はいるのでしょうか。もし自分が怒っている時、鏡を向けると怒っていた顔が普段の顔に戻るそうです。実際自分が怒っている時は、鏡を向けるなどという冷静な判断はできませんが、自分が見たことのある他人の怒った顔と同じなのでしょう。
 怒りながら食事をした。怒りながら仕事をしたと聞くことはありますが、佛様に手を合わせる時、お墓参りをしている時は、誰も怒った顔でされたとは聞いたことがありませんし、見たこともありません。また、赤ちゃんを見るときも柔らかい顔になります。 自分が生まれてきたときの記憶はありませんが、生まれた時は何一つできない自分でした。お腹がへっても、お尻が汚れても泣くことしかできない私を、「ごめんね。お腹がへつていたのね」「ごめんね。お尻が汚れていたのね」と叱るのでなく、謝りながらお世話をしていただく方がいたのに、今では一人で大きくなったような顔をしている自分がいます。そして誰かを怒ってしまう自分がいます。
 お寺にお参りに見える柔らかいお顔を拝見しながら、改めて気づかせていただいています。』
今年(平成29年)から4年前のことですが、お寺の行事にご遠方にいらっしゃる、大変ご高齢のお同行の方がお一人で妙華寺までお越しいただいていました。「押し車を押しながらで、乗り継ぎなど大変でしょう」とお聞きしましたら、「皆さんが親切にしてくださってここまで来ることができます」とおっしゃっいます。片道3時間をかけてお寺に足を運んでくださるお姿に感謝するだけであります。現在は一人住まいも難しくなり、嫁がれた娘様のお近くの施設に入居して元気にしているとお知らせくださいます。
 またこの年(平成25年)の5月14日(前住職の祥月命日)に平松令三先生がご往生されました。私(住職)はお内仏で前住職の祥月命日のお勤めをしていました時に連絡をいただきお昼過ぎにお悔やみに行きました。高田本山で月一度の「古文書を読む会」に参加させていただきご指導をしていただいていました。史学や真宗学を学んでいない私をお誘いいただいたので私自身は、なかなか学びについていくことができませんてしたが、続けさせていただけたのは平松先生がその場で多くの学びをお聞かせいただくことが楽しく、次回も参加をしたいと思う学びの場でした。(参加するだけで私には多くの事が身に入らなかったのですが、私にとってとても贅沢な時間でした)
 この年に、「未来の住職塾」 という超宗派の勉強会に参加しました。これまで宗派を超えて多くの僧侶の方々と一緒に学ぶという経験がなかったのですが、参加者はこれからのお寺を担う若い方々が中心で私(住職)のような年齢の方は少なく、また1回の講座が7時間ほどの講義とワークは久しぶりのことでした。これからのお寺を真剣に考えている若い僧侶達に刺激をいただいたのが一番の収穫でした。またこのご縁で今に至る妙華寺の寺院活動にも変化がでてきたことは確かなことと思います。今年も六期生が学びを始めています。
毎年5月は、親友婦人会の総会があります。婦人会の幹部様にはお手数をおかけしますが何日も前から準備をしていただいています。親友婦人会も会員の高齢化と新しい会員の加入減で組織としての活動もこれまでどおり行うことが困難になってきている現状ですが、会員の皆様の英知で婦人会活動を継続していただきたいと念願しています。
★今月(5月)18日の婦人会総会後の「お寺の講演会」でお招きすることができました井上広法師も、未来の住職塾を受講してのご縁です。
2017-05-18お寺の講演会FullSizeRender
 1月下旬から、本堂の空調並びに境内墓地の通路整備を行っています。お同行の皆様には、大変心苦しいことですが、年末までに御志としてご寄付をお願いすることになりました。よろしくお願い申し上げます。また、工事中お墓参りでご迷惑をおかけする場合がございます。
※寺報に見る住職の10年の歩みは、毎月10日に掲載いたします。

4月のおてらおやつクラブ

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地元の中日新聞の宗教欄に2週に渡り「おてらおやつクラブ」について掲載されました。提唱されました奈良県の浄土宗安養寺の松島住職が、始めたきっかけから今に至ることを語られています。妙華寺も賛同して三年目になります。今は宗派を超えて多くの賛同寺院が全国が活動されています。見えにくい貧困にお寺のお供えがお役に立てることがとても素晴らしいと感じています。

来月(5月)24日(水)には、奈良市の東大寺でおてらおやつクラブの報告会が開催されると、おてらおやつクラブ事務局さんから告知がありました。賛同する一寺院としてとても楽しみでもあります。

2017-05-24おてらおやつクラブ報告会
4月は、昨年もご寄付いただきました「神戸スイーツ学会」からのバウムクーヘンのご寄付がおてらおやつクラブ事務局様に届くようです。
・本企画は、普段洋菓子を食べる機会のない子どもたちに、美味しい洋菓子を食べてほしいというものです。お渡しするのは「子ども」限定とありました。
こうした企画が企業からおてらおやつクラブに持ち込まれるのは非常に有り難く、いつにも増して子どもたちに笑顔を届けることができると思います。
このようなおてらおやつクラブの活動に賛同いただける企業様が増えることも大切なことと思っています。
妙華寺にもバウムクーヘンが届きましたのでお寺のお供えと共におすそ分けしました。

2017-04-25おてらおやつクラブバウムクーヘン

2017-04-25おてらおやつクラブバウムクーヘン2

 

 

仏教用語禁止の法話

 東京で開催されます第10回仏教井戸端トーク「お題法話-仏教用語禁止編」を拝聴する機会をいただきました。都会では仏教に関するイベントが数多く開催されています。
地方に居住する私(住職)には遠い存在でしたが、このイベントに登壇される僧侶に妙華寺の婦人会総会の日の行事でお越し頂いた僧侶がお二人いらっしゃったことで今回は時間の都合をとり上京しました。
お一人は、昨年お越しいただいた青江覚峰師てす。今回の会場寺院のご住職で「暗闇ごはん」でお馴染みですが、妙華寺では、食事を通してのご法話(お話し)は婦人会会員の皆様にとても反響がよかったです。もう一人は、一昨年にお越し頂いた浦上哲也師です。メディアでも数多く取り上げられています「死の体験旅行」を開催していただきました。私(住職)も死に行く体験がとても貴重なものとして今も残っています。お二人のお話をお聞きできることを楽しみにしていました。

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【昨年の婦人会総会の後のご法話の青江覚峰師】

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【最近のメディアに掲載されている浦上哲也師】
2017-04-20仏教井戸端トーク
 今回のイベントに参加するのは私(住職)は初めてでありますが、HPの案内を見ますと、【仏教井戸端トークの人気企画、お題法話の第3弾を開催する運びとなりました。
来場した皆さんから任意の単語を頂戴し、それを1個でも全てでも、とにかく会場から出た単語を使って法話をすること。これがこれまでのルールでした。
今回はそこに「仏教用語を使うのは禁止」というルールが追加されます!(※一部例外単語もあります)
難しい専門用語でけむにまくのは禁止、日常使用する単語で伝えること。NGワードの判断は増田が行います。
(増田は仏教用語連発で登壇者を惑わすかもしれません(笑))
また、当日は法話の前後で皆様の幸せ度がどれだけ変化するか、最先端技術を用いたマシーンも登場するかもしれません(まだこのマシーンについては未確定です)】とあり、「仏教用語使用禁止の法話」にとても興味を持ちました。

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 浅草の緑泉寺様へ伺うと既に受付をすまして会場の本堂に何人かがいらっしゃり、定刻までに30名ほどが本堂に集合し始まりました。私は初めてですが多くの参加者はこれまでの仏教井戸端トークに参加されているようで和気あいあいの雰囲気です。私のお寺では考えられない20代から30代40代の方々の参加と、対面に今日の法話をされます4人の真宗のお坊さん。そして今回は、法話されるお坊さんと聴聞する私たちを同時に「しあわせ」(幸福度)を計測する機械とそれを表示するスクリーンがありとても東京的なものを感じました。
聴聞する私たちからお題を5つ出して、それを使いながら、仏教用語禁止の10分の法話がスタートです。法話されるお坊さんは、仏教用語を使わないと言う点が、いつもと違い緊張があるようです。休憩を挟んで2回の法話は大変だったと思いますが会場は盛り上がっていました。「いつも読んでるあれ」で「お経」と分かるのはうれしいですね。また、4人お一人づづ法話として成り立っていながら、4人の法話がつながっていくような今まで感じたことがない法話を聴聞する機会を得たことはとても有難かったです。
終了後、「しあわせ」(幸福度)の解説があり会場がこんなに「しあわせ」に包まれている場は珍しいようと聞き、私(住職)もこんなに楽しく法話を聞いたことが無かったと思い会場を後にしました。
法話会の始まる前に、せっかく東京に行くので少し気になっていましたものがありましたのでそちらも確認に行ってきました。それは「桜餅」です。私たちの地域で「桜餅」と言うと、道明寺「餅米で包まれた」餡のものです。でも関東の「桜餅」は、小麦粉の薄皮で餡を巻いたものと聞いて一度食したいと思っていました。「長命寺桜餅店」さんでいただきましたら桜餅が桜の葉で隠れて見えません。一枚外すとクレープの皮のような薄い小麦粉の皮にこしあんが包まれていました。皮が乾かないよう大きな桜の葉で包んであるようです。こちも美味しい「桜餅」でした。

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和讃

 和讃をご紹介いたします。和讃について多くの参考書がありますが、『注解 国宝 三帖和讃』常磐井鸞猶著と『浄土和讃講話』川瀬和敬著より紹介します。
浄土和讃 讃阿弥陀仏偈和讃29首
たとひ大千世界に みてらむ火おも過ぎ行きて
佛のみ名を聞く人は ながく不退にかなふなり
 たとえこの宇宙を猛火が包もうとも、その満ち満ちている火の中をも突き進んで、弥陀の名号を聞き求める人は、永遠に正定聚の位を退かない地位を約束されているのだ
※大千世界は三千大世界の略。この世界の全体を言う。
※みてらむ火は「満つ」という動詞に、完了助動詞「り」と、予想の助動詞「む」が添った形。直訳すれば「満ちていよう火」となる。
※不退は不退転の略。仏道から後退しない意であるが、聖人においては、正定聚の地位をしりぞかないこと。
※かなうは 適合する意。あてはまる。
以上 【注解 国宝 三帖和讃 常磐井鸞猶著より】
 「東方偈」には「たとい大火が世界を一なめにすることがおこってきても、そこで必ずなすべきことは、その火を過ぎ超えて、法を聞くべく急がなければならない。そこにおいて必ず仏道をなしとげて、広く生死流転の激流をわたりきることができるのである」と説かれ、これに動かされた『讃偈』には「たとい大千世界に満ちみつる火であろうとも、それを直ちにのりこえて仏名を聞くべきである。阿弥陀の名を聞くならばもはや退転するということはない。このゆえに至心に稽首し礼したてまつれ」と唱和され、更に『往生礼賛』には感銘を斉うし「たとい大千に満つる火なりとも、直ちにそれを過ぎて仏名を聞け、名を聞いて歓喜し讃仰する者は、皆もろともにかの仏国に往生することができるのである」と伝承されています。
小千世界・中千世界・大千世界を総称して三千大世界といいます。われをおく世界を悉く尽くしているのです。たとい火が満ちようとも、と言ってありますが、さまざまの業火が燃えあがるのが世界の様相です。願わないけれどもわきおこる障害を火で代表します。火が迫ることがなければ、仏名を聞かんとおもいたつ時節が到来しません。火をのりこえて向こうから聞こえてくるものが仏名です。火を過ぎて仏名を聞けよ、聞くことのできたひとは、不退位にかなってながく退転しないというのです。『讃偈』の「また退かず」を自身の最も愛好される不退として受けとめられたのです。「不退にかなう」とは、不退転に住する道の閉じられたものに、聞名一つによって今や不退の位に住するに等しいとて、称賛されるめでたさです。
水火二河の譬喩というのがあります。善導の信心体験の実録です。行者が白道を一歩一歩踏みしめてゆくのに、決して無事平穏ではありません。青黒い荒波に足もとをすくわれ、一方からは猛火がふきつけます。この水火は貪瞋煩悩のことなのです。これを徹底して言い尽くされた一節が『一念多念文意』にあらわれます。「凡夫というは、無明煩悩われらがみにみちみちて、欲もおおく、いかり、はらだち、そねみ、ねたむこころおおく、ひまなくして臨終の一念にいたるまでとどまらず、きえず、たえずと、水火二河のたとえにあらわれたり」と。この大いなる見通しに遇えば、煩悩とのたたかいのはての克服というような妄想は、ふっとびます。地獄の猛火、化して清涼の風となる力によらなければ、火は燃え続けます。
以上【浄土和讃講話 川瀬和敬著より】
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快慶展

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 先日、奈良国立博物館で開催されています「快慶」展に行きました。あいにくの雨でしたが、桜も満開に近く、鹿もたくさんの観光客に人気でした。「快慶」展も多くの人でした。私(住職)は快慶については、学校の日本史で習った程度の鎌倉時代の有数な仏師の一人としか知りませんでしたが快慶の作った代表的な多くの仏像を拝見できた喜びを感じました。また阿弥陀信仰者としての生き方も快慶の仏像を多くの方々が求めた一因になるようです。
 近年高田本山専修寺の如来堂のご本尊である阿弥陀如来立像も、調査により快慶が作った特徴が顕著に認められ、また光背や台座もきわめて入念な作技で素晴らしいものとあり、私(住職)には、より快慶に親しみがもてました。
 また、「快慶」展が終わると源信の1,000年忌特別展として「源信 地獄・極楽への扉」展が予定されているようです。源信(げんしん)は大和(奈良)出身で、天台教学を修め、比叡山横川(よかわ)の恵心院に住したので恵心僧都とも言われています。『往生要集』を著し、あらゆる衆生のため穢土を厭離して阿弥陀仏の浄土を欣求すべきことを勧めました。親鸞聖人は七高僧の一人として尊ばれた方です。展覧会では、源信の影響下で生まれた名品を紹介されるようです。こちらも拝見したいと思っています。
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寺報に見る住職の10年の歩み 平成24年

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寺報に見る住職の10年の歩み 平成24年
【寺報31号平成24年12月発行】
『御遠忌法会を終えて
 妙華寺では平成23年11月に、高田本山では今年の4月に賑々しくお勤めをいたしました。檀信徒の皆様にはご参詣を賜り大変ありがとうございました。改めて親鸞聖人のご遺徳を振り返る勝縁でしたが、御遠忌法会を終えても聖人の「み教え」を深めていきたいと思います。それには自分自身のあり方をもう一度省みることにつきます。私自身がどれ程自己中心の生活をしているのか。このような私にかけられている仏の願いに気づいているのか。そしてこの仏の願いを生涯をかけて尋ねていくことであり、仏縁に遇うことのできた喜びをかみしめ人生を歩んでいきたいと思います。』
 50年に一度の大きな法会を終えた高揚感とこれからの自分の歩みを確かなものとして歩みたい希望を綴りました。
 この年(平成24年)の12月17日に、私(住職)に高田本山の事務方としてのあるべき姿をお教えいただいた岩田光正師がご往生されました。岩田師は前住職が親しくしていただいていた関係もあり、また高田本山専修寺御影堂平成大修理事務局での局長で、私(住職)の上司として多くの事をお教えいただいたことに感謝しています。その岩田様のお寺を嗣がれる(住職拝命されました)お孫さんに今年の本山のお七夜でお会いすることができました。(お孫様の得度の時の岩田師の笑顔がとても素敵だったこと覚えています)
毎年4月に入りますと境内の桜もきれいに咲きますが、今年は開花が遅かったにもかかわらず、暖かく2、3日で満開になりました。メリシャカ(花祭り)はあいにくの雨模様でした。土曜日には、お同行様もお花をお持ちいただきお供えさせていただきました。
1月下旬から、本堂の空調並びに境内墓地の通路整備を行っています。お同行の皆様には、大変心苦しいことですが、年末までに御志としてご寄付をお願いすることになりました。よろしくお願い申し上げます。また、工事中お墓参りでご迷惑をおかけする場合がございます。
※寺報に見る住職の10年の歩みは、毎月10日に掲載いたします。
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境内墓地の通路整備の報告(3月)

本堂の空調設備の設置と境内墓地の通路整備の報告(3月)
 境内墓地の通路整備は、墓地の奥にあたる北西側から通路ごとに順次舗装版を整備しています。3月までの予定は一区画でしたが、二区画の途中まで少し早く作業が進んでいます。
ご迷惑をおかけしますが、境内墓地通路整備期間中の東側駐車場の一部を工事車両が使用します。
また、皆様のお墓の前の通路に花入れなどがございましたら申し訳ございませんが片付けさせていただくことになります。
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