寺報に見る住職の10年の歩み 平成25年

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寺報に見る住職の10年の歩み 平成25年
【寺報32号平成25年12月発行】
『柔らかい顔
 お彼岸・お盆になると大阪の千里より、今年で98歳なられた方が、お一人でバス・電車を乗り継いで、お墓参りに見える。お寺の近くの方で毎日お墓参りに見える何人の方もいらっしゃる。遠方の為、お墓参りができず、佛様にお供えをお送りいただく方もいる。境内の清掃を知らないうちにしていただく方もいらっしゃる。それぞれの思いで、お墓にお参りされ、本堂に手を合わされいる姿を拝見しながら、そこには、優しいと言うより、柔らかいお顔があります。
 以前読んだ本で、自分の怒った顔のことの話がありました。他人の怒った顔は見ることがあっても、自分の怒った顔を見たことがある人はいるのでしょうか。もし自分が怒っている時、鏡を向けると怒っていた顔が普段の顔に戻るそうです。実際自分が怒っている時は、鏡を向けるなどという冷静な判断はできませんが、自分が見たことのある他人の怒った顔と同じなのでしょう。
 怒りながら食事をした。怒りながら仕事をしたと聞くことはありますが、佛様に手を合わせる時、お墓参りをしている時は、誰も怒った顔でされたとは聞いたことがありませんし、見たこともありません。また、赤ちゃんを見るときも柔らかい顔になります。 自分が生まれてきたときの記憶はありませんが、生まれた時は何一つできない自分でした。お腹がへっても、お尻が汚れても泣くことしかできない私を、「ごめんね。お腹がへつていたのね」「ごめんね。お尻が汚れていたのね」と叱るのでなく、謝りながらお世話をしていただく方がいたのに、今では一人で大きくなったような顔をしている自分がいます。そして誰かを怒ってしまう自分がいます。
 お寺にお参りに見える柔らかいお顔を拝見しながら、改めて気づかせていただいています。』
今年(平成29年)から4年前のことですが、お寺の行事にご遠方にいらっしゃる、大変ご高齢のお同行の方がお一人で妙華寺までお越しいただいていました。「押し車を押しながらで、乗り継ぎなど大変でしょう」とお聞きしましたら、「皆さんが親切にしてくださってここまで来ることができます」とおっしゃっいます。片道3時間をかけてお寺に足を運んでくださるお姿に感謝するだけであります。現在は一人住まいも難しくなり、嫁がれた娘様のお近くの施設に入居して元気にしているとお知らせくださいます。
 またこの年(平成25年)の5月14日(前住職の祥月命日)に平松令三先生がご往生されました。私(住職)はお内仏で前住職の祥月命日のお勤めをしていました時に連絡をいただきお昼過ぎにお悔やみに行きました。高田本山で月一度の「古文書を読む会」に参加させていただきご指導をしていただいていました。史学や真宗学を学んでいない私をお誘いいただいたので私自身は、なかなか学びについていくことができませんてしたが、続けさせていただけたのは平松先生がその場で多くの学びをお聞かせいただくことが楽しく、次回も参加をしたいと思う学びの場でした。(参加するだけで私には多くの事が身に入らなかったのですが、私にとってとても贅沢な時間でした)
 この年に、「未来の住職塾」 という超宗派の勉強会に参加しました。これまで宗派を超えて多くの僧侶の方々と一緒に学ぶという経験がなかったのですが、参加者はこれからのお寺を担う若い方々が中心で私(住職)のような年齢の方は少なく、また1回の講座が7時間ほどの講義とワークは久しぶりのことでした。これからのお寺を真剣に考えている若い僧侶達に刺激をいただいたのが一番の収穫でした。またこのご縁で今に至る妙華寺の寺院活動にも変化がでてきたことは確かなことと思います。今年も六期生が学びを始めています。
毎年5月は、親友婦人会の総会があります。婦人会の幹部様にはお手数をおかけしますが何日も前から準備をしていただいています。親友婦人会も会員の高齢化と新しい会員の加入減で組織としての活動もこれまでどおり行うことが困難になってきている現状ですが、会員の皆様の英知で婦人会活動を継続していただきたいと念願しています。
★今月(5月)18日の婦人会総会後の「お寺の講演会」でお招きすることができました井上広法師も、未来の住職塾を受講してのご縁です。
2017-05-18お寺の講演会FullSizeRender
 1月下旬から、本堂の空調並びに境内墓地の通路整備を行っています。お同行の皆様には、大変心苦しいことですが、年末までに御志としてご寄付をお願いすることになりました。よろしくお願い申し上げます。また、工事中お墓参りでご迷惑をおかけする場合がございます。
※寺報に見る住職の10年の歩みは、毎月10日に掲載いたします。