前坊守の満中陰を終えて

前坊守(母)の満中陰を終えて
前坊守の満中陰のお勤めが1月21日に終わりました。
通夜が12月6日・葬儀が翌日7日その日にお骨をお墓に埋葬し、続いて初七日を勤めて、中陰壇は本堂西余間に飾り17日に二七日、24日に三七日、31日(大晦日) に四七日、正月7日に五七日、14日に六七日そして21日に七七日でした。年末年始のご多用な時にかかわらずお勤めに駆けつけていただいた皆様には感謝をしています。
この間に、母の保険証・年金の返還(死亡)手続や、金融機関での手続、お世話になっていた老人保健施設での手続など多くの事もしなければならず、本当に悲しむ時間は取れませんのでした。中陰のお勤めは、グリーフケアの視点からすると悲しむ時間がとれないことの善し悪しはわかりませんが、お集まりいただいた親戚から自分の知らない母の思い出を聞いたり、日常の中で感じることはたくさんあり、毎週の中陰のお勤めすることが目的になってしまっている事が正しいことではありませんが、自分の中ではメンタルの支えになっていたとも感じました。中陰の最後(49日)のお勤めまでには、ご焼香を賜りました皆様に形式的な禮状と別に私自身の思いを綴った文面を考えたり、志を考えたりすることも私にはグリーフケアと捉えることができました。(逆にグリーフケアと捉えることが難しい方もいらっしゃることも承知しています)
昨年から続くコロナ禍の中での「集い」ですので、これまで通りのこともできませんが、往生した前坊守と縁がある方々が思いを一緒にお勤めする時間をとることができたことは貴重な時間であると心から思いました。
また、オンラインを通してお勤めにご参加いただきました方もいてくださり感謝しています。

法苑院妙華寺 親鸞聖人ご誕生850年・立教開宗800年奉讃法会

お同行の皆様に、年末に寺報と共にご案内させていただきました行事が、法苑院妙華寺 親鸞聖人ご誕生850年・立教開宗800年奉讃法会です。
少し先の話ですが、高田本山では、2023令和5年5月にお勤め予定ですので、一年前の令和4年(2022)5月22日(日)に予定しています。

法会は、午後1時(又は)午後1時30分からお勤めして、その後、講演会・対談を午後2時頃から午後4時30分頃終了予定で考えています
今回、「選択本願念仏集」の3幅の掛軸が見つかり、記念事業として修復しています。


修復しました掛軸を当日西余間に掛けご披露させていただく予定です。
法苑院妙華寺の親鸞聖人ご誕生850年・立教開宗800年奉讃法会妙華寺のテーマとしまして、「親鸞と法然(案)」として、「選択本願念仏集」を著述した法然聖人の視点から、宇都宮市の浄土宗 光琳寺のご住職 井上 広法 師(平成27年(2017)のお寺の講演会講師)と、「選択本願念仏集」を書写した親鸞聖人の視点から、真宗高田派 青巖寺のご住職 清水谷 正尊 師からお話を伺い、座談会を予定しています。

まだ先の日程ですので、昨年からの新型コロナウィルス感染症拡大防止の対策をしながら、令和4年(2022)に賑々しく開催できれば有難いのですが、その時の状況を鑑みながら行事を進めて参りたいと考えています。

尚、お同行の皆様のご理解・ご協力をいただきながら、今後も妙華寺の寺院活動が継続できるように、今回の親鸞聖人誕生850年・立教開宗800年奉讃法記念事業としての境内整備を下記のように進めています。
・本堂東楽の間(現在物入れ)の改修(屋根・床と床下)
屋根部分の改修・床・床下補強・天井、壁クロス仕上げ・内陣脇壇の板張り替え
・墓地水屋(2か所)の改修
・新しい生活様式へ対応費用
・選択本願念仏集掛軸(3幅)修理
・本堂内陣の住職・法中席の椅子導入
・本堂の音響設備の新設と照明器具の交換
・お寺の北側の樹木の伐採と撤去 他を考えています。

誠に心苦しいのですが 法苑院妙華寺 親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年奉讃法会の記念事業にご賛同いただき皆様のお力添えをお願いしている次第です。
ご依頼早々にご寄付をお届けいただいき重ねてお禮申し上げます。

お寺の変化

お寺の変化

お寺の航空写真 平成23年(2011)に妙華寺の親鸞聖人750回御遠忌法会を終えてのお寺の全景です。
法会前(平成22年1月から11月まで)本堂の耐震工事・西楽の間の改修、控室・茶室の新築・駐車場のアスファルト舗装を終了して親鸞聖人750回御遠忌を迎えました。

この写真から9年が経って今のお寺はどのように変化したのでしょう。
その後、航空写真を撮っていませんので、申し訳ないのですが、もし航空写真があればわかる(目に見える)変化をお伝えします。
平成26年(2014)にこれまであった境内のトイレを改築し、トイレの近くに休憩所を作りました。休憩所は天候にかかわらずご利用していただいています。
これまで継承者がいない方のお墓として「倶会一処」と名づけた共同墓がありますが、墓地の一画に樹木の元のお墓も新設し、更なるご希望に添えるようにしました。


平成27年(2015)に庫裡の一部であった土間の部分を、新しい庫裡として建て替えました。

平成29年(2017)に6ヶ月間をかけて境内墓地の通路整備として、砂利の通路に舗装板を敷き詰め、押し車や杖をご利用の方に負担が少ない通路にしました。
また、お寺の正面西側の家屋を撤去し福祉車両3台分の駐車場を整備しました。


また、最近は、以前に比べ台風の暴風などで樹木が倒壊する場合があり、ご迷惑をかけることがないようお寺の裏の西側(北西側)の樹木で西側の住宅側に傾いている樹木を伐採しました。

平成30年(2018)には、7月の台風で墓地と通路の間の柵が一部壊れましたので、その一面は新しい柵に改修しました。
それと同時にお寺の裏側の道路から、境内地に大型消防車が入ることができるよう、塀の一部を開閉式の入口にしました。塀を切断する時、地震対策として塀の強度・傾きを調査する機会にもなりました。

令和2年(2020)に境内墓地の2つの水屋を改築とサインボードを新設しました。

航空写真では見えない(写真に映らない)変化として
平成28年(2016)に庫裡と妙華寺会館の床を畳からフローリングに変更して、これまでの畳に座る形から、椅子に座る形に変更しました。その時、地震対策として、床下補強・壁面を増やすこともできました。

平成29年(2017)に本堂の空調設備の新設をしました。最近の夏の暑さは扇風機では涼しくならず、夏のお盆の期間を中心に快適にお勤めをさせていただくことになりました。
令和元年(2019)に本堂床下に金網をめぐらしました。久居の市街地でも、小動物やアライグマなどの出没が多くなり大切な本堂を進入を防ぐ一助としました。
令和2年(2020)に、本堂付属の東楽の間の改築と内陣床下の補強工事などをしました。


新型コロナウィルス感染症の感染防止の対策として、国や三重県などの感染防止対策のガイドラインを参考にお寺の感染防止対策のガイドラインを作成し、お寺がこれまで通りの「集い場」としての安心して皆様にお使いいただけるように考えています。(密閉・密集・密接にならないように、アルコール消毒液・非接触型検温器・アクリル板などの設置・ソーシャルディスタンスや換気の徹底他これからも必要なことに取り組んでいきます)

 

 

毎月16日は碑前でのお勤め

碑前でのお勤め
妙華寺の境内には、お同行様各家の碑(墓)と戦没者の碑、「倶会一処」の碑、樹木の元の「三部石経」の碑、地蔵像と名号(みょうごう)の碑があります。戦没者の碑は、第二次世界大戦で戦死されましたお同行のご遺族が戦後協力して建てられました。「倶会一処」とは、『仏説阿弥陀経』の中の一文で、「往生してからも倶(とも)に会える場所」のことであります。「浄土三部経」と呼ばれる、『仏説無量寿経』、『仏説観無量寿経』、『仏説阿弥陀経』の経文を一字づつ石に書き続けて全てを書き終えて石碑を建てられた「三部石経」の碑。水屋の近くのお地蔵さんと共に「南無阿弥陀仏」の「名号(みょうごう)」の碑。建てられた時期は違いますが、私のいのちが、仏さまから誓われている中で安心できる日常を生きていることに感謝し、先に往生された方々に仏徳讃嘆させていただく思いでそれぞれの碑が建てられたことと感じています。
これまでお正月の修正会のお勤めの後、7月15日のお盆勤めの後それぞれの碑前でお勤めしていましたが、平成30年の10月から毎月16日の朝にそれぞれの碑の前でお勤めをしています。
1年間毎月同じ時間にお勤めしていますが、空のグラデーション(冬の夜明け前から夏の明るい色)や体感の変化に季節の移ろいを感じています。
※毎月16日の朝、高田本山では親鸞聖人の命日で御廟でお勤めがあります。
妙華寺の碑前のお勤めを16日にしましたのは、それに準じて決めました。

文化財防火デー

文化財防火デー
毎年、1月26日を文化財防火デーとして火災に注意喚起がなされています。
文化財と聞きますと国宝や重要文化財の建物や宝物など貴重な品を最初に思い浮かべますが、小さなお寺にも地域やお同行の皆様から大切にされているものがいくつもあります。
私(住職)は、手を合わせる場・心が癒やされる場・非日常の場などの集い場が思い浮かびますが、皆様はどうでしょうか。
また、近年は非常事態時の避難スペースとしても注目をされていると思います。
妙華寺も、もしもの時に一時避難スペースとして活用できる環境整備も考えています。
地域コミュニティの中でソーシャルキャピタルとしてお寺が活動できるよう精進していきます。
地域やお同行様の大切なものを預かっている寺院管理者として、もしもの時の行動を身につけることが大切だと改めて考えています。

お寺の掲示板

お寺の掲示板
「死に目に会えなかった」からといって、後悔はしなくていい

『人は人を救えないが、「癒やす」ことはできる』 谷川洋三著から

著書では続けて、「息を引き取る瞬間にタイミング良く立ち会うのは、そう簡単なことではありません。たとえ死に目に会えなくても、自分を責める必要はないのです」とあります。

心臓が止まる瞬間というのは、いつ訪れるかわかりません。容体が急変して、あっという間に亡くなってしまうことも多いです。死に目に会うのは、実はかなりむつかしいことだともいえます。

※私(住職)も、父(前住職)・母(前坊守)の死に目には立ち会うことはできませんでした。もし立ち会うことができたとしても、きっと私(住職)は、うろたえるだけだったと思います。命終えるまでの姿を見せていただく中で多くの事を思うことでした。

お寺の宝物

六字名号 (専修寺第12世)堯慧上人筆 1幅
高田派の名号(みょうごう)で、専修寺第10世真慧上人が用いたと言われる名号の形式で、中央に「南無阿弥陀仏」と書かれ、その左右に、善導大師と法然聖人に続いて高田の歴代上人が書かれている。
向かって右上から「善導・親鸞・顕智(第3世)・定専(第5世)・順証(第7世)・定顕(第9世)・応真(第11世)」左上から「法然・真仏(第2世)・専空(第4世)・空仏(第6世)・定順(第8世)・真慧(第10世)」 左下に「愚老80歳 大正層堯慧 書之」とある。

この形式の名号を用いた真慧上人は、親鸞聖人の「み教え」の正統は、善導(大師)・法然(聖人)と続く高田派にあることを著したと思うが、堯慧上人の名号は、高田派の第11世応真上人と真智上人の正統争いが続いていた時代で、応真・堯慧と続くことが高田の正統であることを示しているとも見ることができる。

昨年(2020年)の振り返り

昨年(2020年)を振り返って
今年もよろしくお願い申し上げます。昨年のことでは、私(住職)もそうですが、皆さんも、新型コロナウィルス感染症のことが大きな出来事であったと思います。昨年の正月の修正会では思ってもみていなかったことで、世界中の人々が新型コロナウィルス感染症の不安を共有している時間は、そうそうないことで、私たちの生活様式に大きな変化がありました。
個人的には、老人保健施設に入居していました母(前坊守)に2月中旬から面会禁止が初まり、6月頃には予約面会で3回ほど面会ができましたが、7月から再び面会禁止になり最期を迎えるまで、面会は難しかったです。このことは、病院に入院されている方々も同じで、ちゃんと病院や施設のスタッフが患者・入居者を看護・介護をしていただいていることにとても感謝しているのですが、身内のわがままな発言として、身内や関係者が自由に会うことができにくい状態は気弱な気持ちになりやすいと感じました。
生活面では、食品や日常品を購入し一日を過ごすことができることがありがたいことではありますが、心が豊かに育まれる人と「出会う」こと「集う」ことがマイナスイメージで語られる社会が、これからも続いていくとすると、違う不安を感じます。
新型コロナウィルス感染症のワクチンの開発や医学の進歩で、感染症をコントロールできることになっても、これまでと同じ生活には戻らないと私は感じています。
今、私(住職)の頭の中は、マイナス思考でいっぱいですが、マイナス思考自体が悪いことではないと思っています。私の思考は、自分にとってプラス・マイナスと考えてしまう思考、それを俯瞰する思考がありますが、いずれも自分の中での思考です。自分の中の思考を離れた思考(私の場合は、浄土の教え)が大切なはたらきをしています。

年末に、久しぶりに、知人と対面での会話で「直感」と「直観」について改めて考えさせられました。「ひらめき」も大切ですが「真摯に物事に向き合う(観察する)」ことも大切で、私(住職)の場合「直観」についてもう少しちゃんと向き合わないといけないようだと考えています。
今、人と「出会う」ことや「集う」事が難しい時ですので、お寺(僧侶)も、IT技術を使ってのオンラインでお寺(僧侶)の情報発信が増えています。また、お寺(僧侶)も異業種との連携で、お寺(僧侶)の活動の可能性が拡がり、仏教(宗教)も社会に求められ開かれていくのは素晴らしいことですが、仏教の教えが利用(消費)されるのではなく、社会がどこまで仏教(宗教)の教えを伝える社会であるのか、(これまでの日本の歴史の中での仏教のあり方の繰り返し?ではダメですね)、そして、結局は、仏教は僧侶しだいと思われてしまうこともどうなんだと思ってしまう自分がいます。

新年の準備

今年も1年が過ぎようとしています。晦日の午後から強風で大荒れで、大晦日の朝少し積雪していました。久居地区では1年に1度あるかないかのことです。
お寺の行事は、私の人生のように、毎年同じようでありますが、その時1度限りの一期一会です。
毎年最後のお勤めは大晦日の午後5時に歳末会としてお勤めしています。1年間の仏恩を報謝します。
一週間ほど前から新年の準備をします。
お堂の西余間に妙華寺の初代住職の像を中心に歴代住職の位牌を敬置します。また7代住職から11代住職の絵像の掛軸がありますのでお掛けします。
ご本尊前にお同行様からのお供えを披露します。


新しい年の年回繰出表を用意します。
続いて、修正会(しゅしょうえ)の準備ですが、普段あまりお勤めをしない「現世利益和讃」を15首拝読しますのでその用意をいたしました。お屠蘇の用意も年1度のことですが、今回はお越しいただく皆様にお出しすることは中止します。
本堂に空調設備が整いましたのでこれまでより温かいと思いますが午前5時30分からの修正会のお勤めは、道中寒い中お越し頂くことになりますので温かくしてお越し下さい。 ※高田本山のお七夜のお非時券(今回は中止の為「お七夜」券)を修正会の終了後配布いたします。
枚数に限りがありますので必要な方はお申し出ください。