昨年(2020年)の振り返り

昨年(2020年)を振り返って
今年もよろしくお願い申し上げます。昨年のことでは、私(住職)もそうですが、皆さんも、新型コロナウィルス感染症のことが大きな出来事であったと思います。昨年の正月の修正会では思ってもみていなかったことで、世界中の人々が新型コロナウィルス感染症の不安を共有している時間は、そうそうないことで、私たちの生活様式に大きな変化がありました。
個人的には、老人保健施設に入居していました母(前坊守)に2月中旬から面会禁止が初まり、6月頃には予約面会で3回ほど面会ができましたが、7月から再び面会禁止になり最期を迎えるまで、面会は難しかったです。このことは、病院に入院されている方々も同じで、ちゃんと病院や施設のスタッフが患者・入居者を看護・介護をしていただいていることにとても感謝しているのですが、身内のわがままな発言として、身内や関係者が自由に会うことができにくい状態は気弱な気持ちになりやすいと感じました。
生活面では、食品や日常品を購入し一日を過ごすことができることがありがたいことではありますが、心が豊かに育まれる人と「出会う」こと「集う」ことがマイナスイメージで語られる社会が、これからも続いていくとすると、違う不安を感じます。
新型コロナウィルス感染症のワクチンの開発や医学の進歩で、感染症をコントロールできることになっても、これまでと同じ生活には戻らないと私は感じています。
今、私(住職)の頭の中は、マイナス思考でいっぱいですが、マイナス思考自体が悪いことではないと思っています。私の思考は、自分にとってプラス・マイナスと考えてしまう思考、それを俯瞰する思考がありますが、いずれも自分の中での思考です。自分の中の思考を離れた思考(私の場合は、浄土の教え)が大切なはたらきをしています。

年末に、久しぶりに、知人と対面での会話で「直感」と「直観」について改めて考えさせられました。「ひらめき」も大切ですが「真摯に物事に向き合う(観察する)」ことも大切で、私(住職)の場合「直観」についてもう少しちゃんと向き合わないといけないようだと考えています。
今、人と「出会う」ことや「集う」事が難しい時ですので、お寺(僧侶)も、IT技術を使ってのオンラインでお寺(僧侶)の情報発信が増えています。また、お寺(僧侶)も異業種との連携で、お寺(僧侶)の活動の可能性が拡がり、仏教(宗教)も社会に求められ開かれていくのは素晴らしいことですが、仏教の教えが利用(消費)されるのではなく、社会がどこまで仏教(宗教)の教えを伝える社会であるのか、(これまでの日本の歴史の中での仏教のあり方の繰り返し?ではダメですね)、そして、結局は、仏教は僧侶しだいと思われてしまうこともどうなんだと思ってしまう自分がいます。