高田派宗議会議員

高田派宗議会議員
この度、高田派の宗議会議員の一人として活動させていただくことになりました。
任期は、3月12日から4年間です。

宗議会は、5月に真宗高田派(包括法人)と本山専修寺(本山)の予算案と9月の決算案の審議する為に年2回開会されます。その他、真宗高田派や本山専修寺に大きな問題が生じた場合は臨時宗議会が開会されます。

妙華寺の住職(代表役員)として、14年間お寺を運営するなかで、何ができたかは皆様の声に預けますが、1つの宗教法人としての活動には、限界があります。その時に妙華寺の所属する包括法人の真宗高田派で取り組むものもあるのでないかと感じています。

間近に迫る2025年問題もありますが、日本のこれからは、寺院(宗教)に限らず行政(清治)も企業(経済)も人口減少に伴う危機感を共有しています。しかし、その為に取り組むべき施策(指針)をどのように描いていくかが分からず、悩んだりしているのではないでしょうか。
これまでもその時代の危機感はあり、それに対応してきたと想いますが、1つの宗教法人として取り組むことができない課題を、包括法人として1つ1つの宗教法人をサポートできる取り組みを、他の宗議会議員と共に考えていきたい思っています。

東日本大震災から11年

東日本大震災から11年
11年前のこの日のことは、今でも、私(住職)は忘れていないが、何を忘れていないか。当日のTVの映像や新聞記事、その後に続く被災地の状況。これは記録(現実)である。
現実に起こったことを忘れないことも大切ですが、それによって私たちの心や身体の変化をどのように見ていくのか考えさせられています。
その時、私(住職)にできたことは、被災地で亡くなられた方や被災者の方への「祈り」だけだった。真宗の教えの「祈る」は、現世での利益を求めて念仏することを否定している。

しかし、本願に出遇ったことで、世の中が安穏であってほしいと願うことで「祈り」の語が使われている。

私(住職)の住む三重県も南海トラフ地震が起これば大きな被害が想定されています。
その時、何ができるかわかりませんが、できる準備はしておきたいと考えています。

東日本大震災のこと以外にも、心や身体に影響がおよぶ私(住職)の目の前にある悲しみや苦しみに向き合う事を決して忘れてはならないと思っています。

 

【参考】
「仏号むねと修すれども 現世をいのる行者をば これも雑修となづけてぞ 千中一無ときらはるる」【浄土高僧和讃 善導禅師 6首】

「それにつけても念仏を深く頼みて、世の祈りに心入れて申し合わせ給うべしとぞおぼえ候」【御消息 永福本 6月1日の御文 性信宛】
「念仏謗(そし)らん人々、この世、のちの世までのことを、祈り合わせ給うべく候う」
【御消息 永福本 下され給いてのち 性信宛】

お仏壇を大切に

お仏壇を大切に
お寺と縁があるお家にはお仏壇があると思います。
仏壇とは、仏像などを安置する厨子の一種で、お寺の内陣を摸したものが多いと思います。高田派では、中央に本尊として阿弥陀仏立像や絵像・「南無阿弥陀仏」の6字名号を安置し、向かって右側の脇掛に、親鸞聖人絵像か十字名号、向かって左側の脇掛に、十字と九字名号か九字名号を安置します。そこは仏徳讃嘆する場であります。
仏壇には、これまでの先祖さんの位牌もおかれて、毎日手を合わされているご家族の姿は尊いものと思っています。
朝炊きたてのご飯でお仏飯を供えて、庭にあるお花を手向けて、ロウソクに火を点け、お線香を手向けて、手を合わせる。時間があればお勤めもする。お仏壇は飾り物でなく、日々手を合わす場所・心が落ち着く場所としてあるのではないでしょうか。

今、お仏壇はどのような存在でしょうか。これまでの家の作りでは、仏間があって仏壇の安置する場所が決まっていました。また仏間には家具を置くこともなく、八畳か六畳のスペースが空いていて、亡くなられた家族の年忌などのお勤めで人が集まる時は、隣の部屋との襖や縁側の障子を外して更に広いスペースに座布団をひいて多くの方が座られていました。
昭和の時代の話になるのかも分かりませんが、自宅の仏間で、家族・親族・近所の方が集い、一緒にお勤めをされていたことを思い出します。
亡くなられた家族の命日を縁として、仏法に遇い、阿弥陀様の恩徳に報謝する場であります。

今は、これまでの住宅事情と違いますし、生活様式の変化で多くの方が自宅に集まることができにくくなりつつあります。
自宅のお仏壇で手を合わせるのは、ご家族だけなのかもわかりません。
そうではありますが、そこには亡き人を大切に思う心が溢れていて、お仏壇も大切にされていると思います。

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お寺からの配布物

お寺からの配布物
春秋のお彼岸・春秋の千部会・報恩講の時、お世話方様を通してお寺の行事の案内しています。ご遠方の方へは報恩講の頃、寺報を郵送させていただいています。
今年の春彼岸会の案内では、5月22日の親鸞聖人ご誕生850年・立教開宗800年奉讃記念法会の冊子が刷り上がってきましたので、2月末日までに、ご寄付をいただきました皆様へ配布をさせていただく予定です。
当日の講演でもお話をしていただく妙華寺蔵の「選択本願念仏集」掛軸のことをまとめたものです。私(住職)も知らないことを分かりやすく紹介していただいています。
また、当日の参加につきまして、多くの皆様にお越しいただきたいのですが、新型コロナウィルス感染症のことで、感染防止対策の1つとして、やむなく人数制限を考えています。ご参加希望の方は、同封のハガキにて、4月1日消印から4月30日の消印にてご連絡ください。応募者多数になりますと、抽選にて、5月に入りましたらご案内申し上げます。
また、親鸞聖人ご誕生850年・立教開宗800年奉讃記念への思いもメッセージとしてお寄せ下さい。当日ご披露を考えています。

祖師寿のご案内

祖師寿のご案内
お同行の皆様のお喜びの1つに親鸞聖人90歳のご生涯で、90歳のお年を迎えられるお同行様を「祖師寿(そしじゅ)」祝いとしてお同行の皆様の仏縁を共にお喜び申し上げています。
男性は降誕会(ごうたんえ)の5月21日に、女性は6月の最初の日曜日(今年は5日)に開催されます高田派婦人連合大会の式典で表彰されます。このことを励みにされていらつしゃる方もたくさんいらっしゃるようです。今年は昭和8年(1933)生まれの方が該当されます。
該当されます方は、妙華寺に3月末までにお申し込みください。お寺から高田本山へお伝えいたします。
賞状と記念式章が贈られます。
※今年も、昨年と同様、新型コロナウィルス感染症の感染防止対策として式典は中止になります。該当者の賞状・記念品はお寺に送付され、該当者の皆様へお渡しします。

 

いのちの日

いのちの日
京都府では、(平成28年から)毎年3月1日を「京都いのちの日」と定め、自らの命を見つめ直すとともに、家族や友人など周りの人にも思いをはせ、 共に生きることの意味や絆の大切さについて周知されます。

行政が進んで、「自殺(自死)対策」に取り組まれ、全国に「いのちの日」が広がることを願っています。

三重県津市にも自死遺族会として活動されている「ガーベラ会」があります。
私(住職)は、数年前から津市海岸町の潮音寺さんを会場に自死者の追悼法会で活動を知りました。
「ガーベラ会」さんは自死遺族の分かち合いの他にも諸行事をされています。
3月5日(土)に「二胡の演奏会」が潮音寺さんを会場に開催されます。関心のある方は、ご参加いただくこともできます。

見えない補修工事

今月は、境内墓地の表示板の改修と本堂西側の一部剥落した白壁を補修しました。
また、本堂の入り口の左右の板壁が経年で痩せ細ってすき間が、随分前からできていました部分を内側から補修しました。
墓地の表示板については、既にブログで紹介していますが、本堂西側の白壁が剥落しましたのは、昨年の年末寒波と強風の時、一部が剥落しました。隣接する書院へ続く建造物との間の部分の壁の一部でした。
本堂入り口の左右の板壁は本堂が開いている時、外側の唐戸に挟まれあまり見ることもありません。また本堂内からは、手前に掲示板を設置していますのでやはり見ることも少ないと思います。本堂が建立され、およそ150年の前からの板壁と思いますが、良く見ると、乾燥して板が縮んだり、亀裂が入ったりして、外からの日差しが本堂内に入っています。換気にはもってこいですがそのままにしておくのもいかがなものかと考え、内部から板壁を補修しました。
あまり視覚に入らない部分の補修ですが、このような作業を継続しているお陰で次世代に引き継ぐことができるのだと思います。

 

 

新しい墓地表示板

墓地の表示板
以前、墓地通路を整備しました時に、墓地表示板も整備しました。お墓参りの方の邪魔にならないよう通路から10cmほどの高さの表示板でした。しかし、靴やバケツなどに接触し、皆様にご迷惑をおかけし、表示板も傷んだりし、何度も作りなおすことをしています。
今回、親鸞聖人ご誕生850年・立教開宗800年奉讃法会の事業の1つとして墓地の表示板を一新しています。高さ150cm(一部180cm)の表示板です。お墓参りの皆様の視野に入り、「うっとうしく」感じられる場合もありますが、わかりやすい墓地整備の一環としてご理解いただきたいと思います。

オンラインのお勤め

オンラインのお勤め
2020年1月頃から新型コロナウィルス感染症の感染リスクとして「集う」ことに不安な心になり「集う」ことが当たり前では無くなってきました。

妙華寺でも感染防止対策の基本であります検温・手指の消毒・マスク着用のお願いであったり、本堂の換気対策や消毒の徹底・着席する椅子の間隔に仕切り板を設けたりしていますが、全ての方が安心することは難しい時代です。
それでも、「集う場」は必要と感じていますのでお寺としてできることは、今後も取り入れていこうと考えています。

そのような中、社会でこれまで「集う」ことで成立していた仕事や会議・授業などの一部がオンラインでも成り立つことも可能になってきました。
お寺に「集う」ことが難しい場合、法要やお寺の行事をオンラインで配信するお寺も増えています。新しい取り組みの1つとして妙華寺でもオンラインのお勤めを手探りながら始めています。インターネット環境やPCなど設備がそろわないと難しい面もありますが、 若い世代の方々は日常的に使われていますのであまり違和感はないかもわかりません。
オンラインでできることできないこともありますが、お寺に「集う」気持ちをお持ちでも「集う」ことが難しい方々にオンラインでご一緒(集うことが)できる可能性もございます。

今年も遠方の方からオンラインのお勤めの依頼がございました。映像は、お寺のご本尊を中心にして、お勤めをしています。お勤め中にご自宅のお仏壇で焼香していただきます。
1つの空間に「集う」ことはできませんが、同じ時間一緒にお勤めできる環境でありましたらオンライン上で離れたご家族やご親戚と「集う」ことも可能です。

オンラインのお勤めをご希望の場合、事前に打ち合わせをさせていただきますのでご連絡をお願いします。

葬送仏具

【野仏】

葬送仏具
妙華寺では、葬儀の時、「野仏」と「野袈裟」と言われる高田派の葬送仏具を用意しています。
「野仏」は、「野袈裟」と共に葬儀で使用する掛軸で、阿弥陀如来が描かれていて、葬送の時の本尊として扱っています。形式はいろいろあるようで、妙華寺の野仏さんは、三尊仏が描かれた掛軸です。

これまでは、自宅での葬儀が多く、仏間と隣接する部屋の襖を取り払い1つの空間として葬儀をおこなっていました。私の知る昭和50年代頃からは葬祭業者の立派な祭壇を設え、その中央に「野仏」を掛け葬儀を行っていました。

今の葬儀は、殆どが葬儀会館で行われ、葬儀会館が自前で各宗派のご本尊を用意されている場合もあり、妙華寺の「野仏」は掛けられない(使われない)時もあります。

「野袈裟」の方は今も棺の上に掛けて使われています。

「野袈裟」は、僧侶が着用する袈裟を模したもので羽二重でつくられています、100cmから120cm四方の布の中央に「南無阿弥陀仏」 向かって右側に「其仏本願力 聞名欲往生」向かって左側に「皆悉到彼国 自到不退転」と揮毫した高田派の法主の名と下付された寺院名や年月日が書かれています。

「野袈裟」は、高田派の10代真慧上人が伊勢に入られた頃、生み出され、高田派の一部の地域のお寺で今も使用されています。
葬送の場所に「野仏」(掛軸)を掛け、ご遺体の上に「野袈裟」を掛けたり、棺の場合は、棺の上に「野袈裟」を掛け、「棺腰巻」と言われる「野袈裟」と同様の布で棺を覆い、荘厳されたのでしょう。

※「棺腰巻」は、妙華寺には、伝わっていませんが、伝わっている寺院では、「光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨」「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」が記されているようです。

私たちが今行っている葬儀の形と真慧上人時代(1500年頃多くの「野袈裟」を書き与えた頃)の葬儀の形は違っていたと思いますが、どこがどう違っていたか、私(住職)には想像することもできません。
葬送の場所も、三昧や墓地の屋根がないところだったかもわかりません。僧侶が参加していたとは思いますが定かではありません。簡素な形であっても亡くなられた方との別れを大切にしたい思いがあっての葬送仏具であると思います。

【野袈裟】