お仏壇を大切に

お仏壇を大切に
お寺と縁があるお家にはお仏壇があると思います。
仏壇とは、仏像などを安置する厨子の一種で、お寺の内陣を摸したものが多いと思います。高田派では、中央に本尊として阿弥陀仏立像や絵像・「南無阿弥陀仏」の6字名号を安置し、向かって右側の脇掛に、親鸞聖人絵像か十字名号、向かって左側の脇掛に、十字と九字名号か九字名号を安置します。そこは仏徳讃嘆する場であります。
仏壇には、これまでの先祖さんの位牌もおかれて、毎日手を合わされているご家族の姿は尊いものと思っています。
朝炊きたてのご飯でお仏飯を供えて、庭にあるお花を手向けて、ロウソクに火を点け、お線香を手向けて、手を合わせる。時間があればお勤めもする。お仏壇は飾り物でなく、日々手を合わす場所・心が落ち着く場所としてあるのではないでしょうか。

今、お仏壇はどのような存在でしょうか。これまでの家の作りでは、仏間があって仏壇の安置する場所が決まっていました。また仏間には家具を置くこともなく、八畳か六畳のスペースが空いていて、亡くなられた家族の年忌などのお勤めで人が集まる時は、隣の部屋との襖や縁側の障子を外して更に広いスペースに座布団をひいて多くの方が座られていました。
昭和の時代の話になるのかも分かりませんが、自宅の仏間で、家族・親族・近所の方が集い、一緒にお勤めをされていたことを思い出します。
亡くなられた家族の命日を縁として、仏法に遇い、阿弥陀様の恩徳に報謝する場であります。

今は、これまでの住宅事情と違いますし、生活様式の変化で多くの方が自宅に集まることができにくくなりつつあります。
自宅のお仏壇で手を合わせるのは、ご家族だけなのかもわかりません。
そうではありますが、そこには亡き人を大切に思う心が溢れていて、お仏壇も大切にされていると思います。

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