1月のお茶

1月のお茶は、新年の挨拶も兼ねている。床の間に「結び柳」を荘る場合が多い。
社中の初釜(初茶)や月釜、呼ばれたことがないが宗家(裏千家)での初釜、地域の新春祭での呈茶もあり、お茶に接する機会は多いが、中々参加する時間も取れない。

今はなくなったが、ある時期、高田本山のお七夜の期間、有慶堂で呈茶のお手伝いをする時があった。常磐井家の茶道具をお借りして、参詣者にお薄一服差し上げる時は、緊張の連続だったことは懐かしい思い出だ。

初釜の時の設えは、おめでたいもの・干支にちなんだものや、歌会始の勅題にちなんだものが取り上げられることが多い。ある12年間は、地元の万古焼の干支の茶碗を集めたことがあった。今は2度目・3度目の干支で活躍してくれている。

祖父母がいた頃は、2日は比較的時間があったので、家族でお薄をいただいた記憶がある。祖父の点前で、作法も知らない私にお茶をよばれる時の基本的なことを教えてもらいながらいただく薄茶は、最初は苦いだけだったが、何度もお相伴するうちに、ほのかな甘味や美味しさを感じるようになったのはうれしい。
母が元気なころに、正月荘りの茶室で私がお薄一服点て、差し上げることができたことも、私の中での良き思い出である。

【紹介】掛軸

お寺に、浄土和讃 讃阿弥陀仏偈和讃 28首・29首が墨書された掛軸があります。

28首

阿弥陀仏の御名をきき 歓喜賛迎せしむれば

功徳の宝を具足して  一念大利無上なり

29首

たとひ大千世界に   みてらん火をも過ぎ行きて

仏のみ名を聞く人は  ながく不退にかなふなり

 

掛軸は、絹本で 専修寺第21世の常磐井堯熙が書かれました。

この掛軸を通して、真宗の「み教え」を伝えようとしていることは明らかです。

私(住職)もその和讃を味わうことができるように精進したいと思っています。

あなたにとってお寺とは

あなたにとってお寺とは
妙華寺は、多くの寺院と同じような檀家寺院ですので、檀家の年忌法要・お盆勤め・葬儀のお勤めが中心です。
宗教法人としての「目的」は、『この法人は、真宗高田派宗制により、宗祖親鸞聖人の立教開宗の本義に基づき、教義をひろめ、儀式行事を行い、信者を教化育成して公共の福祉に寄興し、その他この寺院の目的達成のために、必要な礼拝の施設、その他財産の維持管理その他の業務及び事業を行うことを目的とする』とあります。
宗教法人の「目的」に書かれているように、亡くなられた方の「いのち」を通して、親鸞聖人の「み教え」をお伝えているつもりですが、届いているのでしょうか。大切な方がなくなられることを経験して「人生」の無常に気づくことはありますが、そこから、阿弥陀さんの「はたらき」について関心を持つ方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。拙い法話では伝わらないと言われればそれまでですが、自分自身の「生老病死」に向き合ってどのような気持ちで生活をされているのかとても興味があります。中には、「生老病死」は当たり前のことで「死」んだらおしまいと感じている方もいらっしゃると思います。しかし、大切な方の「死」を通して、阿弥陀さまの「願い」と「生」きる意味を、仏法から感じてほしいというのが私(住職)の願いです。

【案内】高田本山報恩講(お七夜)

【案内】高田本山の報恩講(お七夜)
親鸞聖人のご遷化が、今の暦で正月16日です。

高田本山の報恩講は毎年ご正忌をご縁として正月9日から16日までお勤めされています。
七昼夜、親鸞聖人のご遺徳をしのび、ご恩を喜び報謝させていただきますので、「お七夜」と親しまれて呼ばれています。
昭和の時代ですと、お正月が過ぎ、年明けの仕事が始まっていますが、お七夜に参詣して本格的に仕事に取り組まれるということをお聞きしたこともあります。

期間中は、多くのイベントが山内を中心に行われますが、宝物館(燈炬殿)では、お七夜期間だけの「伝燈 燈火を伝える歴代上人」展が開催されます。ご関心・ご興味がありましたら是非お立ち寄りください。

また、14日晨朝のお勤めの(7時)後、御影堂で妙華寺の副住職がお話させていただきます。朝が早いので、現地に行くことが難しい場合YouTubeでも配信されますので、ご視聴いただくこともできます。

お寺の1月

お寺の1月
お寺で生まれた私は、毎年お寺で元日を迎えています。当たり前といったら当たり前ですが、自分ながら驚いてしまいます。
子どもの頃の記憶はあいまいですが、高校生2年の時、友達と大みそかに(伊勢)神宮に行きました、元日に入った頃、お寺(自宅)に帰ってきた時も、5時30分からの修正会には間に合いました。その当時は、年末からの準備も楽しかったです。30日に家族で餅を搗き、ご本尊にお供えすることが目的ですが、その場で食するできたての餅が美味しかったことは今でも覚えています。修正会のお勤めが終わると、内仏さんで朝のお勤めを家族全員でしてから、元日の朝の食事が始まります。清酒に屠蘇散を入れたお屠蘇で、お雑煮は、おすましでした。元日の夜の「すき焼き」も今より質素でしたが記憶に残っています。祖父母がいる頃は、祖父の弟も参加してにぎやかでした。本堂の正月荘りを片づけるのが3日の夕方で、お供えのお餅を切り分けるのが大変でした。
母の妹家族が新年の挨拶に見えるのは、2日か6日以降が多かったです。以前は、3日と5日が組内のお寺の報恩講に伺っていましたし、4日は自坊の地区の報恩講で、少しゆっくりできるのが6日以降だったからだ。しかし9日から16日まで本山のお七夜が始まりますのでそうゆっくりもしていられません。そうこうしていると1月の下旬には、世話方会や以前は婦人会の報恩講と続いて、お寺のお正月(1月)が過ぎてしまいます。

※今は、3日5日の組内の報恩講が12月になり、世話方会の総会は4月に変更し、婦人会の報恩講はなくなり幾分時間がある1月です。

【案内】『花こぶし 親鸞聖人と恵信尼さま』前進座 津公演

【案内】『花こぶし 親鸞聖人と恵信尼さま』前進座 津公演
(共催 真宗教団連合三重県支部)
日 時 令和6年2月20日(火)開演14時(開場13時30分)
開 場 お城ホール(津リージョンプラザ)津市西丸之内23
観劇料 6,500円(全席自由席)

問い合わせ 法苑院 妙華寺 059-255-2846
お寺から、真宗教団連合三重県支部事務局へ連絡します。
※申し込み順で満席になった場合は、申し込みできませんのでご了承ください。

昨年は、三重県総合博物館で『親鸞 専修寺の至宝』展が開催され何度か足を運びました。
今回の演劇も、近くの会場で観ることができるのはうれしいことです。
ご興味・ご関心があり、ご都合がつきましたら是非足をお運びください。

法友

法友
親鸞聖人の「み教え」に興味を抱く友がいます。中高の同級生ですが、大学以降疎遠になっていました。同窓会で会えば話をする関係ですが、もう10年以上前に、彼のお父さんが亡くなられたそうです。父の葬儀をしてから菩提寺の住職に、親鸞聖人の「み教え」を学ぶことをすすめられたそうです。これまで、仏教に縁がなかった彼でしたが、高田本山で開催される夏の仏教講座に菩提寺の住職と共に聴聞されたそうです。それから、毎年高田本山の仏教講座や講演などに参加するようになり、高田短期大学の主催される仏教専科(2年で1クール)の講座にも毎回参加されています。高田本山での仏教講座や講演で顔を合わすようになり、仏教を学ぶきっかけや近状をお聞かせいただくことになりました。
もう1人の方は、同じ趣味の仲間で、退職後、市内の仏教を学ぶ会に参加されるようになり、高田本山での仏教講座などにも参加されています。京都の本願寺の聞法会館での講座の帰りにバス停で偶然お会いして、法を求める強さを感じました。二人とも自分の生活の中で聴聞する時間をつくられ、親鸞聖人の「み教え」を喜んでいらっしゃいます。私と会うのは年に数回ではありますが、仏縁に結ばれた法友であります。

もちろん、同じ仏教の道を歩む僧侶も、法兄・法友であり、親しくお教えをいただく師であります。索漠とした社会で生活をしていますが、仏の「はたらき」から気づくことはたくさんあると感じます。
自分の生活から離れているような仏教の教えでありますが、仏法に出遇うと、どうしても世俗の損得勘定で表現してしまいますが、私の生活がより豊かな気持ちになります。

※中川個人の感想です。

また、新しい一年が始まります。法友が増えるとうれしいです。

茶道の行方

茶道の行方
茶の木は、中国から輸入されたものです。いつも飲料している緑茶も最初は薬のような扱いであったと聞いたことがあります。お茶の葉を蒸しあげて時間をかけて碾茶にする。そして、生活の中でお茶一服を美味しく喫する為に、お茶を点てる作法や、もてなしの方法が考えられていく。茶をいただく為の茶室も造られて、日本の総合文化と呼ばれる「茶道」が造り上げられていった。日本に仏教が入ってきた時より遅いので、日本仏教のエッセンスも含まれている。
しかし、現代の生活者の視点から見ると「茶道」は、特別なことだ。今の時代に炭を使ってお湯を沸かすことなど考えられない。炭の火力を整える「灰」を知っている人がいるだろうか。「床の間」を知らない世代もいるし、畳に座ることも珍しい。まして、親から子どもへ伝えられることではなくなっている。これまでの当たり前が通じない時代だ。

床の間の掛軸をどのように感じるか。炭をついで、火を熾すことや、ほのかな香木や練香の香りを聞くこと、鉄釜のお湯がとてもまろやかに感じること、お茶一服を美味しく喫することに意味があるのだろうか。

「茶道」は、これまでの生活の中で大切にされてきたことだが、何にとってかわられたのだろうか。わからないことだらけだけど、求める者は、実践(稽古)を続けていくしかないのかも知れない。

同じかどうかもわかりませんが、「仏教」の教えもこれまでの生活では当たり前であったことが、次世代には伝えられていない時代なのでしょう。
仏教史観の「末法」の時代であることはずいぶん前からですが、今を生きる私には、これまでの「末法」であるが故の伝え方とも違う、伝え方も模索しなければいけないとも感じています。
※中川個人の感想です。

おてらおやつクラブ

おてらおやつクラブ
毎月、一人親世帯を支援されている団体に、お寺のお供えをおさがりとしておすそ分けさせていただいています。支援団体さんには、報恩講のお非時(ひじ=食事)の時にこども食堂も併設してご奉仕していただいています。
今年は、4年ぶりにお非時とこども食堂のご奉仕をいただきました。その場が、お寺の「おてらおやつクラブ」の活動も知っていただく場となっています。
お非時にお越しいただいた方から、一人親世帯へ手作りのペンダントをお預かりして支援団体様へお渡ししました。また、「おてらおやつクラブ」のことをHPで知って、お菓子をお届けいただく方もいらっしゃいます。来月1月にお寺のお供えと共に支援団体様へお渡しする予定です。
これまでも、市内・市外・県外から「おてらおやつクラブ」の活動に賛同され、お寺にお菓子他をお送りいただいたり、持参していただく方もいらっしゃり、尊いご縁をいただいていることに感謝しています。

2023(令和5年)のアーカイブ②

2023(令和5年)のアーカイブ②

②お寺の新しい試み
2020年から続いていました新型コロナウィルス感染症の感染防止対策も、5月に感染法上で5類に分類されるようになり、インフルエンザの取扱いになりました。しかし、感染の波はこれからもあると考えています。

コロナ以前の「集い場」の感じが変わったかもわかりませんが、お寺の行事など仏法に出遇う「集い場」は開き続けていく予定です。
それでも不安である場合はご無理を申し上げることはありません。

2020年からはじめましたTemple Morningも4年目を迎えました。
ご奉仕いただきました皆様には感謝申し上げます。

今年の報恩講は、4年ぶりに組内法中(ほっちゅう=住職)を迎えてお勤めができました。また、非時(ひじ=食事)も子ども食堂を併設して開催することができました。

2020年に開催しました「終活カフェ」にご協力いただきました行政書士法人中村事務所のお力添えで9月の秋彼岸会、10月の秋千部会のあと「終活カフェ」を開催しました。
次回2024年3月の春彼岸会に3回目(内容はすべて違います)を開催する予定です。

新しく「一般財団法人お寺と教会の親なきあと相談室」の趣旨に賛同して、5月13日に「親なきあと相談室」キックオフ講演会を、津市久居アルスプラザで開催させていただきました。10月7日には、妙華寺会館にて「親あるあいだの語らいカフェ」を、「傾聴僧の会」の有志に方にもお越しいただき開催しました。参加者は1名でしたが、思いを語っていただきました。令和6年から年3回(2月6月10月の第一土曜日)に開催予定です。