お寺の一日(3月)

お寺の一日
3月はお彼岸の準備で、お寺からの案内の宛名を手書きでしています。お世話方様へ一週間ほど前にお届けして配布をお願いしています。宛名書きは、デジタル時代ですがアナログのままで面白いところです。4月のメリシャカ(花祭り)に思いを馳せたり、気候も暖かくなるなかで境内に出る時間が長くなります。毎年蓮の植え替えも行います。小さな鉢が4つありますが、泥状の土を入れ替えるとなると半日仕事です。ここ5年花が咲かない鉢もあり今後どうするか考える時もあります。以前、山門の近くにある桜2本が枯れました。庭師さんの話では、境内地は土が粘土状で樹木には適さないようです。改めて小さい桜から育てています。それでも多くの樹木が境内にあることは、ふとした時に「花を愛でる」ことができて心が和むこともあり有難いことです。

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平成23年の3月11日の東日本大震災は、私(住職)の中で忘れることができない1つの出来事です。阪神大震災の時には無かった津波での被害を見て、僧侶としてまた一人の人間として何ができるか思うことがあります。

2月の聞法

2月の聞法
2月は13日に内藤知康師の「念仏者の社会的実践」の講題に引かれて龍谷大学に伺いました。本願寺派の安居特別論題事前研修会とありましたので部外者が聴講して良いのか分からないままでしたが受付をして会場に入りると多くの方々が参加されていました。
龍谷大学大学院に新しく実践真宗学科を設立に関わった内藤先生の話には、念仏者(宗教者)は実践する中で磨かれていくと私(住職)には伝わってきました。今多くの念仏者の活動もそれぞれの場でそれぞれが工夫して実践していくことが大切と考えさせられました。


17日は、津市の歴史ある紫雲会の講座に参加しました。葛野先生と大学院の布教使を目指されているお二人のご法話でした。今羽ばたこうとしているお二人のご法話は、フレッシュなご自身の体験からの仏徳讃嘆でした。葛野先生は、『拝読 浄土真宗のみ教え』から「浄土真宗の救いのよろこび」を紹介されそこからの仏徳讃嘆でした。「浄土真宗の救いのよろこび」は、中学生を対象に「浄土真宗のみ教え」を紹介する言葉ですが、何度も拝読をしていく中で味わい深いものになるような気がします。ご法話の中の、「称える」と「唱える」について身近な方のことを通してお教えいただきました。
※葛野先生は、妙華寺の今年の報恩講(12月1日)の布教使であります。

26日は高田本山で布教伝道研修講座に行きました。若い布教使の実践の場でありご講師先生は、本願寺布教使課程専任講師の花岡静人師です。若い布教使にとって法話を推敲して、時間内に伝えることの難しさもありますが、実践することがお育てをいただくことでありますので貴重な場であると思います。自らが「み教え」に出遇った時の喜びを伝えることの厳しさのようなものを感じました。若い布教使の心をくみ取ってのご講師のご法話はいつも感じ入ることです。お寺のお同行の方もお聴聞をしていただきましたことありがとうございました。

※中川個人の感想です。

2月のおてらおやつクラブ

2月のおてらおやつクラブ
妙華寺のおてらおやつクラブは平成27年2月から始めました。ちょうど賛同寺院が100ヶ寺を超える頃でした。当初は一人親家族様へ、平成27年7月から地域の支援団体様へ、平成30年11月からは県内の支援団体様へ、毎月一度、ほとけさまへのお供えをおさがりとしておすそわけしています。

県内の方からおてらおやつクラブへのお菓子を届けていただいたり、発送のお手伝いに遠方から駆けつけていただいたり、おてらおやつクラブの趣旨に賛同されていらっしゃる方々に遇うご縁もいただきました。

5年目を迎えるにあたり、これからもできる限りのおすそわけができればと思います。今月は20日に一人親家族様、二つの支援団体様へお送りさせていただきました。
お礼のハガキの中に、外国人の日本語支援を始められ場へ「おすそ分け」を「おすそわけ」されたようで、おてらおやつクラブのシステムの拡がりを感じています。

また、年2度回収の古本勧進での古本も募集しています。
今回は8月末までに集まった古本を寄付させていただきます。
不要になりました古本がありましたらいつでもお寺にお持ち込みください。
対象の本は、裏表紙にバーコードのあります文庫本・新書本・単行本です。
申し訳ございませんが、週刊誌・雑誌・百科事典・全集は対象外です。
本以外、書き損じのハガキ・不要なCDも受け付けています。

「お寺の講演会」ご講師 浦上哲也師から 4

3ヶ月後の5月18日の親友婦人会総会後の「お寺の講演会」のご講師をお願いしています横浜市の「なごみ庵」のご住職 浦上哲也(うらかみてつや)師に「お寺の講演会」の半年前の11月から月一度のペースでご寄稿をお願いし快く受けて頂きました。その一回目を掲載します。
浦上さんは、僧侶ですがお寺の本堂から飛び出して、多彩な活動をされています。
平成27年の親友婦人会総会の日には、希望者に「死の体験旅行」と言うワークショップを受講していただきました。私(住職)も受講して、死に向かっていく自分の感情や取捨選択を受講した者同士が共有しながら、今生きていることの不思議を感じたことでした。
「死の体験旅行」と言うワークショップを全国で開催されたり、「自死・自殺に向き合う僧侶の会」の共同代表や、「仏教死生観研究会」を立ち上げられたり、お坊さんが回答する「hasunoha」の回答僧のお一人であり、「まちのお寺の学校」の講師であったり、最近は「方丈社」マガジンに連載が始まりました。また妙華寺も賛同する「おてらおやつクラブ」に参加する寺院の住職でもあります。そのような多くの顔を持つ浦上さんの今感じることを月一度、妙華寺のHPにも掲載して5月18日の講演を楽しみに待ちたいと思っています。

浦上さんの掲載文で、何か感想などございましたら、お寺にお知らせください。

 

◇ 七回忌 ◇
 1月の末、長崎は島原まで行ってまいりました。50歳の若さで亡くなった先輩僧侶の七回忌法要です。とても慕われていた方で、全国の僧侶7名でお参りに伺いました。
 2日間の法要にはご家族や檀信徒さんたちがお集まりになり、伝道を大切にしていた先輩を偲び、7名の僧侶全員が20分ずつリレー法話をさせていただいたのです。

 話は少し遡りますが、2012年12月の報恩講は、なごみ庵のご本尊の入仏法要を兼ねた大切なご縁でした。この時にご法話をいただいたのが、この先輩僧侶でした。余命を宣告されている状態で治療のために上京していたので、急遽お願いをしたのです。
 「皆さま、長崎からまいりました○○と申します。皆さんとお会いできるのは、今生でこれが最期になると思います」と口を開くと、状況をご存知ない皆さんは一瞬きょとんとされます。続けてご本人の口から事情が説明されると、その場は緊張感に包まれました。

 日本はまだまだ遅れていますが、世界各国の病院では宗教者が、患者の苦悩に耳を傾けるために職員として出入りしています。先輩僧侶は日本での先駆者として、ご自身もがんに蝕まれながら、九州の病院で中学2年生の女性がん患者を担当することになりました。
 何度も訪問を重ね、そして最期の面会の際、彼女から「○○さん、先に往ってるね」と声を掛けられたことを声を震わせながらお話しになり、お堂にはすすり泣きの声が静かに響きました。

 先輩は最後、こう私たちに問いかけてくださいました。大切な問いであると思います。皆さんも一緒にお考えになっていただければ、有り難く存じます。
 「自分がどこから来て、どこに還っていくのか。何者であるのか、何のために生きているのか、何を大事に生きているのだろうか。そういったことを半年に1回、いえ、年に1回でも結構です。1人になって、自分自身に問いかけてみてください」

 

佛涅槃図

佛涅槃図
昨年に濃き続き、2月15日から1ヶ月間、本堂西余間(むかって左側)に涅槃図をお掛けします。妙華寺の佛涅槃図は、江戸時代の久居の大火で焼失しました。
今回お掛けするのは、親鸞聖人750回御遠忌の記念として高田本山より京都別院の佛涅槃図の複製が配布されました。
京都別院の佛涅槃図は、室町時代の兆殿司筆で、大きさは、縦151.2cm 横128.7cmです。佛涅槃図は、釈迦(しゃか)の入涅槃の場面を描いたもので、釈迦が亡くなられた2月15日の涅槃会で本尊とされます。
お寺にお参りの折りには本堂にお上がりいただきお詣りください。
3月3日の日曜学校で、佛涅槃図の説明をさせていただきます。

 

いのちの日とLife Walkいのちを想う宗教者の行進

いのちの日とLife Walkいのちを想う宗教者の行進
お寺のHPができて毎年この頃に紹介をしている「京都いのち日」そして、その趣旨に賛同して活動をされている「Life Walkいのちを想う宗教者の行進」を紹介します。

京都府では、国、市町村及び府民等が一体となって自殺対策を推進して、悩み苦しんでいる方々が孤立することを防ぎ、全ての府民が地域社会の一員として共に生き、共に支え合う社会を実現することを目的として、都道府県で初めて「京都府自殺対策に関する条例」(平成27年京都府条例第20号)を制定されました。
京都府では、(平成28年から)毎年3月1日を「京都いのちの日」と定め、自らの命を見つめ直すとともに、家族や友人など周りの人にも思いをはせ、 共に生きることの意味や絆の大切さについて周知されます。

行政が進んで、「自殺(自死)対策」に取り組まれ、全国に「いのちの日」が広がる先駆けになることを願っています。
 また、この趣旨に賛同した宗教者の活動の一つが「Life Walkいのちを想う宗教者の行進」です。今回で4回目となります。これまで先約や所用で参加できなかったですが一度参加がかなえばと思っています。町中を歩きながら私(僧侶)に何ができるのか考える時間となればと想います。

LifeWalkについて【Life Walkいのちを想う宗教者の行進 HPより】
3月1日「京都いのちの日」に合わせ、宗教者も市民の一員として、自死・自殺の問題に対して積極的に関心をもち、自死・自殺にまつわる苦悩を抱える方に寄り添う気持ちを育むことを目的とした宗教者の行進です。宗教・宗派を超えた宗教者が、それぞれの信仰に基づく服装(衣体や祭服)を着用し、メッセージを掲げながら、京都市内をねり歩きます。

「京都いのちの日」とは
2016年より、京都府は自殺対策の一環として3月1日を「京都いのちの日」として制定しました。これは、悩み苦しんでいる方々の孤立を防ぐことを目的として、全ての人びとが自死・自殺の問題に関心を向け、その理解が促進されることを狙うものです。京都府では、この前後1ヶ月に、様々な取組みを同時多発的に行います。そこで宗教者も市民の一員として、その趣旨に賛同し、同日に大きく声をあげたいと考えています。

 

宗教者への信頼を育む
宗教者は、現状としてすでに、自死の苦悩を抱えた方と直接関わる可能性が高くあります。実際に宗教者からの偏った考え方により、ひどく傷つけられた方もおられます。この現状を少しでも解消するためには、一つには、宗教者も宗教の考え方も多様であること。二つには、どのような宗教であれ、苦悩する人に対する慈しみの眼差しを向けていること。これらを積極的に提示していかなければならないと考えています。

宗教者の活動の発信
宗教者は、それぞれの信仰にもとづき、地道に様々な活動を実践しています。一方で、それらを社会に発信していくことに関しては、上手とは言えないように思っています。LifeWalkでは宗教者がそれぞれの信仰に基づく衣体・法衣・祭服を着用し、いのちの問題に関するメッセージを掲げながら京都市内を行進します。そのことにより、社会的な注目を集め、宗教者がいのちの問題に対して積極的に活動している様子を発信していきます。

多様な価値観の発信 宗教者は、それぞれの宗教宗派の信仰や教義もとづき、各々の領域で活動を実践しています。宗教宗派を超えた宗教者が集まることによって、ひとえに宗教者といえども、多様な想いや価値観、様々な活動があることを発信していきます。

 

【日時】
2019年3月1日(金)13:30開式〜15:30閉式
【プログラム】
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12:30 荷物・着替え(天性寺)
13:20 集合(天性寺)
13:30 開式(あいさつ、トークセッション、フォトアクション)
15:00 行進出発
15:30 行進到着・閉式(長楽寺)
16:00 解散 ※解散後、懇親会を予定(希望者のみ)
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【トークセッション登壇者】
・中川龍伽さん(真言宗、自死・自殺に向き合う僧侶の会、看護師)
・中田三恵さん(浄土真宗本願寺派、hasunoha)
・中西正導さん(浄土真宗本願寺派、NPO法人京都自死・自殺相談センター)

お寺の一日(2月)

お寺の一日
2月はお寺としての行事が無く、少し時間がとれますが、寒い時期であまり活動的な気持ちにはなりにくいです。
平成24年から15日から3月15日までお釈迦さんの「涅槃図」を西の余間に掲げることにしました。親鸞聖人750回御遠忌をお寺でお勤めした時に、高田本山から京都別院の複製の「仏涅槃図」を記念として求めたものです。3月の日曜学校では「仏涅槃図」の絵解き(説明)資料をお渡ししたりしています。

2月中旬を過ぎれると中庭の白梅が咲き始めます。前々住職は、誕生月でしたので親戚などとこの花を見て歌を詠んだりお茶を楽しんでいました。前住職は、この梅が6月になる実を梅酒として楽しんでいました。下旬に入りますと、春彼岸の案内の用意に取りかかります。

 

聞法

今年最初の聞法は、真宗教団連合主催の『教行信証』と現在~現代思想としての「他力」~で、政治学者の中島岳志氏の講演とシンポジウムでした。
現代日常生活の中で使われる「他力」は、仏教の本来の意味(弥陀の本願(=阿弥陀が一切の人を救おうとして立てた願い)によって成仏すること。)からでなく、比喩的な意味(他人にたよって物事をしようとすること)で使われる「他力」が定着している為、浄土真宗の教義の根幹をあらわす「他力」をどのように伝えるか『教行信証』に尋ねることでした。
中島氏の親鸞との出遇は大学生の時に吉本隆明氏の講演を聞いてそれ以降、専門の政治学とは別に研究をされているようで、親鸞についての著書もあります。講演は、「他力」について、文法の「与格構文」から読み解くのは、新鮮な感じでした。そこでは私を器(うつわ)と表現されたり、東日本大震災の時に感じた死者と生者の関係から死者の再定義も考えさせられました。
また、シンポジウムでは、本願寺派・大谷派・高田派の3名のバネリストが出席され、当時の念仏の教え(法然の教え)が、その時代で正統であったことへの親鸞のメッセージが『教行信証』であり、『教行信証』は過去の思想でなく、現代の、将来のものとして、絶えず内省していく思想であることを改めて感じました。民主主義が暴走していると感じる現代に親鸞思想をバックボーンとして政治学に取り組まれている中島氏の話はとても篤く流ちょうな語り口に引き込まれました。
※中川個人の感想です。


また、講演会・シンポジウム終了後バス停で、三重県津市の知人に会いました。定年後菩提寺の行事や、地域の真宗3派の会の会員として積極的に行事に参加されているようです。今日も講演会・シンポジウムを楽しみに参加されたようです。今度、知人の親鸞聖人との出遇いを伺える機会があればと思い帰路につきました。

 

【案内】
真宗教団連合三重県支部中部ブロック研修会として、2月2日(土)13時30分~高田本山宗務院二階会議室で、英月(えいげつ)師の講演があります。講題は「私の居場所・あなたがあなたのままで輝く」でどなたでも参加できます。時間に都合がつきましたらご参加ください。
※英月師は、昨年5月に妙華寺の「お寺の講演会」でもご講演されました。

また、2月26日(火)13時30分~高田本山宗務院二階会議室で、布教伝道研修会が開催されます。若い布教使をお育ていただいています。今回妙華寺の衆徒も実演いたします。

碑でのお勤め

碑でのお勤め
お寺の境内には、それぞれのお同行様の碑(墓)と戦没者の碑、「倶会一処」の碑、樹木の元の「三部石経」の碑、地蔵像と名号(みょうごう)の碑があります。戦没者の碑は、第二次世界大戦で戦死されましたお同行のご遺族が戦後協力して建てられました。「倶会一処」とは、『仏説阿弥陀経』の中の一文で、「往生してからも倶(とも)に会える場所」のことであります。「浄土三部経」と呼ばれる、『仏説無量寿経』、『仏説観無量寿経』、『仏説阿弥陀経』の経文を一字づつ石に書き続けて全てを書き終えて石碑を建てられた「三部石経」の碑。水屋の近くのお地蔵さんと共に「南無阿弥陀仏」の「名号(みょうごう)」の碑。建てられた時期は違いますが、私のいのちが、仏さまから誓われている中で安心できる日常を生きていることに感謝し、先に往生された方々に仏徳讃嘆させていただく思いでそれぞれの碑が建てられたことと感じています。
昨年の10月から毎月16日にそれぞれの碑の前でお勤めをすることになりました。
※高田本山では、毎月16日の朝、親鸞聖人の御廟の前でお勤めがあります。

お寺の一日

お寺の一日
お寺の一日は毎日朝6時(冬の間は6時30分)頃に本堂の唐戸を開けることから始まります。
そして、朝のお勤めが始まります。以前は、夏ですと朝早くからお墓参りの方が時折本堂にお上がりいただき、ご本尊に手を合わされていました。午前中は、雑用(お寺の行事などの準備)と掃除の時間が多いですが、毎日決まった時間ではありません。
法務や行事がある時はその準備の時間も必要です。坊守が花瓶に花を入れます。
毎日決まった場所の掃除ではなく、境内の掃除の時もありますし、内部の時もあります。日によっては、清掃を委託していますシルバー人材センターの方にもきれいにしていただいています。お同行の方々も自発的に境内の落ち葉掃除をしていただくこともありとても感謝しています。花好きな坊守も、夕方にかけて水やりなど境内の美化を率先していただいています。
平日は、本山などでの僧侶としての研鑽する行事や、個人的に興味のある行事などがあれば時間に都合がつけば参加したいのですが、急な法務が入ったりする場合もありいつも参加できることではありません。
お寺を訪ねてこられる方は限られていますが、何時ということもなくこられます。雑用などで直ぐ玄関に出ることが難しい時もありご迷惑をおかけすることもあります。
夕方5時から5時30分頃に本堂の唐戸を閉めて一日が終わります。