ひとくち法話

御書(ごしょ)
私ども真宗高田派では、お寺やお同行のおうちで勤行〔おつとめ(ごんぎょう)〕をすると、最後に必ず『御書』を拝読します。
『御書』という呼び方は、お便りを書かれたお方が親鸞聖人や高田派歴代の上人なので、敬って『御』の一字をつけて『御書』と申します。
私ども高田派の『御書』は、第14世堯秀(ぎょうしゅう)上人によって編集されたのがはじまりで、巻1から巻7まであり、それに『報恩講御書』を加えて、全部で83通が納められています。
東西本願寺の御文、御文章が蓮如(れんにょ)上人というおひとりが書かれたものであるのに対して、「御書」は親鸞聖人をはじめ真慧上人(第10世)以降の歴代上人方が書かれたお便り(弟子やお同行へのご消息)で成り立っているのが大きな特色です。
よく「高田の『御書』はありがたいですね」と言われるのは、このような内容の違いからであろうと思われます。
ご承知の通り親鸞聖人は晩年に京都から関東のお同行や弟子たちにこまめにお便りを書かれており、また歴代の上人方もお便りの中へ親鸞聖人のお聖教(しょうぎょう)を引用されて、私どもにわかりやすくお示しくださっていることは、誠にありがたいことです。
文章の終わりに「あなかしこ」で結ばれているのは「ああ恐れ多いことです。勿体ないことです。」との領解のこころをあらわした言葉です。

※「ひとくち法話」真宗高田派本山より

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1月のおてらおやつクラブ

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1月のおてらおやつクラブ
1月の前半は、行事が続いて中々時間がとれません。一人親家族様や支援団体様から年賀状と共にお礼のお便りをいただきますと、こちらにも元気をいただくことです。お正月気分も抜けて今月もおすそ分けさせていただくことができました。

また、一人親家族の支援団体様への寄付となる「古本勧進」もやっています。
1月の末に発送です。
ご家庭で不要になりました本がありましたらお寺にお持ちください。
対象の本は、裏表紙にバーコードのあります文庫本・新書本・単行本です。
申し訳ございませんが、週刊誌・雑誌・百科事典・全集は対象外です。
本以外、書き損じのハガキ・不要なCDも受け付けています。

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和讃

 

 和讃をご紹介いたします。和讃について多くの参考書がありますが、『注解 国宝 三帖和讃』常磐井鸞猶著と『浄土和讃講話』川瀬和敬著より紹介します。
浄土和讃 讃阿弥陀仏偈和讃09首
無明の闇を破するゆえ 智慧光となづけたり
一切諸仏三乗衆 ともに嘆誉したまえり
 迷いの闇を照破するもので、弥陀の智慧光佛と名づける。一切の諸佛諸菩薩も、共に弥陀の威光をたたえられる。
※「無明」は人生の真理に対する正しい智慧のない状態。根本煩悩と呼ばれ、苦悩や不幸の根本原因で、迷い・疑いのもととなる。
※「三乗衆」は大乗小乗の教えを修行する人々。
以上 【注解 国宝 三帖和讃 常磐井鸞猶著より】
 智慧光佛には「一切の諸仏の智慧を集めたまえるゆえに智慧光と申す。一切諸仏の仏になりたまうことは、この阿弥陀の智慧にてなりたまうなり」と左訓されます。第一行とのかかわりは「愚痴の闇を消さむ料なり」と前出の左訓に当たっております。愚痴は無明の闇です。無明は「明」になることのできた人が、明の立場に立って明でない人をあわれんで、その人を射当てているのです。無明煩悩といって、すべての煩悩は無明の種々相でもありますし、また愚痴そのものにも限定されます。
『唯信鈔文意』にも「無碍光仏のおんかたちは智慧の光にてましますゆえに、この如来の智願海にすすめいれたまうなり。一切諸仏の智慧をあつめたまえるおんかたちなり。光明は智慧なりと知るべし」と説かれますように、光明も名号も智慧を離れてありません。弥陀の智慧に触れて諸仏が諸仏になります。だから一切の諸仏は、仏に成ろうとして励んでいる声聞や縁覚や菩薩の数多い三乗の方々と一緒になって、智慧光仏にまします阿弥陀をほめたてまつるのであります。
以上【浄土和讃講話 川瀬和敬著より】
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祖師寿のご案内

祖師寿のご案内
お同行の皆様のお喜びの1つに親鸞聖人90歳のご生涯で、90歳のお年を迎えられるお同行様を「祖師寿(そしじゅ)」祝いとしてお同行の皆様の仏縁を共にお喜び申し上げています。
男性は降誕会(ごうたんえ)の5月21日に、女性は6月の最初の日曜日(今年は4日)に開催されます高田派婦人連合大会の式典で表彰されます。このことを励みにされていらつしゃる方もたくさんいらっしゃるようです。

今年は昭和3年(1928)生まれの方が該当されます。
該当されます方は、妙華寺に3月末までにお申し込みください。

お寺から高田本山へお伝えいたします。

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境内墓地の通路整備と本堂の空調設備設置のお知らせ

 この度、境内墓地の通路整備をさせていただくことになりました。
現行の墓地の形になり半世紀が過ぎています。通路の砂利・砂が減りますとその都度足していましたが、通路がかまぼこ形になり、歩きにくく、押し車をご利用の方も押しづらいことなどのお声も聞こえてきます。墓地の範囲は大変広く本格的に排水設備や雑草対策としての舗装通路にするには大変な費用が必要となりますので困難ではありますが、通路に舗装財を敷き歩きやすく、押し車も容易に押していくことができることを考えています。
 工事についての期間は、平成29年1月下旬からの予定です。1つの通路に2日から3日かかりますので境内墓地通路全体として6ヶ月以上かかる予定です。(連続で工事が行うことが難しい場合などを考えますと完成時期は平成29年年内と考えています)
皆様のお墓の前の通路が工事中の場合はお墓参りに支障が出てきますが何卒ご承知いただきますようお願い申し上げます。また今回の墓地整備はあくまで通路に舗装財を敷くことで通行をこれまでより快適にすることが目的ですのでこれまでのように豪雨で墓地通路が冠水するに関する改善策ではございませんこともご承知おきくださいますようお願い申し上げます。
皆様のお墓の前の通路に花入れなどがございましたら申し訳ございませんが片付けていただくことになります。
また、本堂の空調設備設置も予定させていただきます。
平成22年の本堂の改修時に空調設備についてご意見をいただいていました。最近の夏の気象状況がこれまでとは違い猛暑と言われるような30度を超え35度以上の日も何日もあります。また、皆様のご自宅の空調設備が以前より充実し、その環境に慣れた方が増加している中で、現在本堂では大型扇風機と家庭用扇風機で対応をしていますが、今回空調設備を設置いたします。        法苑院 妙華寺 住職   中川 和則
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四季の花

四季の花 寒くて空を見上げることも忘れていたら、ずいぶん早く梅の花が、3華。驚いています。ロウバイは例年のように咲き始めています。

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生活の中の仏教のことば

煩悩(ぼんのう)
わずらわしい(煩)なやみ(悩)の原因となる心のすべてを煩悩といいます。むさぼり、いかり、おろかさ、うぬぼれ、うたがい、へりくつなどが代表的です。
真宗では、私の心のすべてが煩悩だから、自分の努力、精進、祈願では仏になれないと教えられています。

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ひとくち法話

文類偈(もんるいげ)
私たち高田派の勤行は、お朝事は「帰命無量寿如来(きみょうむりょうじゅにょらい)」の『正信偈(しょうしんげ)』です。お夕事は『文類偈(もんるいげ)』の「西方不可思議尊(さいほうふかしぎそん)」です。みなさん幼い頃に、お夕事は家族が仏前に座って、大きな声でゆっくりと節をつけて「西方不可思議尊」を勤行した記憶はありませんか。「私は正信偈より文類偈の方を早く覚えてしまいました」というお方の話を聞いたことがあります。現在でも私たち高田派の者は、たいてい『文類偈』を諳んじています。
真宗10派のうちで、毎日の勤行に『文類偈』を申すのは、わが高田派だけですから、このこともわが派の伝統の一つに挙げることができるでしょう。
両偈文とも1行7字で120行という構成です。教えの内容は、共に”信心の偈(しんじんのうた)”ですから同じです。それなのになぜ『正信偈』は朝に、『文類偈』は夕べに勤めるのでしょう。『正信偈』は、聖人が栃木の高田専修寺でご生活の頃に著された『顕浄土真実教行証文類(けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい)』の中で書かれたものであり、『文類偈』は晩年に書かれた『浄土文類聚鈔(じょうどもんるいじゅしょう)』の中に出てきます。そこで、後で書かれたものを夕事に勤めるようになったというのです。
『文類偈』は「西方」で始まっています。西方極楽世界(さいほうごくらくせかい)〔観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)〕といわれるように仏教では西方は、阿弥陀如来の仏国土を指します。自然界でも西方は太陽が沈みゆくところであり、夕焼けの情景は私たちに絶対の安息を約束する世界のようです。これは人間の純粋感情と申してもよいでしょう。
聖人が、西方から筆を染められたところに『文類偈』の深いお心を汲み取ることができるようです。お夕事にはぴったりの偈文です。

※「ひとくち法話」真宗高田派本山より

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寺報に見る住職の10年の歩み 平成21年

寺報に見る住職の10年の歩み 平成21年
【寺報28号平成21年12月発行】
『聴聞(ちょうもん)
今まで何回、お説教(ご法話)をご聴聞されましたか。これから何回ご聴聞できるでしょうか。お寺の法会には、お説教(ご法話)があります。妙華寺では春秋のお彼岸と春秋の千部と12月5日の報恩講の5回法会がありますので、年5回のお説教(ご法話)をご聴聞できる機会があります。お説教(ご法話)は、仏(阿弥陀)様の仏徳讃嘆です。親鸞聖人がいただいた真実(阿弥陀)の教えをわかりやすく私たちに語りかけていただく場です。私たちは、仏(阿弥陀)様の教えをどれほど知っているでしょうか。家庭の中で教えていただいたり、仏教書から学んだりされる方が多いと思いますが、布教使のお説教(ご法話)は、各々が親鸞聖人からいただいた真実(阿弥陀)の教えを私たちに直接語りかけてきます。仏徳讃嘆ですので同じようなお話しと思われますが、何度聴聞しても新たなうなづき(気づき)があります。私たちは、日常生活の中で何事もなく自分の思い通りの生活をしている時は、真実(阿弥陀)の教えに出遭わなくても不安を覚えません。しかし、悩んだり、苦しい時はどうでしょう。私たちに真実(阿弥陀)の教えは必要ないものなのでしょうか。私にとりましては、日常の中で悩んだり、苦しんだり、悲しみにうちひしがれた時、どうすることもできなくなった時に、真実(阿弥陀)の教えに力づけられたり、感謝を感じたりします。どんな時も私を見捨てない、真実(阿弥陀)の教えは日常の生活の中でなくてはならないもののように感じます。そのことを改めて気づく場がお説教(ご法話)の場であります。皆様もお説教(ご法話)をご聴聞されませんか。』
 ※寺報の中の12月5日の報恩講は、現在12月第1日曜日にお勤めしています。
 この年の翌年(平成22年)1月から本堂の修理が始まる時で、この年の報恩講が終わりますと本堂からご本尊のご遷座の用意や本堂内の備品の片付けをすることになりあわただしい年末を迎える時でした。本堂の改修中は、妙華寺会館を仮本堂として使用します。
前住職はこの年の秋彼岸会まで出仕されました。10月頃から体調を崩し入退院が始まりました。私(住職)一人で法務を行うことの大変さを身にしみて感じ始めました。
昭和から平成に入り20年、お寺の行事への参加者が減少する中でこれからどうなるのか不安な部分を現実として受け止めなければいけないような気持ちでした。そのことが「聴聞」することの大切さを綴った文章になりました。
また娘の大学時代の友人のお寺の娘さんに若者から見るお寺の現状と期待を、寺報へ投稿していただいた年でもありました。
 お正月の行事は、朔日の午前5時30分からの修正会です。来年からは時間を変更してゆっくり大晦日を過ごしたいと家族からの声もあがりますが出来る時はそのままで続けていきたいと思い今日に至っています。ただ参詣される皆様の生活環境も変化していますので一度立ち止まって皆様のお声もお聞きしなければいけない時期かもわかりません。ご意見・ご希望がございましたらお寺のHPからでも結構ですのでお聞かせください。
高田本山の報恩講や総代会・世話方会・婦人会幹部会などお寺の一年の振り返りとこの年の予定を報告する資料作りでゆっくりできる時間がありません。
※寺報に見る住職の10年の歩みは、毎月10日に掲載いたします。
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【僧侶・寺族対象のご案内】 チラシができました

【僧侶・寺族対象のご案内】 チラシができました
お寺の住職・寺族は、自死の苦悩を抱えた方・自死で大切な方を亡くされた悲しみを抱えている方と接する可能性が多くあります。
また、三重県では、毎年400名ほどの方が自ら命を絶たれている現状があります。このような現状の中、自死の苦悩に本当に寄り添った関わり方が出来ているか、悩んだりすることはありませんか?
このたび、実際に自死念慮者や自死ご遺族に向けた年間2,000件以上の電話相談・居場所づくり活動の実績を積まれている「京都自死・自殺相談センター」様にお越しいただき、「自死」のさまざまな場面に対面した時の簡単なワークを取り入れた学びの場を開催いたします。皆様の中でも、各地で自死念慮者・自死ご遺族の方のサポート活動をされていられる方もいらっしゃいると思いますが、もう一度基本を見直してみませんか。もちろん初めての方も歓迎いたします。事前の申し込みの上、会費は当日徴収させていただきます。
 日時 平成29年2月10日(金)午後1時30分から午後4時頃
【先行案内が午後3時までとなっていましたが研修の充実で午後4時に変更になりました】
会場 妙華寺会館 三重県津市久居二ノ町1743番地 法苑院妙華寺内 
対象 僧侶及び寺族  会場の都合で20名まで
会費 2,000円(領収書をお出しします)当日徴収させていただきます。
申込先 HP(myoke-ji.com)のお問い合わせ(メール)に、 ご参加されます方のお名前・ 宗派・所属寺院名・ ご連絡先を記載されお申し込みください。
※僧侶として「自死に向き合う」ことが大切であることは分かっていますが実際「自死に向き合う」ことを考える時間がこれまでにあったでしょうか?
お寺の住職・寺族としてお檀家様・お同行様と寄り添う中で、自死念慮の方や自死のご遺族の方々とお会いすることがございます。その時本当にその方々の思いに寄り添えているか悩んだり考えることはありませんか?
この度、京都自死・自殺相談センター様にお願いしましてSottoの活動の1つとして、出前研修を開催させていただくことになりました。
今回は、僧侶及び寺族の皆様を対象としまして、「自死」のさまざまな場面に対面した時の簡単なワークを取り入れた学びを考えています。会場の都合でご参加いただける方は事前にお申し込みをお願いします。
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2017-01-13
当日のテーマが決まりました。「自死の苦悩を抱えた方に何ができるか」をテーマとして、死にたい気持ちを抱えた方や、大切な方を自死・自殺で亡くされた方の気持ちについて、このような方との関わりについて僧侶に期待することを学び、ワークショップでは対話のよりよい関わり方を模索したいと連絡がありました。
よろしくお願いいたします。
2017-02-10
自死についての学びの場
雪が心配でしたが、高田派・曹洞宗・天台真盛宗のお寺の僧侶・寺族の方13名と行政機関の方5名の方々にお集まりいただきSottoの出前研修を開催させていただきました。
ご講師として京都自死・自殺相談センター様から金子様・小坂様にお越しいただき、「自死の苦悩を抱えた方に何ができるのか」をテーマとして、Sottoの活動から「死にたい気持ち」を相談することはとっても勇気のいることで、その時に相談者の心をシャットアウトしてしまうと関係性が閉じてしまうこと。「死にたい気持ち」の原因を取り除くことができても、その方と安心できる関係性を持っている方がいなかったら本当の問題解決にはならないこと。「死にたい気持ち」の相談者に本当にその方の悩みに向き合っているのか、相手の苦悩を想像することの大切さや相手と私の関係性の大切さに改めて気づくことができました。ワークショップでは、愚痴を聴くことを体験し、モデルケースで相談者と面談者の会話を観察者の立場で聴くことを学びました。質問もあり終了時間が延びてご迷惑をおかけしました。最後に、三重県こころの健康センター様から、自殺予防・自死遺族電話相談を毎週月曜日、自死遺族の集い(わかち合いの会)の場も奇数月に一度あることも案内されました。
改めて、自死の苦悩を抱えた方に何ができるか考えることになりました。
※先月(1月中旬)の夕刻に若い学生が庫裡を訪れ、温かい飲み物を求められ、温かい紅茶を用意していました。その間、坊守がお話しを聴いていましたら、朝母親とけんかをして家を飛び出し、図書館にいたけれど閉館時間となり暗い中、街を歩いてこのお寺にきたようです。温かい飲み物とおにぎりをお出ししてもう一度お話しを聞きながら、目の前にいる学生さんのお母さんのことを思いました。けんかの原因ははっきりは分かりませんが、親御さんが子どもを心配するあまり、怒ることもあることを、私(住職)の子どもの時のことを思い出しながら、また一人の子どももっている親としてお話ししました。
学生の方には、その時帰りにくい家だと思いましたが、心配をしている親御さんのことを思わずにはいられませんでした。翌日、昨夜の学生の方が手紙を書かれて持参されました。そこには、昨日、悩んでどうすることもできなかった気持ちが、親の気持ちも考える機会になりよかったことが書かれていました。
手紙をいただいたことはうれしく思うことでしたが、、学生の方と話をしている時にそれほど(死にたいと思うほど)悩んでいると気づけなかった自分が恥ずかしくもありました。
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