新年の準備

新年の準備
年末になりますと、新年のお堂の荘厳の準備が始まります。
妙華寺では、西余間(向かって左手の余間)に7代住職から11代住職の絵像がありますのでお掛けします。また、初代住職の像を安置いたします。その周囲に歴代住職の位牌を出します。ご本尊の前卓前に、お同行様からのお供えを披露いたします。
修正会が終わった時にお出しするお屠蘇の用意をするのも、最近はスーパーでお屠蘇を見つけることができずに、個人の薬屋さんなどに行く場合もあります。修正会にお見えになられる方への印を用意します。
大晦日のなりますと、新年の繰出表(くりだしひょう)を貼りだします。前住職までは、半紙に墨で記していましたが、私の代になりワープロに頼るようになりました。
除夜の鐘は、隣寺が毎年していますので妙華寺ではいたしません。朔日の修正会が午前5時30分から勤まりますので、5時に行事の始まりの鐘を鳴らします。

Processed with MOLDIV

 

 

 

 

高田本山の報恩講(お七夜)

Processed with MOLDIV

高田本山の報恩講(お七夜)
親鸞聖人のご遷化が、今の暦で正月16日です。高田本山の報恩講は毎年ご正忌をご縁として正月9日から16日までお勤めされています。
七昼夜、親鸞聖人のご遺徳をしのび、ご恩を喜び報謝させていただきますので、「お七夜」と親しまれて呼ばれています。

妙華寺からもご懇志を本山にさせていただきそのお印として「御非時券」を17枚ほどいただいています。9日から16日まで本山の食堂(じきどう)で用度(ようど)講の皆様が、美味しいお非時を用意していただいています。
お同行の皆様も高田本山のお七夜にお詣りにいかれるご予定がありましたら妙華寺にお申し出下さい。先着順にはなりますが、「御非時券」をお渡しさせていただきます。

 

 

修正会(しゅしょうえ)は朔日午前5時30分から

修正会(しゅしょうえ)
お正月に修する法会で修正会と言います。
年のはじめに心を新たにして佛前に座し合掌礼拝し、お念仏を申し上げます。
法苑院妙華寺では、元旦午前5時30分からお勤めをしています。
古くは家族で、氏神さんの野辺野神社に初詣でをして、菩提寺の修正会にお詣りをして、お墓にお詣りし、朝家族で新年の挨拶をされたと聞きます。
 お勤めは、『鎮国文』・『重誓偈』・『正信偈』・『現世利益和讃』・『念佛』・『廻向文』で『繙御書』を拝読いたします。
修正会には、必ず『繙御書』(ひもときのごしょ)を拝読いたします。ひもとくとは、巻物をひもとくという意味です。一年の始めに拝聴する御書のことです。この御書は、本山第18世の圓遵(えんじゅん)上人がお書きになりました。一年の始めにあたって忘れてはならない仏法の要をわかりやすく説かれて、求道のこころを諭してくださっています。
その要旨は、
【一】生者必滅の道理。寿命は老少不定(ろうしょうふじょう)の世の中だから、新年を迎えて喜んでもいつの間にか夏がきて、秋暮れて、また一年が経ってしまう。一日一日を無駄に過ごさぬよう。
【二】身にしてはならぬこと、口にしてはならぬこと、心で思ってはならぬことがある。因果応報の業道(ごうどう)は、秤(はかり)のように必ず重い方に牽くから身(しん)・口(く)・意(い)の三業(さんごう)を常に慎むこと。
【三】煩悩いっぱいのわれらは、他力念仏の法に依らねば浄土往生は不可能です。この道を誓われた阿弥陀仏、この教えを伝承されたお釈迦様と七高僧の広大な恩徳に報謝せよ。
【四】先ずは父母孝養(ぶもきょうよう)の心を第一とし、父母存生(ぞんしょう)の日は孝順(きょうじゅん)を先とし、没後は法事を怠ること無く報恩につとめよ。そして、六親眷属(ろくしんけんぞく)むつまじく、互いに信心をみがきなさい。とあります。
最近は、キャンドルモーニングと称して、修正会が始まる前にろうそくに火を灯し境内の参道を照らしています。
参加者に念珠の一珠をお渡しして、24珠で単念珠が、108珠で二連念珠ができるように用意しています。(親珠には「妙華寺」の寺院名が刻印されています)
Processed with MOLDIV

Processed with MOLDIV

古本勧進 やってます

古本勧進
妙華寺で平成25年夏より始めています「古本勧進」は、夏8月末と正月末の年2回、皆様の不要になった古本(裏表紙にバーコードの入っている文庫本・新書本・ハードカバー・漫画本)をお寺にお持ちいただきますと、これまでは東日本大震災で被災されました子どもの教育資金の一部として活動しています団体に寄付してきました。
今回より、寄付先を一人親家族を支援する団体「おてらおやつクラブ」に変更して続けていきます。
私たちの地区では私が小学生の時から子供会が古本や新聞紙、段ボールなどを回収して子供会の資金の一部として活用していますので、不要な古本がお家で眠っていることも少ないと思いますが、年末の大掃除で出てきました場合、ご協力をお願いしたいと思います。
※書き損じのハガキや不要になったCDも買い取りいたします。
  ※雑誌、全集・百科事典などは買い取りの価格に入りませんのでご注意ください。
【古本勧進のHPより】
不要になった本を「おてらおやつクラブ」に寄付しませんか?
本棚に収まりきらなくなった書籍、引越しや大掃除の際に出る大量の書籍の処分にお悩みになった経験はありませんか? 古本勧進(ふるほんかんじん)は、全国各地のお寺が起点になり、皆さんのご自宅に眠る書籍を集めて、様々な活動を支援するプロジェクトです。
2013年〜2015年のお盆と年末年始に実施した古本勧進(第1弾〜第4弾)では、東日本大震災で被災した子どもたちのために買取金額を「公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(学校外教育バウチャー)」「NPO法人フローレンス(ふくしまインドアパーク)」の活動に寄付いたしました。合計600箱以上のダンボール箱を発送し、約57万円もの寄付を贈ることができました。
2015年末〜2016年始に実施の第5弾からは、寄付先を「おてらおやつクラブ」へと変更させていただくこととなりました。
お寺の未来が推奨する「古本勧進」と「おてらおやつクラブ」が一体となり、より一層お寺が子どもたちの明るい未来のためにできることが明確になりました。全国のお寺が書籍やお供え物を通して貧困問題の解決に貢献することを目指します。
【寄付先】おてらおやつクラブ http://otera-oyatsu.club
【買取業者】株式会社バリューブックス http://www.valuebooks.jp
詳細・参加方法等はホームページをご覧ください http://www.higan.net/kanjin.html古本勧進
page001

平成27年の出来事③

③ 国の有形登録文化財の本堂が、5月31日の東海TV「スタイル+」の番組の中の「お宝照英」で紹介されました。4月の下旬に東海TVの担当から電話があり打ち合わせをしました。撮影日は5月12日の午前11時頃から一時間でした。台風の影響もあり雨でしたがお昼頃には止み始めました。打ち合わせの時に、照英さんは、犬が好きでお寺にいるのでしたら見える場所に置いておくよう指示されていました。撮影は順調に進み最後に犬のいる場所に照英さんが出向いて撮影が終わりました。次の日には撮影スタッフ4名が再びお寺に来て撮影をしていかれました。当日は照英さんを撮影するだけでお寺の紹介の部分は改めて撮影をすることを知り大変な作業と思いました。
テレビを見ていただいた方の中には、犬が大変かわいいと、愛知県や、菰野町などから犬に面会にこられる方もいらっしゃり驚いています。

 

Processed with MOLDIV

 

 

 

平成27年の出来事②

 

② 妙華寺の一光三尊佛の展覧
三重県総合博物館にて、高田本山専修寺の至宝展が3月21日より5月10日まで開催されていました。県内の一光三尊佛も一緒に展覧されることになりその一つとして妙華寺の一光三尊佛も出展させていただきました。江戸時代に作成されたものです。
三尊さんと言いますと信濃の善光寺の三尊さんが有名です。親鸞聖人も善光寺聖として善光寺よりいただいた三尊さんが高田に伝わる今の三尊さんです。しかし善光寺式の三尊さんと高田式の三尊さんでは少し違いもあるようです。  高田式の三尊さんは、県内にもたくさんあり、本山でのご開扉がはじまった頃から比較的多く作成されたようです。

 

Processed with MOLDIV

Processed with MOLDIV

平成27年の出来事①

① ご本尊の修復
昨年、本山の一光三尊佛をお迎えして、その時に妙華寺のご本尊をご遷座いたしました。お帰りになられ改めてご復座をする時に、台座とご本尊を支える「ほぞ」が、長年の間にゆるくなっておりしっかり固定していませんでした。昨年に修復の見積もりをいただいて、年末に総代様、今年の世話方会でお世話方様にご理解をいただき修復することになり、2月の末に復元されました。
この阿弥陀如来立像は、妙華寺がこの久居の地に一宇を建立する時に、高田本山より「寂陽山 法苑院 妙華寺」の三号と慈覚(円仁)大師真作とされるこの阿弥陀如来立像を本尊とし三具足(佛前の香炉・燭台・華瓶)を添えていただいたものです。
妙華寺のご本尊として350年経った今、元のお姿に修復をさせていただきました。

Processed with MOLDIV

 

 

 

27組の報恩講

自坊が所属する27組の報恩講は、戸木(へき)の満誓寺様から始まります。女性が住職を拝命するのが難しい時からお寺を護られていらっしゃいます。声がきれいで式文の節回しが上手です。10月の第4日曜にお迎えしますので温かい日で、出仕するのも有難いです。
11月に入り、西向寺様は、ご住職様が境内の木々の剪定などをされ手入れの行き届いた寺院です。先代のご住職様が組長の時に、組内の報恩講のお勤めを本山の「初夜」のお勤めをと提案されてみんなで研修を受けて今に至っています。続いて、小戸木(こべき)の西林寺様は、今年新しく住職を拝命され、新たな気持ちでお勤めされました。お同行様もたくさんご参詣されていました。11月の最終日曜は、小造(こつくり)の蓮性寺様です。毎年出仕させていただいていながら、内陣に天女の絵があることに初めて気づきました。高田学苑の平井(故人)先生が描かれたそうです。余間の蓮の絵も迫力がありました。(後日、改めて拝見させていただきました)12月に入り、拙寺の報恩講に組内のご住職様にご出仕していただきお迎えできました。27組の最後の報恩講は、野村(のむら)の浄徳寺様です。ご住職様は、以前本山に勤められていて総務もされました。今は宗議会の副議長と言う重責を担っていられます。副住職様も、本山前のお店で「坊主バー」の活動をされ、TVの「ぶっちゃけ寺」にも出演されていました。今年は、桃園(ももぞの)の光蓮寺様の報恩講には出仕できなく申し訳なかったですが、組内の報恩講が終わりますと、少しほっとするのはなぜなんだか。
また年が開けると本山のお七夜(報恩講)が始まります。

Processed with MOLDIV

 

12月のおてらおやつクラブ

12月のおてらおやつクラブ
11月30日、東海おてらおやつクラブの事務局をされています名古屋の久遠寺様に、お伺いいたしました。こちらでは、一人親家族を支援されている団体様にお寺の「お供え」を「おすそわけ」されています。発送のお手伝いを初めてさせていただきました。この活動に賛同される方々が集まり(僧侶だけでなく、お寺以外の方々もお手伝いに来られ素晴らしい空間でした)それぞれが持ち寄ったお菓子・果物などを尊前に「お供え」し、お勤めをし、参加者の自己紹介をしてから発送作業が始まります。また一人親家族を支援されている団体の方もお手伝いに来られていて終わってからの茶話会で少しだけお話を聞くことができました。私のお寺のある津市(三重県)では、私のアンテナの感度が悪いせいか一人親家族を支援されている団体を見つけることができていません。他の地域のお寺様で地域の社会福祉協会さんへ働きかけて賛同をいただいたと言うこともお聞きしましたのでこちらでも働きかけたいと考えています。またおてらおやつクラブを賛同されるお寺様が増えることも願っています。

Processed with MOLDIV

 

 

報恩講式(ほうおんこうしき)

報恩講式(ほうおんこうしき)1巻 覚如著
「報恩講私記」・「式文」とも言われています。仏、菩薩、高僧の功徳を讃える「講式」の一つであるので「報恩講式」と著すのが良いのではないか。
永仁2年(1294)親鸞聖人の33回忌の時に著されたもので、本願寺第3世覚如上人が25歳の時の著述です。正応3年(1290)3月から2年間、父覚恵との東国下向で、親鸞聖人の遺跡を巡拝し、面授の門弟との交流と自らの想いと意欲を表明したのが、「報恩講式」であるのではないか。また高田派で、報恩講の初夜で報恩講式を拝読するのは、翌年永仁3年に完成した「善信聖人親鸞伝絵」と共に高田門徒に贈呈されたことも関係するのではと考察されています。
内容は、総礼、三礼、如来唄(にょらいばい)、表白、回向よりなり、表白は、初段真宗興行の徳を讃ず、2段本願相応の徳を嘆ず、3段滅後利益の徳を述ぶに分かれる。
初段では、親鸞聖人の真宗の興行の徳を讃嘆します。聖人は広く仏教全体を学び、修行に励まれましたが、法然聖人に出遭い、誰もが容易に救われる浄土念仏の教えを授かり、それ以外に救いの道の無いことを知り、自らの信心を人々に教え説いて、信心の道に差し向ける生涯を送られました。浄土の真宗を開かれ、それを私どもに示された聖人に感謝し、念仏に専念しなければなりませんと述べられています。
2段では、本願相応の徳を讃嘆します。聖人はひたすら念仏に専念され、阿弥陀さまの絶対他力の信心を身に備えられた希有な方であり、その説き弘められた教えは、阿弥陀如来の本願に叶うもので、私どもがこのご恩に報いるには、ただ阿弥陀さまにお任せし、お念仏に励む以外ありませんと述べられています。
3段では、滅後利益の徳を申し述べています。聖人は亡くなられた後も多くの人々を利益し続けています。祖廟に参詣した者は皆、聖人の温顔を思い出し、書き残された聖教を拝読しこの教えを伝えていく決意を新たにしています。私どもはひたすら阿弥陀さまの救済を信じ、お念仏に励みますからどうぞお救いくださいと記しています。
                  参照 『祖師親鸞讃嘆』報恩講式と嘆徳文 常磐井慈裕著 山喜房
※式文の3段に親鸞聖人が亡くなられて何年になるかを述べられる部分があります。
ご遠忌の年は、「●年」と拝読しますが、それを過ぎると次のご遠忌の年まで「●余年」と拝読されます。その部分をご遠忌前に書かれた式文で拝読する時、書かれているとおり拝読をしてしまいますと大変です。(工夫してその部分は紙片を貼り付けたりします)
page001