真宗入門講座

真宗入門講座
昨年から高田本山に伝わる「親鸞伝絵」の紹介で「信行両坐」の段でした。
詞書には、法然聖人の教えに集まる多くの門弟に、親鸞聖人が、「阿弥陀仏の本願を信ずる一念に浄土往生が決定すると信ずる(信不退)の坐と、念仏の行をはげむことによって、その功徳によって浄土往生が決定すると信ずる(行不退)の坐に、どちらにするか、おのおのの態度をお示しください」とあり、絵相は、法然聖人を中心に、信不退の坐に、聖覚、信空、親鸞と、遅れて駆け付けたと思われる法力が描かれ、行不退の坐に多くの門弟が描かれています。

「信と行」についてを「一念と多念」で語ることは、法然聖人の生きた時代性も考える必要もありそうです。念仏とは観想念仏が主で称名念仏は主ではなかった時代です。
また、「信と行」も阿弥陀さんから賜った「信行」であることもおさえておかないとすっきりしません。「信行両坐」は、親鸞聖人が法然聖人の教えをそのまま受け継いだことをあらわしている場面の一つとして紹介されているのでしょう。

※次回は、3月26日(火)13時30分からです。妙華寺の副住職が「信心諍論」の段を紹介します。