変化

変化
新型コロナウィルス感染症が2023年5月に感染症法上5類に移行したことで、2020年から始まった新型コロナウィルス感染症を経験して何が変わったか。考える時間をいただきました。
新型コロナウィルス感染症の拡大が始まってから、世界中でこれまでの生活様式が大きく変化したことは確かなことで、私(住職)の生活上の変化もたくさんあります。
私(住職)が一番感じたことは、「集う」ことへの「不安」でした。私が生きてきたこれまでも死に至る感染症はいくつかありました。しかし、地域が限定されていたり、濃厚な接触でないと感染しないとか、ある程度限定的な感染症と捉えて他人事のように感じていました。毎年インフルエンザ(感染症)も発生しています。こちらも致死率が大きくないのでそれほど気にもとめていませんでした。しかし、今回は、「新型」と名づけられているように感染症への治療方法や対処法もわからず、世界中で感染者が増え、死者が増え、医療現場が混乱したことを目の当たりにするのは初めてで、「恐怖心」が芽生えたことが、これまで当たり前のように「集う」ことへの「不安」になりました。
生活様式の変化にも含まれる問題ですが、対人との関係性が希薄になった感じもあります。しかし、対人関係の希薄さは、新型コロナウィルス感染症以前からあった問題で新型コロナウィルス感染症拡大によって、急速に進んだと考えることのほうが適切だと思います。これは、濃密な関係性が苦手な私にとっては悪いことではないと考えています。
私(住職)は、対人関係の中で個々の「不安」や「安心」「安全」に焦点を合わせるようになった気がします。
新型コロナウィルス感染症に対する不安を通して、この人は、「何に対して不安をいだいているのか。何を安心と考えているのか。何を安全と思うか」を考えながら、新型コロナウィルス感染症以外の、心の「不安」や「安心・安全」に少しだけだが向き合おうとしています。
これまでも、人間1人1人「不安」はそれぞれ違うものであると頭で認識していましたが、どこかで類似性を見つけてグループに分類している私がいます。それは、生きている以上変わらない気がしますが、もう少し1人1人の「不安」に向き合うことを考えるようになった気がします。