お気に入り

お気に入り
自分の中で大切にしているものは何か? 考え方や行動・趣味・健康・人間関係など様々ことでお気に入りがあるので、数えてみると切りがない。今日は文化の日ですので、私(住職)の趣味の1つの茶道を取り上げます。お茶は日本の総合文化と言われるようにいろいろな切り口があります。茶会でいただく、お菓子・お茶(抹茶)そしてその点前(お茶を点てる作法)に目がいきますが、茶室の床の間にかかる書や絵画、季節の花と花入や香合、お茶道具のなどの工芸品、茶室の建造物としての佇まい、露地と言われる茶庭のつくり、茶事になると、もてなしの1つである懐石料理・炭手前で気付く香や音など私たちの生活の中にある文化が、お茶を通して表現されている。それらはそれぞれが関係しているが、すべてがそろわないと茶道と言うことができないとことでなく、極端なことを言えば、何もなくてもお茶の心があれば茶道と言う文化は続いていくことのように感じる。
以前、私の先生からも聞いた話で、お茶では「型(かた)」と「形(かたち)」は「ち」に注目することが大切と聞かせいただいていた。
私にはわかりやすい譬えとして、稽古で「型」を習い、そこに「心」をいれて「形」にする。「心」という見えないものを、見える「形」として、「心」を差し上げるのがお茶のおもてなし。ハートの形のクッキーを作るのに、ハート型の枠の中にクッキーの生地をいれて、焼き上げて、枠を取ってハートの形のクッキーをいただく。
そして、お茶の心は「和敬清寂」で表している。私は、「和敬」はお互いの関係性を大切に思いやること「清寂」は時間と空間との関係性を大切に重んじることと感じる。
そんなことよりとにかく、お茶で今の時期は、「織部茶碗」と「くりきんとん」がお気に入りだ。
※写真の「織部茶碗」は、茶友の水野雅之造り(陽山窯)

例年文化の日の頃は、地域の文化祭が公民館で開催されます。書・絵画・工芸・舞踊・盆栽・華・茶など日頃研鑽されている文化協会やグループが年1度、市民に披露させていただいている晴の日です。今年から新しい市民ホール(久居アルスホール)での開催を楽しみにしていましたが、新型コロナウィルス感染症の感染防止の為中止となりました。多くの方々が集まることが感染の原因になる為、春から多くの文化行事(祭りや花火大会)が中止されている一環です。
所属する茶道団体でも、2月から行事や茶会も中止となっていますが、総本部からガイドラインが示され、来年からガイドラインにそった新型コロナウィルス感染症の感染防止対策をとり開催できるよう考えています。これまでと同じにはなりませんが、新しい生活様式に沿いながらこれまで以上にお茶が楽しい行事として続いていけばと思います。