報恩講をお迎えして

今年も報恩講にお迎えさせていだきました。
自坊の報恩講は、私が大学時代には、12月5日6日でした。住職の祖父や父が、12月朔日のおみがきの日に、庫裡の畳をあげて大掃除をし、お非時(ひじ)の会場に模様替えをしていました。
組内の報恩講も、正月の3日や5日にお勤めするお寺さんもあり、今より寒い中、報恩講をお迎えしていました。
父の代になり妙華寺会館ができ、そちらがお非時の会場になり、庫裡の大掃除がなくなりました。また、日曜日に報恩講をお迎えするお寺さんが多くなり、現在は10月の終わりの日曜日から組内の報恩講が始まります。これまでより暖かな日に報恩講を迎えるようになりました。この頃当時の組長様が、組内の報恩講のお勤めを本山の「初夜」の形でお勤めをしようと提案され皆で研鑽していました。
50代に入った頃からは、「あと何回報恩講にお遇いできるか」と考えることがあります。よく「生涯の中で、あと何回食事ができるか」などと同じように人生の折り返し点を過ぎた頃に考える事と同じ思いなのかもしれません。本山の報恩講(お七夜)も、組内の報恩講、そして自坊の報恩講、毎年でありますが数えてみると限られた時間(回数)であります。宗祖のことを改めて思い、讃嘆させていただく時間を若いときよりありがたく思うことです。
報恩講の荘厳で特徴は、西余間に掛ける4幅の親鸞聖人の絵伝にあります。高田本山の圓遵上人の時のもので絵所は藤原佐助です。
また、親鸞聖人像をご安置しています宮殿の戸帳を外しますので、ご拝顔できる唯一の機会です。
婦人会の皆様のご奉仕で、お非時(ひじ)を今もお出しできることは、時代を越えて味を伝承させていただくことで本当にうれしいことです。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

これまで12月5日にお迎えしていました報恩講を来年から12月の第一日曜日にお迎えすることになりました。師走に入りご多用の中ではありますが、ご聴聞の時間をおとりいただき親鸞聖人のみ教えにお遇いいたしましょう。