グリーフケア公開講座 第4回の講師は神戸赤十字病院の心療内科の村上典子医師でした。医師として「悲嘆に寄り添う」経験をお話しいただきました。ご遺族の思いは本当にさまざまで悲嘆反応のプロセスとしてあげられる項目も順番どうりではなく、グリーフケアのサポートをする側も注意する点があるようです。何気なく発する言葉が、時にはご遺族を傷つけてしまうこともあります。言葉は慎重にかけるように心がけなければいけないことが大切です。悲嘆の状態は誰にでもあることですが、うつ病やPTSD・心身症などの症状とも似ていることもあり複雑である場合もあるので専門家とのつながりも欠かせないようです。村上先生の考えるグリーフケアのポイントを7つほど示され、私(住職)の中で大切と感じたのは、「抑制され、遺族自身も気づいていない悲嘆がある」ことでその時は「不用意に悲嘆に踏み込まない」こと。「遺族のニーズに合わせる」こと。「ケアする側の限界を知る」ことで「必要な場合は専門家へ」つなげることなどたくさんの学びがありました。
また、村上先生の勤務されていらっしゃる赤十字病院の活動には災害医療があり、JR福知山線脱線事故の活動から得られた経験を元にして「日本DORT研究会」が設立され、災害現場おける死亡者の家族支援や長期にわたる遺族支援のネットワーク作りに取り組まれています。
講演が終わり、司会の鍋島師が村上先生のお話の中のご遺族の心情の中で、「後悔するのは愛があったから」と言うことを取り上げられ、悲嘆の反応にはさまざまな側面があることを改めて感じました。
※中川個人の感想です。