お寺の掲示板
サポートできることは「話す」「歌う」「触れる」
『人は人を救えないが、「癒やす」ことはできる』 谷川洋三著から
著書では、続いて「周りの人が患者本人のためにできることは、意外とシンプルなことです。しかし、それが患者本人と周りの人の気持ちを穏やかにつないでくれるのです」
患者本人が話せるうちにできるだけ会いにきてほしいと思います。想い出話は、本人が自分の人生への肯定感をもつことにつながります。話せなくなったら、話しかけてあげることです。返事ができなくても伝わることは多いです。聴覚と共に触覚も残るといわれています。手を握ったり、足をさすったりコミュニケーションもとることができます。
但し、体がむくんでいる場合や、感染症がある場合は触れないほうがいいので、医療者に相談が必要です。
死が近づくと、本人も家族も、なんともいえず寂しい気持ちになるものです。寂しさが強くなると、恐怖へと変わります。「話す」「歌う」「触れる」といった行為は、そんな寂しさをお互いに紛らわせ、気持ちを穏やかに保つことにつながるでしょう。
※思い出をたくさん思い起こすことは豊かな気持ちになると思います。そこには悲しいこと辛いこと思い出したくないこともあることを想像しながら、それでも私の一生が「大丈夫でした」とうなづくことができればとても素晴らしい人生を歩まれていると思います。
また、知人から「歌う」について反応がありました。共に知っている「歌」から共有できる感情が生まれるのかもわかりません。以前、音楽の力の1つに「グリーフケア」があることを思い出しました。