防災について

防災について 救援マップ(未来共生災害救援マップ)の紹介
お寺のある三重県では東海地震や東南海地震が今後発生すると大きな被害を受けることは随分前から指摘されています。その為、行政からも地震が発生した時の備えや行動計画の事例も何度も注意喚起がなされ住民も確認し自治会などを通して防災訓練なども行っています。また災害時の行動について個人・家族で話し合う機会もあったと思います。
先日、「災害時のソーシャルキャピタルとしてのお寺」と題したオンライン勉強会がありました。大阪大学の稲場圭信氏の研究分野で災害時の避難場所のあり方などのお話をお聞かせいただきました。行政が指定している地域の避難所が諸事情で使用できない場合に、その地区で広い空間施設を持っている寺社を活用する取り組みをされています。(大型商業施設なども避難場所として指定または活用も進んでいます)
行政の避難所指定がなくてもその地域の避難空間としてお寺を活用できることは、お寺の社会貢献としての一面もあると思いました。
稲場圭信さんの研究所では、既に「未来共生災害救援マップ」と言う全国地図に行政の避難指定施設と共に寺院・神社にも避難された方がいる場合にその概略を記入できるスペースが作られたマップが無料提供されています。
地域に災害が起こる前に1度このマップを確認して、今いる場所の避難場所の再確認や避難場所になり得る広い空間施設を持つ寺院・神社の場所の確認をされるのはいかがでしょうか。

【参考】 これまでの自然災害時の住職の取り組み
妙華手のある津市久居地区は、三重県津市の海抜20メートルの高台にあります。
私(住職)が3才の昭和34年9月の伊勢湾台風の被害が三重県では大きな自然災害であったと記憶に残っていますが、その時もお寺のある久居地区が高台であったことで水害の被害はなかったと思います。(※行政区域の久居町に水害のあった地区はありました)
お寺の住職としてこれまでの自然災害時にどのように取り組んできたか振り返ってみますと、積極的に被災地に赴いての支援(ボランティア)活動の経験はありません。
東日本大震災の時、春彼岸会の懇志の一部を義捐金としてお見舞いしました。そして1年後(一周忌)・2年後(3回忌)の追弔法会を本堂でお勤めしました。
熊本地震の時は、「未来の住職塾」の卒業生の1人として、他の卒業生と共に寄付をしました。
昨年の千葉県に被害が大きかった台風15号の時は、親交のあるお寺 光琳寺様を通して寄付をしました。
今年7月の熊本の水害では、やはり親交のある「healthy Temple」団体を通して寄付をいたしました。

ただ、日本全国、毎年のように多くの自然災害の被害が発生していますが、私(住職)が被災地に何か関わっていることがないと支援活動ができないのも事実です。
私との関係性の濃淡で支援活動をするというのも申し訳ないことですが、それが現状です。
お寺のある三重県も今後起こりうる東海地震・東南海地震の時、平素の寺院活動を通して「ソーシャルキャピタルのお寺」としての活動ができればと考えています。

【参考】オンライン b ラーニング 「災害時のソーシャルキャピタルとしてのお寺」
災害時にお寺としてどうあるのか。支援者と被災者をより良くつなげるには、ネットワークが大切であることは多くの方が認識していることだと思う。寺院活動の1つに地域でのハブ機能として働くことも含まれているようだと感じました。
東日本大震災の時、僧侶として被災者への支援を始め、熊本地震の時、自坊が被災した中で支援者として活動されている糸山公照師、今年は熊本の人吉市の豪雨災害で地元の支援(ボランティア)活動を今も精力的に継続していらっしゃいます。昨年の台風15号の被害で千葉県に自坊がある佐々木教道師、お二人のの活動報告は、被災現場の状況下でお寺の取り組みをとてもわかりやすくお教えいただきました。
大阪大学の稲場圭信氏から災害時の地域社会などを調査・研究されている中で、お寺に、①資源力 ②人的力 ③宗教力 が備わっている場合、その地域社会のソーシャルキャピタルとして機能できるので、平素の寺院活動を通して社会貢献できるのではないかとお聞かせいただきました。
糸山師の話の中で、「受援力」と言う言葉を聞きました。被災した時に被災者はなかなか声をあげにくく、素直に 助けを頼めることそして助けていただいたら感謝すること、喜ぶことを表現するには、力が必要であることも知りました。
全国にあるお寺の所在地は過疎地や都市部などそれぞれ状況が違いますし、お寺の周辺事情も違いますのでお寺で何ができて何が難しいか日頃から考えておくことの大切さや、 被災者でありながら支援活動をする場合は無理をしないこと、そこに居る被災者と共に日々を送ること(ひっとすると、今のできることをすること=お寺の日常でしょうか)
また、今回もオンラインでの勉強会ですが、ネットワークとしてのオンラインの活用には、信頼関係がなければ成り立たないと思われますが新しい支援活動の取り組みになるようなことも学べてとても有意義な時間でした
※中川個人の感想です。

▼災救マップ
https://note.com/dr178/n/n4de398c039cf
http://relief.hus.osaka-u.ac.jp/map/