【報告】修正会お勤めしました

【報告】新しい年の最初のお勤めを皆様ともにできましたことありがとうございました。
まだ暗い、朝5時30分と言う、少し早い時間からのお勤めにご参加いただきました皆様には感謝申し上げます。お寺の行事への参加が少なくなり、お寺や仏法が生活者の方にどのように捉えられているか心配がふくらむ時代ですが、前々住職・前住職の時から47年間修正会でお勤めができたことは、私(住職)にとっては、有難い時間です。
また、後何年お勤めができるのかわかりませんが、縁あるかぎり共にお勤めさせていただきたいと思います。
例年では、お屠蘇やお仏飯のおさがりを用意するのですが、昨年と同様今年も控えさせていただきました。
お勤めは、鎮国文・重誓偈・正信偈・現世利益和讃(15首)・繙御書で、平素高田派のお勤めで和讃は五首ですが、修正会では15首拝読するのが独特です。
修正会には、必ず『繙御書』(ひもときのごしょ)を拝読いたします。
ひもとくとは、巻物をひもとくという意味です。一年の始めに拝読する御書のことです。この御書は、本山第18世の圓遵(えんじゅん)上人がお書きになりました。一年の始めにあたって忘れてはならない仏法の要をわかりやすく説かれて、求道のこころを諭してくださっています。毎年拝読しながら、昨年1年を振り返りますと、過ぎ行く時間は早く、世務に明け暮れて、仏法に遇うことが難しいと反省ばかりです。

向かって左側の余間は、正月荘として、妙華寺の初代から11代の位牌や像・絵像を敬置します。

大間には、今年の繰り出し(年忌)を披露しています。

修正会を迎えた後、16時10分頃に震度3の揺れを感じました。令和6年能登半島地震での揺れです。阪神・淡路大震災の時の縦揺れは感じませんでしたが、長い時間の横揺れを感じました。揺れが収まり本堂に行くと、まだ吊灯篭や輪灯が揺れていました。
時間が経つ中、被害の状況も、徐々に明らかになってきています。
この地震で亡くなられた方にお悔み申し上げます。また、災害に遭われました皆様にお見舞い申し上げます。

この地震で、感じることは、修正会でお勤めします『鎮国文』です。親鸞聖人が真実の教えと仰がれた『仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう)』の一節です。

『佛所遊履(ぶっしょゆうり) 国邑丘聚(こくおうくじゅ) 靡不蒙化(みふむけ) 天下和順(てんげわじゅん) 日月清明(にちがつしょうみょう) 風雨以時(ふうういじ) 災厲不起(さいれいふき) 国豊民安(こくぶみんなん) 兵戈無用(ひょうかむゆう) 崇徳興仁(しゅとくこうにん) 務修礼譲(むしゅらいじょう)』

と、説かれています。この文を分かりやすく換言しますと、

「仏が行かれるところは国も町も村も、その教えにさからうようなことはない。そのため世の中は平和に治(おさ)まり、太陽も月も明るく輝(かがや)き、風もほどよく吹き、雨もよい時に降り、災害や疫病などもおこらず、国は豊かになり、民衆は安穏(あんのん)にくらし、軍隊や武器をもって争うこともなくなる。人々は徳をもって思いやりの心で、あつく礼儀を重んじお互いにゆずり合うのである。」

とおおせられました。

このような尊い教えをいただきながら、悲惨な戦争や災害が繰り返されているのは、全く悲しいことです。私たちの家庭や日常生活を反省してみますと、親鸞聖人の”世の中安穏なれ 仏法ひろまれ”と申されるおことばがお念仏とともに力強く私たちの心に響いてまいります。

高田本山 ひとくち法話No97 ―諸法会5― より