相談

相談
あいまいな死
大切な方の死を受け入れることが難しい状況があります。
昨年からの新型コロナウィルス感染症でお亡くなりになられた方を遺族や関係者の立場で想像すると、死に際にも火葬にも立ち会えないこともあり「あいまいな死」を受け入れていくにはサポートが必要だと感じます。
戦争や災害・事件・事故などで、遺骨のない死も「あいまいな死」と考えられます。

ある方からお話(相談)がありました。実家の弟が病に倒れ、病院で検体を希望され、家族からその方(姉)や親戚へ、「本人の希望で献体しましたので、葬儀も行いません」と連絡があったようです。献体という尊い行為で、病院や研究所で丁寧なお別れをされたと思いますが、話(相談)された方(姉)は、弟の見舞いもいけず、葬儀もなく、どうしたらよいでしょうかとお困りの様子でした。このケースも「あいまいな死」と考えることができます。

お寺のお同行様の中でも献体を希望された方はいらっしゃいます。尊いお申し出で敬意を称しています。そのような場合、いろいろなケースがあります。亡くなられて葬儀をして、献体をされる場合。亡くなられた報告をお寺にされる場合。葬儀や納骨式ではないのですがお別れの式をされる場合。亡くなられてから年忌法要をされる場合などあります。

相談された方には、亡くなれた弟さんが献体という尊いお申し出をされたことは立派なことで、誇らしいことでないでしょうか。遺族や親戚で葬儀がなかったとしても亡くなられた日はわかっていますので、お仏壇でお勤めや手を合わせてはいかがですか。と話しました。
私(住職)は、大切な方の「あいまいな死」で遺族や関係者が、大いなる悲嘆の状況であることにどのような寄り添いができるのか、それぞれご事情もちがいますので試行錯誤しています。