源信展

源信展
先日午前中に奈良国立博物館で、源信の1,000年忌記念として開催されています『源信 地獄・極楽への扉』展を拝観しました。源信和尚は、真宗では、七高僧の第六祖として大切にされています。平安時代の阿弥陀信仰と著書の『往生要集』が有名で、そこから地獄絵が取り上げられるようになったと思います。館内は多くの拝観者でした。展覧会は、墨書の書物より大きな色彩のある絵図などに目がいってしまいますが、貴重なお経や書物も展示されていました。15幅の六道絵はとても迫力がありました。よりよい「死を迎える」為に死後の来迎図や地獄絵は目に訴える力強さを感じました。

Processed with MOLDIV

午後から京都の伏見区深草にある、浄土真宗本願寺派の西岸寺様に伺いました。西岸寺と言えば、「玉日姫」のご廟があるお寺として知られています。西岸寺の副住職様は、未来の住職塾で学んだ同期生でお寺が所蔵されています「九相図」の公開日でした。「九相図」って知らなかったのですが、『源信』展でも「九相図」の絵巻が展示されていました。人間が亡くなってから土に還るまでを九段階(相)に分けて描いたものです。西岸寺様の「九相図」は、普通は女性一人の亡くなった後の姿が描かれていますが、男女の2名の亡くなった後の姿が描かれていることと、一幅に亡くなってからの段階(相)が二段階(相)ずつ掛け物の下段から上段に描かれ、「骨相」が詳しく二段階(相)に描かれていて、あわせて5幅に描かれているようです。江戸後期の作品で絵師は分かっていないようです。3年ほど前に修復されてとても良好に保存されている貴重な「九相図」と思いました。
多くの参加者で満堂の中、「九相図」の説明を元京都SKY観光ガイド協会会員のお同行様がされ、その後坊守様の絵解きがありました。絵解きは真宗のみ教えも交えながらのもので、また副住職様が坊守様の絵解きに従ってプロジェクターを使用し、より分かりやすく感じました。お同行様の地域愛やお寺愛がとても感じられ、また西岸寺様のある深草商店街は今も活気ある商店街で、西岸寺様が地域に根ざした寺院活動をされていることに敬服しています。