11月の日曜学校

11月の日曜学校も「絵解きってなぁに」のテーマでお話をしました。絵解きは、仏教の教えが描かれた掛軸を中心に多くの方に視覚に訴え、教えを伝えています。日本で絵に表されたお経の代表が『法華教』、『華厳経』と、地獄や極楽に関わる「浄土教経典」です。
掛軸以外にも、お経の内容を表した絵は、写経の見返しにお経の内容を絵にした経意絵や壁画、絵巻、冊子に描かれている場合もあります。

「浄土教経典」の絵解きとして「あの世」人は死んだらどこへ行くの? 身分や宗派、時代を問わず、多くの人々が死後の世界、つまり「あの世」について深く悩み、苦しんできました。仏教では、6つのレベルの「あの世」があると考えられています。上から順に「天道」「人道」「阿修羅道」「畜生道」「餓鬼道」「そしてご存知「地獄道」。この6つを合わせて「六道」といいます。昔の人たちは、現代のわたしたちよりも、はるかに複雑でやっかいな「あの世」のイメージを抱えていたのです。そして六道の対極にあるのが、仏の住まう永遠の世界「浄土」。特に人気があったのがは、阿弥陀仏がいるという、西方極楽浄土でした。人々は極楽浄土にへ生まれ変わり、永遠の生命を願うのと同時に、六道とりわけ地獄へ堕ちることを猛烈に恐れました。誰だって地獄は恐ろしいですから

そして、私(住職)は 10月18日、龍谷ミュージアムで「地獄絵ワンダーランド」展を拝見しました。今年は、源信和尚の1,00年忌の年に当たり、著書の『往生要集』から地獄極楽のことが取り上げられています。展覧会の地獄絵を見ながら、地獄を他人事のように感じていてはいけません。この私が地獄絵の中のような生き方をしていることをもう一度省みることになります。しかし、地獄の人気投票、水木しげる氏の地獄絵もありとても楽しく拝見できました。展覧会の趣旨をショートムービーで見ていましたら、地獄の灼熱は、翻って浄土の光明になるとのこと考えさせられました。

※12月3日の報恩講では、西余間(本堂の向かって左の余間)に4幅の親鸞聖人絵伝を掛けます。ご法話終了後に、間近に見ていただくことができます。
※妙華寺では、『お寺で体験』の講座で12月24日に親鸞聖人絵伝、2月25日に涅槃図の絵解きを予定しています。

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