選択

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

選択 「せんじゃく」と「せんたく」
仏教では、選択(せんじゃく・せんちゃく)の言葉は、自らの帰依する「み教え」を選び取り、ほかの「み教え」を選び捨てることに関係するとても重要な言葉です。
本来は、お釈迦様が一人一人が涅槃に入るためにお話をした対機説法が、「み教え(お経)」となり、多くの「み教え(お経)」を学ぶことで、涅槃への道を求めたのだと思います。ただ私には、多くの「み教え(お経)」の中のどれが自分に一番合うのか選び取らなければ、涅槃には至りません。
生活者として生きていく上での選択(せんたく)も、よいものを選び取ることであるので重い言葉でありますが、「選択肢」・「選択問題」のようにどれかを選ぶような感じで、「選び捨てる」ことの意識が抜け落ちてしまうと、仏教で使う「選択」とは少しニュアンスが違ってしまうように感じられます。

私(住職)の人生のこれまでも多くの「選択」をしてきました。「選び取る」ことは「選び捨てる」ことであったかというとどうでしょうか。あれもこれもと「選び取る」ばかりでなかったかもう一度改めて考えていこうと思っている。

選択(せんじゃく・せんちゃく) 選び取り、選び捨てる
法然は、「選択」と「摂取」の関係について、「選択と摂取との言異なりといへども、その意これ同じ」と示し、阿弥陀仏の48願における選択摂取の義を論じつつ、称名念仏の意義をあきらかにしている。 【浄土真宗辞典】

選択(せんたく) よいもの、適当なものを選び取ること 【岩波国語辞典】