掛軸

掛軸
お寺の本堂には教えに関係する掛軸が掛かっています。お寺の行事によって掛け替えもします。
また、僧侶の控室で使用する書院や茶室などに床の間があり掛軸が掛かっています。こちらも季節や趣向によって掛軸が掛け替えられます。掛け替える時はほとんど準備の時間で誰も見ていません。掛軸の掛け方、仕舞い方はそれぞれの仕方があると思いますが、お寺の宝物として大切に伝えてこられた掛軸でありますので大切に扱われていたと思います。また、私(住職)も次に伝えるために大切に取り扱っているつもりです。
大切な掛軸の掛け方・仕舞い方を、お茶の習い事の手前(作法)として学ぶ機会があります。
「軸荘(じくかざり)」と呼ばれている手前です。普段は、茶席の床の間に掛かっている掛軸でありますが、宸翰(しんかん)と呼ばれる天子の直筆であったり、名物、由緒ある掛軸は、正客が席入りをされ、床の間に巻かれたままの掛軸を、亭主が正客がいる前で床の間に掛ける・仕舞う手前(作法)です。いつもは誰もいない準備の時間にする掛軸の掛け方や仕舞い方を招いた正客の前でするものですから、緊張もします。でもその経験があって大切な掛軸を掛けたり、仕舞ったりすることに覚えていくようにも感じます。
※中川個人の感想です。