お寺とは③

お寺とは③
生活者から見えるお寺とはどのようなものでしょうか。
生活者とお寺がかかわることはどのような時でしょうか。
小さいころに生活圏にお寺があって境内に入ったことなどはあるかもしれませんが、お寺の住職(宗教者)とかかわるのは、生活者自身の大切な方が亡くなった時に葬儀を依頼することが最初ではないでしょうか。
多くの場合、亡くなられた方の葬儀の前に枕勤めや通夜があり葬儀の後、初七日など続けてお勤めがあります。中陰49日や初盆そして一周忌や三回忌と亡くなられた方の法要でお寺との関係が構築されてきます。生活者は亡くなられた方の供養としてお勤めをする認識ですが、住職(宗教者)は、亡くなられた方の「いのち」終える姿を通して、仏教や宗祖(親鸞)の教えから仏徳讃嘆させていただいています。
ですので、生活者が亡くなられた方の「供養」についてどのように感じるかで、お寺への関わり方が違ってくるようです。
また、これまでの「志」や「布施」についての認識も、お勤めをサービス業的な対価として認識されるような変化も感じます。
生活者がお寺をサービス業として関わるのであれば、宗教法人の「目的」である、『この法人は、真宗高田派宗制により、宗祖親鸞聖人の立教開宗の本義に基づき、教義をひろめ、儀式行事を行い、信者を教化育成して公共の福祉に寄興し、その他この寺院の目的達成のために、必要な礼拝の施設、その他財産の維持管理その他の業務及び事業を行うことを目的とする』に向かうことは難しいでしょう。
更に、サービスと捉えられると、対価への評価や不要と考えられれば、サービスを求めない選択肢が生まれます。また、お寺と生活者の関係も、これまでと違い、家単位でなく個人単位の関係となると感じています。

これから、仏教も日本文化として捉えてみると、必要とする方だけのもになのかもわかりません。茶道や華道・書道・武道など多くの日本人が「道」として身につけていたものとして、興味や関心がある方しか目をむけないものに向かっているようにも感じます。

新たな視点で、仏教や真宗の教えを求める方もいらっしゃいます。お寺や住職(宗教者)に、社会貢献とかソーシャルキャピタルの視点で、またお寺を観光や文化的資源として応援をしてくださる組織や個人も増えているように感じています。
「おてらおやつクラブ」「災害時の宗教施設の開放」「福祉仏教からの寺院活動」「久居城下案内人の会の活動」などに賛同して、妙華寺でも取り組んでいます。

昔のお寺や住職(宗教者)のイメージだけでない、新しいイメージも伝える必要が大切であるようです。しかし、多くの生活者は、お寺や宗教者にそれほど期待をしていないことも現実です。