ひとくち法話

親鸞聖人のご生涯をとおして
【第1回】ご誕生は京都日野の里
真宗を開かれた親鸞聖人は、今から800年程前にご誕生になりました。
京都市の東南、現在の伏見区にある日野の里という山里で法界寺(ほっかいじ)のほとりがご誕生の地です。
お父上は藤原氏の貴族の末流で藤原有範(ふじわらありのり)といい、母上は吉光女(きっこうにょ)と伝えられています。
当時は藤原氏中心の貴族政治から武家政治に変わろうとした激しい動乱の時代でした。また、大地震や飢饉(ききん)もあり、うち続く戦乱と天災地変に見舞われ、不安とおののきの中で人々の生活は大変だったようです。法界寺は当時は天台宗で、現在は真言宗のお寺で、幼い頃の聖人はご両親と共に、この法界寺の阿弥陀堂で朝夕合掌礼拝されておりました。
しかし、両親と暮らされた日々はわずかで、聖人4歳の時に、父君が、そして8歳の時には母君を相次いで亡くされました。
両親と死別された悲しみはいかほどであったろうと思います。強く無常を感じられた聖人は後生の一大事(ごしょうのいちだいじ)の解決をめざして、出家得度(仏道修行)を決意されたにちがいありません。
日野の里、法界寺のすぐ近くに聖人のご誕生を記念する誕生院があり、境内に親鸞童子像が建立されております。
聖人出生の地として、ここ日野の里を訪れる聞信徒の参詣は今もたえることがありません。お互いに生涯に一度は訪ねたいものです。
※「ひとくち法話」真宗高田派本山より

Processed with MOLDIV

Processed with MOLDIV