本堂東楽(がく)の間の改修工事

【HP報告】
本堂東楽(がく)の間の改修工事
昨年秋に、平成22年の本堂の大がかりな改修工事の時もそのままで、以前から物置状態になっている本堂東楽の間を覗いてみました。普段確認をしていませんが、いつもホコリや小さい粒状の土が床に落ちています。外側の壁の一部が剥落したり雨漏りの跡が残っていますので調べていただき、その報告は、昨年11月に総代各位にお渡ししました。
報告の中で、屋根瓦の一部破損や、瓦の下の返しの部分の腐朽があること。本堂本体と東の楽の間の瓦屋根取付部分に隙間が出来ているなどで、いつもホコリや粒状の土が落ちるような状態であることが判りました。床材も古くなっていますので、今回、東楽の間の屋根改修と床材の改修及び内装改修をすることになりました。期間は1月から2月末の予定です。
また、今回改修する東楽の間と呼んでいるスペースですが、屋根の部分の傾斜が、前後2つに分かれています。この部分は本堂建立当初は屋根が無い外縁であったか、外縁もなく何もない部分に、前後どちらからか屋根を取付て、外壁を作り本堂のスペースに加えていったのではと考えています。

1月9日から、東楽の間に入っているものを出し、今は使っていない物は処分しました。

1月14日に床材の撤去をしました。
床下を見る機会はこの時だけですが、本堂本体の大きな丸柱の基礎石に御影石が使用されています。外側から見る丸柱の基礎石は普通の石ですので初めて立派な御影石が使われているのに驚いています。全ての丸柱の基礎石に御影石が使われているわけでないのですが、建立から150年ほどですが建立当初からのものでしょうか。

15日は朝から天気もよくなり屋根瓦を片付けています。屋根の作りが2つに分かれていますので今日は後ろの部分。明日以降前の部分の屋根瓦を処分の予定。

16日は、昨日の後側に続いて前側の屋根瓦が片づきました。職人さんの休憩時間にはしごを登り、写真を撮影。今回、瓦の下に土を入れずに新しい瓦を敷きます。床の作業は、これまでの床レベルを測ると東楽の間の前(南側)と後(北側)ではおよそ5㎝ほど後ろが沈んでいます(これまでは真ん中あたりに敷居があり前後に分かれていたので気にならなかったですが)今回は、前の床レベルに合わせて後ろの床がこれまでより5㎝高く敷く予定です。

17日は、午後から雨の予報が早まり昼前から小雨が降り出しました。新しい屋根瓦の用意がありました。床の下敷きが完成して早くも化粧板を敷きだしています。
18日床材の化粧板が完成しました。

21日、東楽の間に新しい屋根瓦が葺き上げられました。椋本の瓦職人さんに東楽の間部分の以前の屋根瓦について聞くと本堂本体の瓦と比較的新しい瓦が葺いてあったそうです。今の本堂は建立して150年くらいで、本格的な瓦の葺き替え工事の記録は残っていません。以前、昭和20年12月の地震の時に本堂の西側の一部の瓦が落ちたと聞いていましたが東側の一部も落ちていたのでしょうか。そういえば本堂本体の後ろ側の瓦も新しいものと思われる瓦もありすので、災害で、落ちたり破損したりした瓦は適宜、修理していたのでしょう。

今、本堂東楽の間と呼ばれるスペースは本堂本体の東側に付随するペースで本堂本体正面から外縁が通り、本堂本体の後ろ半分の所に造られたスペースです。本堂後堂(道)から回って東楽の間にも行き来できるのですが、本堂後堂(道)の内陣左壇に宮殿を造った時に本堂後ろ堂(道)の一部空間を塞ぐようになり現在は通行できません。同じように本堂本体の西側にも楽の間と呼ばれるスペースがありこちらは庫裡から本堂後堂(道)を通り内陣出勤する通路と使用しています。西側の楽の間は畳敷きで東側の楽の間は板敷きであります。
今回確認できたことは、東楽の間と呼んでいるスペースは前後2つのスペースからなることで、二つのスペースが造られた時期が違うようで、ある時期から今のスペースになったと考えられること。中央当たりの柱に壁が造られていた様子があり今の前方部分側に壁土であったのではと考えられので前後のスペースは、先に後ろのスペースが造られ、後に前のスペースが造られたのではないかと考えられます。
また、瓦職人さんから前後の屋根で後側の屋根瓦の土の方が前側より古い土とのことも聞きました。

ただ前のスペースの天井の上の本堂本体の壁を確認すると壁土だけで、上塗りされる白壁が確認できません。このことは本堂本体の外側に当たる壁であったとしたら白壁を塗っていたと思われるがそれが確認できないとなると本堂本体の白壁が当初以降に塗り直されたことも考えられます。

27日に、東楽の間の内部壁と天井の改修が始まります。2月からこれまでの壁や天井はそのままで内側に新しくクロスを貼り付けていきます。

 

※本堂東楽の間の改修を1月から2月末にかけて行います。その間本堂が使用できません。ご迷惑をおかけしますが、妙華寺会館を本堂として使用します。