「方便(ほうべん)」
世間では「ウソも方便」などと使い『いいのがれや、ごまかしの代名詞』になっています。これは大きな間違いです。
「方便」とは仏教の言葉で「正直を方をいう。己を外にすることを便という」とあります。ほとけが、真宗の教えを私たちにわかるように、平易に説いてくださる心です。
四季の花
5月は「薫風」と言う季語があり、若葉の香りを漂わせて吹く初夏の風のことのようです。青空に青葉は心も爽やかにしてくれます。
ほとけさまのこころ わたしのこころ
花屋さんの店先は、色とりどりの花で一杯です。
見とれていると『阿弥陀経(あみだきょう)』のことばがうかびます。
「池中蓮華(ちちゅうれんげ)大如車輪(だいにょしゃりん)青色青光(しょうしきしょうこう)黄色黄光(おうしきおうこう)赤色赤光(しゃくしきしゃっこう)白色白光(びゃくしきびゃっこう)微妙香潔(みみょうこうけつ)(お浄土はいろいろの蓮の花が咲き乱れ香り清らかで、調和しています。)」
お浄土とは、阿弥陀さまが私たちに安らぎを与えたい、流転輪廻(るてんりんね)から解脱(げだつ)されたいと願われて完成された世界です。
この願いには、必ず往生成仏(おうじょうじょうぶつ)させるとの阿弥陀さまの確信がこめられています。この確信を他力の信心といい、その願いを南無阿弥陀仏と聞いて歓喜(かんぎ)することも他力の信心です。
店先の花々は、見ている私のこころを明るくしてくれます。
ところで、どれか1輪をと思ったとき、私は落ち着けなくなります。どれにしよう、どれがいい、値段はいくらだろうという具合です。
お浄土のようだと思っていた私が大混乱です。
花屋の店先はもう「お浄土」に見えないのです。
美しい花があるのに、こころがゆれうごきます。
この定まりのない私たちの心のうごきを「自力のはからい」といいます。
「南無阿弥陀仏」を聞きながら「自力のはからい」がはたらくのです。
もっともっと阿弥陀仏の願いを聞き続けなければと思います。
※「ひとくち法話」真宗高田派本山より
講演会のご案内
日時 5月18日(水)親友婦人会総会のあと午後3時から
場所 妙華寺会館
講題 「食べると向きあう」
講師 青江覚峰師 浄土真宗東本願寺派 緑泉寺住職
ご講師の青江覚峰師のご紹介 1977年東京生まれ。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。日本初・お寺発のブラインドレストラン「暗闇ごはん」代表。超宗派の僧侶達が集うウェブサイト「彼岸寺」創設メンバー。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ほとけごはん』(中公新書ラクレ)などがある。
青江覚峰師の主催されています「暗闇ごはん」の行事を通して、人間として他の命を頂いてくしか私の命が存在しない(あたりまえのこと)を改めて実践されていることを『伝道』82号を読んで知り、ご講演を依頼しました。
どなたもご参加いただけます。
四苦八苦(しくはっく)
そのお爺さんは92歳で亡くなられました。体の大きな人でした。晩年、手足が弱り長女の世話を受けていました。彼女は華奢(きゃしゃ)で、大きくて重いお父さんのお世話は大変だったらしく、よく腰が痛いと言っていました。
葬儀は穏やかな雰囲気のうちに行われました。しかし、いよいよ荼毘(だび)に付(ふ)されるという時、彼女はお棺にとりすがり、泣き伏してしまいました。親しい人の情でありましょう。
いかに、若くありたい、丈夫でありたい、生きていたいと思っていても、時がくれば、老い、病(や)み、死んでいかねばなりません。
それは、この世に生を受けた者にとって避けてとおることができないことです。お釈迦(しゃか)さまは、生・老・病・死の四苦を説いておられます。
さらにその上に、愛別離苦(あいべつりく)(いとおしい人と離れなければならない苦しみ)・怨憎会苦(おんぞうえく)(怨み憎む人と会わなければならない苦しみ)・求不得苦(ぐふとっく)(求めて得ざる苦しみ)・五陰盛苦(ごおんじょうく)(私たちの身心を構成する五つの要素から生ずる苦しみ)があります。先のものと合わせて八苦といいます。そこに私たちの現実があります。
苦しみは、しかし、ただ苦しみに終わるものではないのです。老いてはじめてわかること、病気になってはじめて気づくこと、また死に直面してはじめて見えてくることがあるのです。そのために、私たちは聞法にいそしまなねばなりません。
※「ひとくち法話」真宗高田派本山より
春千部会は、前日までの雨があがり晴れ間になりましたが少し風が強く肌寒い日になりました。大型連休の初日でありますが多くの皆様にお集まりいただきありがとうございました。出勤していだくご法中様の衣体は、黒衣、五条です。若い頃にどうしてか前住職に尋ねましたら、「真宗では報恩講が一番大切な行事で、色衣、五条で出勤をお願いしているので、他の行事は黒衣、五条で出勤をお願いしている」と教えられました。布教使様は、義明寺の高藤英光師です。熊本地震の災害からも、親鸞聖人のみ教えを気づかさせていただくことがあることをお話しされました。