2月の日曜学校

今年の日曜学校は、法苑院妙華寺の歴代住職について紹介する予定です。
今回は、初代自信上人について紹介させていただきました。

初代 泥洹院(ないおんいん)自信(じしん) 宝永4年(1707)6月17日示寂 61歳
【行跡】本堂建立、弁天堂建立、弁財天大像、半鐘、弁天池造立、
著書「当山建立来由」は、5世自運が、文政4年(1821)3月の久居大火の時に池になげこみ火から守ったが、水に濡れ判読できなくなる為、5世自運が書写し、現存している。水に濡れた原本は自信の墓に納めたと言われる。

寛文11年(1671) 藤堂高通公が久居藩主として入城
延宝 8年(1680) 当地地割絵図に一身田と記載高田派寺院の敷地が与えられた
新寺の開基として越後国中川西光寺より自信を招いた
天和元年(1681) 自信が草庵を結ぶ
「寂陽山 法苑院 妙華寺」の三号と
慈覚大師作の阿弥陀如来ご本尊を本山より下付される
宝永 4年(1707) 6月17日示寂 61歳 ※泥洹(涅槃の意)

自信上人250年忌は、昭和32年(1957)5月19日に賑々しくお勤めされていました。
自信上人300回忌は、平成19年(2007)6月17日のご命日にお勤めさせていただきました。

あれから4年(お寺の寺業計画のお寺のビジョン)

あれから4年(お寺の寺業計画のお寺のビジョン)
寺業計画で掲げたお寺のビジョンは、お同行様がお寺の空間をどのように感じていらっしゃるかを考えていました。私(住職)としては、「お寺は仏様のいらっしゃる神聖な領域」と言うのが一番と考えます。その為にお寺の境内(領域)をどのように整備し管理していくのかと思うのですが、お同行様から見ると、「仏様がいらっしゃる場より、先祖のお墓がある場」で「先祖の供養をする場」と言うのが一番のようにも思えます。また「お寺は少し敷居が高くて気安く入る場とは違う」と思われているようにも思います。お寺との距離感を多少感じるのは、お寺が日常の場でなく非日常の場であること思います。

そこから考えたのが、①お寺の伝統文化の共有と②お寺の非日常空間として活用できないかです。4年前に一生懸命考えていたと思うことも4年後の今見ますとまだ漠然としたもののように感じます。しかし漠然としているから色々なことに挑戦できるのでしょう。この時「未来の住職塾」の講師は、「お寺のストーリー(物語)を大切にすること」と助言していただきました。

お寺を預かる者として(内部から)考えるお寺のあり方とお寺を外部から考える場合
に価値観が違う場合があります。これまでのような僧侶だけの視点で宗教法人を運営(経営)してくことでは「開かれたお寺」としては成り立たないように感じます。今の社会が求めているお寺のあり方とは何か。お寺の住職(代表役員)として、お同行様の考えるお寺のあり方や社会が考えるお寺のあり方に耳を傾けながら、私のお寺(妙華寺)が宗教法人として「開かれたお寺」であるかを改めて考える機会となりました。

※今、公益法人として運営されている相撲協会が話題になっています。組織(法人)の内部からの見方と外部からの見方(見え方)で様々な意見がありますが、組織(法人)として考えると、お寺(宗教法人)も同様の状態であるかもしれません。公益法人は厳格な認定基準がある法人ですが、宗教法人であるお寺もこれからは、外部の第三者機関による組織(法人)運営が適正か審査される時代になるかもしれません。

妙華寺のこれからのストーリー(物語)を、これまでのお寺の物語を踏まえてお寺の住職だけでなくお同行の皆様と共にどのような具体的な取り組みを考えなければいけないのかを考えたいと思います。

「未来の住職塾」の7期が今年の4月から開講されます。2月には「一日体験教室」も全国で開催されますのでご興味のある方はお申し込みを(お寺の未来様のHPを参照)

 

2月の日曜学校は4日です

今年最初の日曜学校は立春の2月4日です。朝7時30分から8時頃までです。
ご家庭での平素の夕時のお勤め(歎仏偈・文類偈・5首和讃)を一緒にお勤めいたします。輪(りん)の鳴らし方や、念珠の持ち方もご一緒にしますので自然と覚えます。
また、ご参加いただきますと念珠の一珠をお渡しして、24珠で単念珠が、108珠で二連念珠ができるようにご用意しています。(親珠には「妙華寺」の寺院名が刻印されています)
立春もすぐですがまだまだ寒さが続いています。お身体大切になさってください。

 

第5回『お寺で体験』

第5回の『お寺で体験』は、茶室にてお寺に伝わる茶道具を通してお話をさせていただきました。昨日(27日)のように雪は降りませんでしたが寒さの中ご参加ありがとうございました。


高田本山には、宗旦古流と言われますお茶の流派が伝わっています。妙華寺にも、高田派歴代のご法主殿のお道具が伝わり、また妙華寺第8代の実言上人は松尾流の先生でもあったようで、その頃からの茶道具も伝わっています。茶室の設えから日本のおもてなしを味わいました。続いて、真宗の教えで大切にされています7高僧について説明をさせていただきました。

会費1,000円(当日徴収します)

準備の都合上、事前申込をお願いします。
事前申込制(単発も可)どなたでもご参加いただけます

第6回は、2月25日の「お寺で体験」は、本堂西余間の涅槃図で絵解きをします。
絵解きは、潮音寺住職の村上英俊師です。「親鸞聖人絵伝」の時もあっという間に時間が過ぎていきました。次回も楽しみにしています。

今後の予定【内容は調整中で変更の場合もございます】
02月25日 涅槃図の絵解き 潮音寺住職 村上英俊師
03月25日 花祭りについて・花を愛でる(境内の桜)  真宗②

お問い合わせ・申込先 津市久居二ノ町1743番地
真宗高田派 法苑院(ほうえんいん)妙華寺(みょうけじ) 中川 和則
お寺のHP https://www.myoke-ji.com 電話・ファックス 059-255-2846

※宗旦古流は、宗旦の時代に大徳寺の自笑から京都の高田別院の塔頭の北の坊の至道に伝えられ、その後、17代圓猶上人が一身田の本山へ伝えられました。現代の家元制度の以前は、宗旦古流の免許皆伝を許された高田派のお寺の僧侶もいらっしゃいました。本山境内の安楽庵で歴代のご法主の茶会が開かれ僧俗共に楽しまれたことが茶会記に残されています。
歴代のご法主のお好みの茶道具もありますし、以前は、安楽庵に窯があり茶碗なども焼かれていたとお聞きしたこともあります。また本山の行事の記念として茶道具が造られています。昭和50年代に安楽庵の改修と新しい立礼室が建てられた記念に「安楽」の銘の茶杓や御対面所奥に桐陰席が造られた時は、「桐陰」の銘の茶杓を記念にいただきました。今のご法主のご成婚の記念には、ご殿に伝わるご遺愛の茶碗の写しが造られました。他にも、地元の阿漕焼の茶碗や阿漕塗の棗などで記念品が造られています。毎年報恩講(お七夜)中や降誕会の茶会では、前のご法主殿や今のご法主殿が揮毫された茶碗や、銘を付けられた茶杓も披露されています。

 

四季の花

四季の花
1月は寒さに負けて境内に出る機会も少ないです。27日(昨日)朝起きると、あまり積雪がないこの地域にも朝雪が積もっていました。雪はお昼には融けてなくなりました。私(住職)が小学校の頃(昭和37年から6年間)は、雪が積もった中を学校に行き、校庭で雪合戦をしたり、葉っぱに積もった雪を食べていたりしたことも思い出しています。
水仙は、12月から咲いています。裏にあるロウバイが花が咲き出しました。椿は昨年春に毛虫に葉を全て食べられ、夏には新しい葉がつき始めましたがこの冬はまだ花がつきません。

グリーフケアとしての仏事

グリーフケアとしての仏事
平成28年に、上智大学、龍谷大学共催の「グリーフケア公開講座」~生き抜く力~の連続講座を聴講しながら、今年に入って、『グリーフケア入門』悲歎のさなかにある人を支える (高木慶子編著 上智大学グリーフケア研究所制作協力 勁草書房)の中の「日本社会の伝統的なグリーフケア」大河内大博師の論文を拝読しました。

大切な人が亡くなった時のグリーフケアとして仏事を考察されています。
これまでは地域社会で人が亡くなると、その地域で亡くなった方のことを遺族と共に悲しむ中で、亡くなった方を知る僧侶が葬儀を行い、49日間のお勤めを通して、(その後の初盆や、年忌も含めると長い時系列で)遺族や親族、なくなった方を知る地域の方で悲しみを共有することがグリーフケアとして大切な要素であったと思います。
そのグリーフケアの大きな要素であった地域社会で共に悲しむ「死」が、家族だけで悲しむ「死」や、悲しむことができない「死」へ向かっているように思え、大切な方が亡くなった時のグリーフケアとしての仏事をどのように考えていくか僧侶にも意識の変革を求められていると感じました。
僧侶として「死」を悼む儀礼の先にあるものと、大切な方を亡くした遺族の考える「死」を悼む儀礼の先にあるものが決して同じではないことを前提として仏事がどうあるべきか考えていかなければいけないようです。

ご遺族様の亡くなられた方への思いはさまざまでありますが、亡くなられた方を「忘れたくない」「忘れられない」のお気持ちに耳を傾けながら、ご遺族様と亡くなられた方の新たな関係を築いていくことが大切でないかと考えています。

グリーフケアとは直接関係はありませんが、独り住まいの方がお亡くなりになり、後日分かり、ご縁のある方がお寺に連絡をいただくようなことが最近増えているように感じます。地域のコミュニティが以前より希薄になっているのは感じていましたが、行政のセーフティーネットにも漏れ、近所の方も気づかず亡くなられていたことが、私の町でも起こっています。

私達は、生活の中で将来(老後)の不安はとても大きくて、その心配で今を、自分らしく生きることができない時代と感じます。独り住まいの方だけの問題でなく今生きている私の問題として、将来(老後)の不安の先にある「死」の不安をどのように感じていらっしゃるのでしょうか?
どのような状態で「死」を迎えても、「私は救われるのか?」、「阿弥陀如来の私へのお救いとは?」

私の後生(ごしょう)の一大事について、心の不安を解き放す1つとして、布教使のご法話を何度もお聴聞しながらうなづかさせていただくしかないと思います。

和讃の紹介

和讃をご紹介いたします。和讃について多くの参考書がありますが、『注解 国宝 三帖和讃』常磐井鸞猶著と『浄土和讃講話』川瀬和敬著より紹介します。
浄土和讃 現世利益和讃(国宝本では14首)(文明本では11首)

天神地祇はことごとく 善鬼神となづけたり
これらの善神みなともに 念仏のひとをまもるなり

天の神も地の神もすべて、仏法を守護するよい神々であるから善鬼神と呼ばれている。
これらの善き神々がみな一緒になって、念仏する人を護られる。

梵王帝釈四天王等が天神、堅牢地祇八大竜王等は地祇。
超人間的な力能を持つものを鬼神と言い、その力能によって仏法を保持し、国土を守護するものを善鬼神、これに反するものを悪鬼神とする。

※ 標題の「現世の利益和讃」の註解として
他力の信を得て念仏する者にはおのずからこの世の利益が法徳として

そなわることを、主として金光明経に拠りつつ和讃する
以上 【注解 国宝 三帖和讃 常磐井鸞猶著より】

梵天・帝釈天・四天王などの天の神、堅牢地祇・八大竜王などの地の神はみなもろともに、不思議な能力を備えているから鬼神と呼ぶべきですが、仏法を守護しますから善鬼神と名づけます。これらの善神はみな一緒に、南無阿弥陀仏と称える人をお護りになります。

※他の首の解説の中で、「現世利益和讃」といっても、「浄土和讃」の中に編入されているのだから、阿弥陀仏の称讃を離れていないのです。現世、この世といいつつ浄土よりのはるかな慈光を蒙る中に見い出されたものなのです。浄土に対して現世の存在を主張しているのではありせん。浄土があるからこの世はないがしろにするのでなく、浄土の光の中たしかな一歩をふみしめることができるのは、護りの力がはたらいていることをあらためて知るのです。
以上【浄土和讃講話 川瀬和敬著より】

お七夜にお詣りにいきました

高田本山のお七夜にお詣りに行きました。9日に「高田本山専修寺の伽藍の特色と価値」と題した、三重大学大学院工学研究科教授の菅原洋一先生の特別講演があり拝聴しました。昨年、専修寺の御影堂と如来堂が国宝に指定されましたが、文化庁へ国宝指定の申請をする時のお話で専修寺の両御堂が本願寺の両御堂とどのような違いがあるか、また専修寺の両御堂が国宝となった特徴と価値について詳しく説明をいただきました。これまで何気なく両御堂が南向きに建てられていると思っていましたが、御廟も含めた3つのお堂が南向きに建てられたことを知りました。御影堂は津藩藤堂高虎の支援が大きく関わって再建されましたが、如来堂はお同行や僧侶の支援が中心で再建されたこと。また、現在の御影堂や如来堂が建てられる前の御堂が焼失した時に今の一身田から別の地にお堂を建立するお話があったことや、一身田の当初の御堂の向きなども初めて知ることもありました。


また、年2回開かれる宝物館の宝物展では、御影堂と如来堂の国宝指定書(複製)の展示や両御堂に関する史料が展示されていました。


毎年食堂(じきどう)では、お非時の接待を受けますし、有慶堂では、高田派に伝わる宗旦古流の呈茶もあり、お七夜は本山境内で、僧侶の知人や親しい方に新しい年に初めてお会いできる機会でもあります。

本山のお七夜のお勤めに出勤するには、お勤めが始まる30分前に、後堂で着帳(ちゃくちょう)して衣体に着替えて5分前に後堂で出勤する順番を待ちます。順番が来ますとその時の自席に着座して、ご法主殿の出勤をお待ちします。お勤めが終わりますと、ご法主殿が退堂され順番に退堂します。その後、御堂の中陣の高座で布教使のご法話が始まります。ご法話が終わり一座が終了します。出勤までの時間は控室でいろんな話を聞くことができて勉強になります。毎年お七夜期間中、お勤めに出勤できる29座(席)全て出勤される方もいらっしゃいます。私(住職)にはとてもできないことで、尊敬するばかりです。

ひとくち法話

―お釈迦様のご生涯―
02 世の無常を痛まれる(よのむじょうをいたまれる)
シャカ族のカピラ城では、王子さまがお生まれになったという知らせに、人々は大よろこびで、宮殿へお祝いにまいりました。アシタ仙人は王子を見た瞬間、「こんなに立派な王子さまを見たことがない。きっと世界の人々を救われるすばらしいお方になられることでしょう」と言って涙を流して喜びました。
王子さまはシッダッタ太子(目的を達成した人)と名づけられました。
しかし、大変悲しいことがおこりました。太子がお生まれになってから7日後、母の摩耶夫人(まやぶにん)が突然病気で亡くなってしまわれたのです。
こうした悲しみも乗り越えられ、父の浄飯王(じょうぼんのう)や義母や、その他の人々の慈愛をうけて、立派に成長されてゆかれました。
ある日、太子は、なにげなく田んぼの方に目をやりました。農夫が掘りかえした土の中から、ミミズやカエルなど、小さな生き物が出たり入ったりしていました。すると空から鳥が舞いおりて、サッとくちばしにくわえて飛び去っていきました。きっとあの鳥に喰い殺されることであろうと心から悲しまれました。
そして、人間も動物もどうしたら争いがなくなるだろうかと、深くお考えになりました。心のやさしい王子さまであったのでしょう。だから、すべての人々を救わなければならないと、太子は自分自身が苦しまれ、やがて、このお心が、私たちへの願い、お念仏(ねんぶつ)の教えとなって今に伝えられています。
※「ひとくち法話」真宗高田派本山より

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『お寺で体験』5回目は、1月28日です

今さらではありますがお寺について知りたいけど、お寺の敷居が高くて入りづらいし直接お坊さん(住職)に話しても良いの?
知らないことを聞きたいけど誰に聞けば良いの?と感じている方へ
お寺には日本の伝統文化がたくさん残っています。今、妙華寺に残されたものを通して日本の仏教文化を『お寺で体験』しませんか?
残り3回の開講になりました。 平成30年3月までの予定
第4日曜日 午前10時から11時30分まで二部制(途中休憩あり)
会費1,000円(当日徴収します) 準備の都合上、事前申込をお願いします。
事前申込制(単発も可)どなたでもご参加いただけます

第5回は、1月28日の「お寺で体験」は、お茶(茶室の楽しみ)をテーマに、炉の茶室で、高田派の歴代の書や茶道具を通してお話する予定です。正座が苦手な方には椅子もご用意をする予定です。

予定【内容は調整中で変更の場合もございます】
01月28日  お茶(茶室の楽しみ)            真宗①
02月25日 涅槃図の絵解き 潮音寺住職 村上英俊師
03月25日 花祭りについて・花を愛でる(境内の桜)  真宗②

お問い合わせ・申込先 津市久居二ノ町1743番地
真宗高田派 法苑院(ほうえんいん)妙華寺(みょうけじ) 中川 和則
お寺のHP https://www.myoke-ji.com 電話・ファックス 059-255-2846

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