宗教者からのメッセージ10
京都府に「いのちの日」が制定されて、浄土真宗本願寺派総合研究所から、毎年、宗教者から自死の苦悩を抱えられた方へのメッセージが届けていられます。
今年は、4名の宗教者からのメッセージが掲載されています。妙華寺の副住職も1人の宗教者として掲載されています。まだまだ修学中ですが、必要な方へ届きますよう願っています。春彼岸会にご参加されました皆様にお渡しする予定です。
月: 2025年3月
遙拝(ようはい)
遙拝
妙華寺には境内墓地があります。お彼岸やお盆には、多くの方々がお墓詣りにこられ賑やかです。また、お寺の行事の前後でお墓に参られる方や、年回法要で本堂でお勤めをした後、お墓でお勤めすることがほとんどです。
ただ、雨であったり、風雨が強くお墓でお勤めができない場合もあります。
そのような場合、本堂内でお墓に向かって墓勤め(遙拝)をさせていただいています。
高田本山専修寺では、毎月、親鸞聖人の命日(16日)に御影堂でお勤めのあと、ご廟(墓)に行列を組んで行き、ご廟でお勤めされていますが、雨の日などでご廟に行くことが難しい場合、如来堂からご廟に向かってお勤めされることから、妙華寺でもお墓でお勤めが難しい場合、遙拝にてお勤めしています。
東日本大震災から14年
東日本大震災から14年
今年、私(住職)は、69歳になります。昔の数え方で言えば「古希」です。
私の生きてきた時間で調べれば多くの地震が起こっていますが、30年前の阪神淡路大震災と14年前の東日本大震災と昨年の能登半島地震の映像が印象に残っています。
地震以外でも大きな災害はあります。昭和34年の伊勢湾台風は私の住んでいる地域でも多くの被害が出ました。しかし、私は3歳でしたし、映像として残っているものは今に比べてとても少ないので、余り記憶として残っていません。
大きな災害についてもそうですが、時間が経過していくとそのことを共に考える時間が少なくなることに、申し訳なさを感じますが、生きていくことに精一杯の私にとっては、しかたがないと切り捨ててしまう感情もあります。
しかし、それでも伝えることはしなければいけないのだと感じています。昨年、「伝える」ことの難しくさに悩んだ時間がありました。自分自身の「伝える」スキルが未熟であったとしても、「伝える」努力を続けないといけないことの大切さを改めて感じています。
また、視点を変えて考えると、日本だけでなく世界で地震が起こっている(地球では地震が起こっている)ことは、大地が安定していると言う私の思い込みであったのではないか。本当は、自分の立っているこの大地は決して安定している場所でなかったのかと考えてみることもできます。この視点では、少しだけ宗教的な意味合いも感じられるような気もします。
※中川個人の感想です。
【案内】春彼岸会は20日13時30分からです
【案内】
讃佛会(さんぶつえ)
「暑さ寒さも彼岸まで」と言います。日本では、昼夜が同じ時間になり、太陽が西に沈む頃の春分の日・秋分の日を中心に一週間を春秋二季の彼岸と例えます。日本人の心に根付いた仏教への心温まる気持ちの現れです。
彼岸は、仏典に出てくる言葉で、パーラミターというインドの言葉を訳したものです。彼岸とは「到彼岸」の略で、迷いの世界(この世)から悟りの世界に到るということです。この迷いの世界を此岸(しがん)といい、如来の悟りの世界を彼岸と名付けています。
親鸞聖人は、「人みなこの此岸、つまり人間世界から彼岸への途を歩まねばならない」とおっしゃってみえます。
此岸から彼岸へのこの道は阿弥陀如来ご廻向の道であります。浄土への道は、浄土からの呼びかけの道であります。彼岸会はインド・中国にはなく日本独自の法会です。真宗では彼岸の一週間を佛徳を讃嘆する場として、また聞法のご縁の場として大切にしています。
真宗では、彼岸会を讃佛会とも申しています。
法苑院妙華寺では、春分の日・秋分の日の午後1時30分からお勤めと法話を勤めています。 親鸞聖人のご和讃に
「生死の苦海ほとりなし
ひさしくしずめるわれらをば
弥陀の悲願のふねのみぞ
のせてかならずわたしける」とお述べになっています。
苦悩の世界(此岸)に沈んで久しい私たちは、阿弥陀如来の悲願によって救われる(彼岸へ運ばれる)とお諭しになられています。
3月20日(祝・木)午後1時30分からお勤めをいたします。
浄泉寺の戸田栄信師のご法話がございます。
妙華寺では、ご法話をご聴聞していただくと法会参加票にスタンプを押印させていただいています。ご聴聞をお喜びするご縁となりますように、10回ご参加いただきますと記念の品をお渡ししています
本当の色
本当の色
今年に入って、連続ドラマ「True Colors」に引き込まれました。その人にとって目の前の景色がどのように見えているか想像もしていませんでした。
視覚障がいについては、漠然と考えていましたが、自分事として考えていなかったことがあきらかになり、恥ずかしく思うと同時に、他者に向き合うことの難しさと大切さを学んだことです。
天草の海の色がとてもすてきで、「青」色と言っても、グラデーションがあり、それぞれに名があります。
私が見ている「青」は、あなたの見ている「青」とは違うのでしょうか。違ったとしても私の見ている「青」は私にとって本当の「青」なのだろうと感じます。
私の見ている(見えている)色もそうですが、映像も何が自分にとって気になるかによって同じ映像から目に焼きつくものは違ってきます。
色彩を通して、見え方は多様であることを知り、自分にとっての本当の色について想いを馳せています。
最後に流れる「True Colors」は、私(住職)が若かりし頃、シンディーローパーがうたっていた曲です。落ち込んでいる時に大丈夫だよと励ましてくれたように。ドラマ「True Colors」も、不安な気持ちを大丈夫だよと背中を押してもらえるドラマでした。
【案内】祖師寿
祖師寿のご案内
お同行の皆様のお喜びの1つに親鸞聖人90歳のご生涯で、90歳のお年を迎えられるお同行様を「祖師寿(そしじゅ)」祝いとしてお同行の皆様の仏縁を共にお喜び申し上げています。
男性は降誕会(ごうたんえ)の5月21日に、女性は6月の最初の日曜日に開催されます高田派婦人連合大会の式典で表彰されます。 このことを励みにされていらつしゃる方もたくさんいらっしゃるようです。
令和4年年末に発行しました寺報(41号)に祖師寿を受けられました方の喜びの声を掲載してあります。
今年は昭和11年(1936)生まれの方が該当されます。
該当されます方は、妙華寺に3月末までにお申し込みください。お寺から高田本山へお伝えいたします。
賞状と記念式章が贈られます。
季節を感じる
季節を感じる
日常生活やお寺の行事でも季節を感じますが、茶道では、季節に合わせた点前などもあり、学び初めてより季節のことを感じるようになりました。
風炉(5月から10月)と炉(11月から4月)の季節があります。風炉の時期でも、夏の暑い頃は、火を目立たなくしたり、涼を感じる工夫をしたり、晩秋には、火を、お客様に近づけたりします。 炉の時期でも、極寒の時期は、茶室を暖かくする工夫や、お茶碗のお茶を暖かくする工夫など覚える点前はたくさんあります。
3月になりますと、炉の五徳を外して、釣釜が掛かります。点前をしながら、天井から鎖につられた釜が少し揺れている姿に自分自身の姿を見たりします。
年中行事の意味や先達の想いなど、わかっているようでわかっていないこともお茶を通して学べることがありがたいです。
私(住職)は、初風炉と言う5月がとても気に入っています。炉を閉じて立夏に畳替えをして、風炉を据えるのですが、立夏とはいえまだ小寒い日であっても凜とした気持ちになるのが気に入っています。
※中川個人の感想です。
阿弥陀如来坐像
阿弥陀如来坐像
妙華寺二代の融海(ゆうかい)上人が、青巖寺(せいがんじ)より入寺した時に、恵心僧都(源信)作の持参された阿弥陀如来坐像。
印相は、阿弥陀の定印(両手を膝の上に組み左右の第一、二指を結ぶ)
※源信(げんしん)は、比叡山の横川の恵心院に住したことより恵心僧都と言われる。天台教学を究め、『往生要集』(おうじょうようしゅう)三巻を著し、阿弥陀佛の浄土を欣求することを勧めた。真宗の七高僧の第六祖
私(住職)が幼少の頃、この像は、本堂の西側の楽の間に安置されていました。祖父や父の話では、秘仏として本堂裏側の須弥壇の部分に安置されていたようです。 昭和60年までに妙華寺会館ができ、それから会館に安置されていました。平成23年の5月初旬に、本堂西にある資料室にご遷坐いたしました。会館には、妙華寺の一光三尊佛を安置しています。