50回忌

飛騨川バス転落事故50回忌
大きな災害や事故の後、ご遺族や関係者から「忘れないで」と聞く、「忘れない」と思いながら年月が経過するにつれ「忘れている」自分がいる。私(住職)が12歳の8月18日に起きた飛騨川バス転落事故の50回忌が今年に当たる。先日、当時のお同行様の子どもさんの四人家族の50回忌をお同行の先代ご夫婦(50回忌にあたるご家族のご両親)、今のお同行のご主人(兄)も既にご往生されている中で、当時を知るお同行(兄嫁)様とその娘さんと一緒にお勤めしました。
私(住職)は、事故のことはテレビや新聞で知りましたし、お同行様の子どもさん家族が事故でご往生されたことも、先々代の住職や先代住職からお聞きはしていましたが、当時のお寺での葬儀のことやその後の年忌はその時の住職がお勤めをしていましたので、恥ずかしいことですが覚えていません。大切な方が突然この世からいなくなる、それも家族全員が。自身のことで無くても胸がしめつけられる気持ちになります。色んな思いが過ぎる中で最後は、亡くなられた方々のことを思い手を合わせていただくことしか出来ない私(住職)でしかありません。ご往生されて49年を迎える中でご遺族のお気持ちにどのように向き合わさせていただくのか、ご遺族の大きな悲しみが親鸞聖人のみ教えにより生きていく中での糧としてお伝えできているのかいつも思うことであります。

 

※飛騨川バス転落事故は、1968年(昭和43年)8月18日に、岐阜県加茂郡白川町の国道41号において生じたバス事故である。乗鞍岳へ向かっていた観光バス15台のうち、岡崎観光自動車(のちに合併により名鉄東部観光バスを経て現在は名鉄観光バス岡崎営業所となっている)所有の2台のバスが、集中豪雨に伴う土砂崩れに巻き込まれて、増水していた飛騨川に転落し、乗員・乗客107名のうち104名が死亡した。日本のバス事故史上における最悪の事故となった。