5月の法語カレンダー

5月の法語カレンダー
十方の如来は 衆生を一子のごとくに 憐念す」     『浄土和讃』より
『浄土和讃』
親鸞聖人が、著した『浄土和讃』・『浄土高僧和讃』・『正像末法和讃』を三帖和讃と総称する。浄土真宗の法義が余すところなく讃嘆されていることから「和語の教行証文類」ともいわれる。親鸞聖人と真仏上人の筆による高田派専修寺蔵国宝本が現存するほか、古写本に高田派専修寺蔵正応3年顕智書写本(『高僧和讃』は現存せず)がある。
もつとも流布したものは文明5年 蓮如が「正信偈」とともに出版した「三帖和讃」(文明本)がある。これらの諸本の間には、和讃の本文や配列順序、左訓の有無など異動も多い。

「高田勤行本」では、「超日月光このみには 念仏三昧おしえしむ 十方の如来衆生を
一子のごとくに憐念す」とお勤めします。

阿弥陀さまが私たち一人ひとりを、わが一人子のように見てくださったと、聞きよろこんできました。親の一人子に対する愛情をもってたとえられています。しかし、このおたとえは、単なる親の愛情ではなく、自分と他者を分け隔てしないさとりの境地が、その大元であります。
いま、ここで、誰にもわかってもらえない痛みを覚え、苦しみに苛まれ、孤独を感ずるほかない私に、「その痛み、苦しみ、孤独、全部この阿弥陀如来が引き受けた。必ず救う」と届いてくださっている。
これが浄土真宗・阿弥陀さまのお救いです。