親鸞聖人坐像

今年は、毎月10日に法苑院妙華寺を紹介していきたいと思います。

親鸞聖人坐像 一躯 木像 玉眼・寄木・彩色 像髙 43.7cm 江戸時代(寺伝に3代住職の代に造立)


妙華寺の本堂の内陣の向かって右脇壇に敬置されています。本堂の構造から分かることは、本堂の後の通路が本来ですと右脇壇の後ろを通り抜ける造りですが、坐像を敬置する宮殿が後ろの通路の部分まで突出していて遮る形になります。このことから、現在の本堂が再建した以降に親鸞聖人坐像の宮殿が作製されたと考えられます。

 

高田本山専修寺の親鸞聖人坐像は、首に帽子(もうす)を巻き、袈裟をつけて坐し、両手で念珠をつまぐるお姿で、聖人の風貌をいきいきと迫真的に表現している。像容を子細に見ると、両肘あたりに、絵画的な屈曲の強い線があり、「安城の御影」(西本願寺所蔵)と言われる聖人83歳の画像に見られ、帽子の皺の具合も、膝下の座具もそっくりなところから、「安城の御影」を原画として彫塑化したものと認められる。一尺ちょうどという像の寸法も、画像の寸法によったものである。