私たちのお寺はあなたをひとりぼっちにはしません

お寺の使命として「私たちのお寺はあなたをひとりぼっちにはしません」を掲げて7年になります。

悲しいことですが、今年は、テレビに出演されている著名な方が続いて自死と思われる死で亡くなられています。

私(住職)は、亡くなられた方の熱狂的なファンであったとは言いいませんが、これからもテレビで活躍する姿が見えなくなると思うと悲しい気持ちになります。それぞれの情報の内容にそれほど興味はありまませんが「自死」について考えさせられます。
私(住職)は、自死について専門的な学びは受けていませんが、これまで檀家さんで自死で亡くなられる方を何人も見送ってきました。

私(住職)が社会人になりたての頃、いつも、家族と夕食をともにする時間の前に、庫裡の玄関から突然、靴を脱がずに駆け上がってきた方がいました。父(当時の住職)が対応したので詳細はわかりませんでしたが、その方がしばらくして自死で亡くなられたのが、私(住職)にとって初めて自死について考える出来事でした。
その後、自死で亡くなられる方の通夜・葬儀を勤めることが毎年のようにあり、年間3万人以上の方が自死で亡くなられていた頃、妙華寺でも自死で亡くなられた方が続いていたことにとても心が揺らぐ気持ちでいっぱいでした。
仏教の教えでは、どのような死であっても「いのち」の終わりに違いはないことは明確ですが、遺族の方のお話をお聞きするのに、どこか構えてしまう自分がいます。
周囲が遺族を責めたり、遺族自身が自らを責めてしまうこともあり、グリーフケアが大切であることも痛感させられます。私(住職)としては、辛いことや悲しいこと苦しいことを、ただお話をお聴かせいただくことしかできません。
私(住職)も「死にたい」と思う気持ちになるような辛いこと・悲しいこと・苦しいことがこれまでの人生の中でありました。私の場合は「死にたい」と思う気持ちが、知らないうちに私の意識から消えてしまったような「死にたい」と思う気持ちまでに至らなくなって、今を生きているようにも思えます。
皆さんの中でも「生きている」ことが辛い・苦しい経験をお持ちの中で「死にたい」と思う気持ちにもなられた方もいらっしゃると思います。その時のそれぞれの事情で、「生きる」思いと「死にたい」思いが、心の中でシーソーのように揺れながら人生を歩んでいるのだと感じます。
大切な方に、生きていてほしいから「死ぬのはダメ」と言うことはたやすいですが、「生きたい」気持ちが「死にたい」気持ちよりも辛い・苦しい時もあることに気づいてほしいです。
「生きたい」気持ちも「死にたい」気持ちも同じ様に捉える視点が必要です。そのように捉えることが、自死についての学びで大切と感じています。

死にたいと思う気持ちの時に、1人で抱え込まずに、専門家にお話することも大切と思います。

自死(自殺)について行政機関やNPO団体が開設しています電話やメール相談をご活用ください。
【相談機関】
三重県こころの健康センター
自殺予防・自死遺族電話相談
電話 059-253-7823 月曜日13:00~16:00 ※祝祭日の場合は火曜日 年末年始除く

こころの傾聴テレフォン 話を「聴く」ことに重点を置いた傾聴電話
電話 059-223-5237 059-223-5238 平日10:00~16:00 ※祝祭日、年末年始除く

NPO法人三重いのちの電話協会
自殺予防三重いのちの電話(身体、精神、人生、対人関係等)
電話 059-221-2525 年中無休 毎日 18:00~23:00
電話 0570-783-556 年中無休 毎日 10:00~22:00

一般社団法人日本いのちの電話連盟
自殺予防いのちの電話
電話 0120-738-556 毎月10日 午前8:00~翌日午前8:00(24時間無料)

よりそいホットライン(社会的包括サポートセンター)
電話 0120-279-338 24時間 毎日 ※通話による聞き取りが難しい方FAX 0120-773-776

自死遺族サポート カーベラ会
電話 090-9182-9918 毎日 19:00から21:00

認定NPO法人 京都自死・自殺相談センター
電話 075-365-1616 金曜日・土曜日19:00~25:00
メール http://kyoto-jsc.jp/mail/ 電話が苦手な方にはメールでお返事します

法苑院 妙華寺のお寺の使命として「私たちのお寺はあなたをひとりぼっちにはしません」を掲げて7年になります。

お寺の使命に続けて「今を生きる私たち一人一人の悲しみや苦しみに寄り添いながら、心の安心を得る寺院活動を続けてまいります」と、お寺は、今悲しみや苦しみ・辛さを感じて生きている方に寄り添いながら、悲しみや苦しみ・辛さがなくなることでなく、心が安心することができる活動が大切であると取り組んでいます。

「死にたい」気持ちになられた、辛さや・悲しみ・苦しみを1人で抱え込まないで、お話をお聴かせいただくことも可能です。私(住職)の意見を挟まず、ただあなたのお話を傾聴するだけの時間をお取りします。(法務の関係上 事前に予約をお願いします)