宇都宮

 

宇都宮
栃木県と言えば、真宗高田派の私(住職)は、真岡市(以前は、二宮町高田)にある本寺(ほんじ)を一番最初に思い浮かべます。そして日光東照宮もお参りにいったこともあります。しかし、これまで栃木県の他の町を訪れる機会がありませんでした。

今回は、宇都宮市で開催されています栃木県博物館の開館35周年特別展の「中世 宇都宮氏」を拝見するのに初めて伺うことになりました。宇都宮氏は、今は地名にもなる宇都宮市周辺で活躍された名門武士団のことで今回の展覧会です。この展覧会については、高田本山で知り、内容を聞きますと、高田本山専修寺の国宝の『西方指南抄』・『三帖和讃』を始め、親鸞聖人真筆の八字名号・十字名号、本寺の真仏・顕智上人像、専修寺に残る宇都宮家の書状など法宝物が出展されるということを聞き、一度尋ねてみたいと思いました。
初めて行く場所(宇都宮市)ですが、調べて見ますと今年の5月の婦人会総会の時にご講演いただきました井上広法師の光琳(こうりん)寺様がありました。突然ではありましたが連絡をしましたら、ご多用の中でしたがご一緒していただけれることになりました。また、一昨年の5月の婦人会総会の時に「死の体験旅行」を開催させていただき、再来年(2019)の5月の婦人会総会の時にご講演を依頼しています神奈川県の「なごみ庵」の浦上哲也師もご同行いただけるとのことでうれしい再会のご縁をいただきました。

展覧会では、宇都宮氏(一族)のスケールの大きさに驚きました。武士でありながら法体姿の絵像や法然上人絵伝の中にも描かれている姿、遠くは奈良の東大寺や京都の泉涌寺、伊勢神宮への寄進など神仏への信仰も篤く、和歌への造形の深さなど知り、数多くの国宝など貴重な文化財をたくさん拝見することができました。栃木県にある本寺も宇都宮氏の領地にありますので関係が深かったことが窺えました。また、複製でしたが鉄塔婆(供養塔)の大きさにも驚きと同時に真仏上人の報恩塔を思い出しました。


続いて、井上広法師の光琳寺様にお参りに行きました。光琳寺様は、展覧会に展示されていました江戸期の古地図に宇都宮氏の居城の西側に、描かれており歴史を感じました。
東日本大震災の時、光琳寺様では、墓石の倒壊や鐘楼堂の屋根瓦の被害があったそうです。テレビや新聞だけの報道で知るだけでは分からない被害規模の1つを改めて教えていただきました。
ご本堂は耐震工事をされていたことで被害はなかったことが何よりと感じました。御本尊の阿弥陀様を取り囲む内陣の壁面に平等院の化仏が数多く荘厳されている光景は、これまで見たことがない内陣でした。余間には由緒ある閻魔様の像が安置されて、地獄絵と共に年一度お目にかかれる(ご開帳される)そうです。お堂内の荘厳もそうですが、境内にある鐘楼や墓地の整備にお同行の皆様が力を合わせて取り組んでこられたことをお聞きして、光琳寺様のこれまでの寺院活動に敬服することです。これから広法師の代になっても新たに地域との共存を含め素晴らしい寺院活動を継続されると思いました。

ハードな一日でしたが井上様、浦上様のおかげで実りある一日でありました。

※宇都宮と聞くと餃子も有名です。現地で食べる初めての宇都宮餃子やっぱり美味しかったです。餃子だけのお店で平日に関わらず多くの方が並んで待っています。駐車場の車も他県ナンバーが多かったです。