妙華寺の本尊

今年は、毎月10日に法苑院妙華寺を紹介していきたいと思います。
妙華寺の本尊
阿弥陀如来立像 一躯 木像 玉眼・寄木・金泥 像高 51.9cm 江戸時代

妙華寺は、わずかな畑が散在する野辺野高台の野原に、寛文10年(1670)に「永久鎮居」から「久居」と名づけられた城下町に延宝8年(1680)に寺領が与えられ、越前の西光寺から僧自信を招いて、高田本山から、「寂陽山 法苑院 妙華寺」の三号と慈覚大師真作の阿弥陀如来像と三具足を添えて創建されました。

平成26年5月に妙華寺に本寺の一光三尊仏をお迎えして御開扉法会をする時に、ご本尊をご遷座しました。その時に光背を支える部分が緩んでいるのがわかり、修復することになりました。平成27年2月に、当初の状態に修復しました。

お寺のHPの平成27年12月17日にブログで報告させていただいています。

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真宗の本尊
阿弥陀如来立像
「十方微塵世界の 念佛の衆生をみそなはし 摂取してすてざれば 阿弥陀となづけたてまつる」とあります。阿弥陀佛の本願は、衆生のはかりある(有量の)境涯の苦悩を、摂取して捨てずのお心を成就するため、はかりなき(無量)佛になり給う。衆生のために名乗り立ち上がる姿です。佛のお姿を拝見する場合、浄土にあっては佛(覚者)として坐って見えるのを座像と表現し、佛が動き出され佛の座(如)からこちらへ来て下さる(來)と受け取りそれを「来迎」と言う。立って迎えに来て下さるお姿が、み足を踏み出され、蓮華が左右二つ、み手は上求菩提、下求衆生、お指は上品上生等の印。このお姿が来迎佛で、画像では白毫から衆生へのみ光を表現します。
(浄土)真宗の御本尊は、座像でも、立像の来迎佛でもなく、「お真向(まむき)さま」と呼びならわされています。佛の座から衆生の場(五十二段)まで降りきって真向かいに至り着き離れぬ大悲心を表します。衆生の所まで来てくださったので「来迎まつことなし」の不来迎、不廻向で「常来迎」です。如来よりの「御廻向」が、み足を揃え一つの蓮台に乗って見えるお姿になります。古い仏像ではこの蓮華に割り蓮華と言い正面から見ると二つに見えるが一つの蓮台があります。これは来り来る瞬間を表しているのかも。お寺の木造には「お墨付け」が下付され保管されます。「方便法身尊像」と書かれています。基本は本願の「名号」が御本尊ですが、形を以て象徴した時、大悲の願を背負い、生死の苦海を出でまして「衆生を呼ぼうて乗せ給う」お慈悲が、立像として寄り添い、常に喚びかけ給うのが御真向さまです。

高田派の宮殿は、須弥壇と同様の草花文様で色彩された扉がついています。真慧上人が、比叡山で念仏の正意を説き、比叡山の学僧に高田の法流に誤りがないことの証拠として献上されたと伝わり、このようなことから宮殿に扉が付けられたと推察されます。