住職の備忘録

住職の備忘録
妙華寺のこれまでを振り返るには、これまでの先達が残されたものからしかわかりません。
妙華寺の「建立記」などの資料からお寺の略縁起は平成16年に本堂が国の登録有形文化財に指定された頃に調査し記念冊子として配布しました。その後も、残された資料などを手かがりにして小さいけれど新しくわかったことなどがいくつかあります。

その2つをご紹介したいと思います。
1つは、隣寺の「玉せん寺」さんの本堂などの焼失です。当時の住職の備忘録に記載がありました。
①明治36年11月26日午後11時玉せん寺本堂より出火 御堂・客殿・庫裡・裏屋敷・全焼翌27日午前2時30分頃鎮火
(26日)10時半就寝する時、「火事だ」と外で連呼が聞こえ、「鐘を」「鐘を」と叫ぶ声あり、鐘楼堂の鐘を叩く。妙華寺の本堂から仏像を屋外に出す。近隣の人々が集まり、見舞いとして握り飯を隣寺に届ける。お寺(妙華寺)の同行も駆けつけ、隣寺の手伝いをする、食事を差し出す。その後、お寺(妙華寺)から「見舞い」を隣寺に渡す。

2つ目は、地震のことです。関東大震災については備忘録に記載はありませんでしたが、その後の昭和2年の奥丹後地震について書かれていました。
②昭和2年3月7日午後6時
当地方強震 町民驚き野外に走るもの少なからず。時は奥丹後地方激震 数郡に亘り家屋倒壊火災頻発町村全滅するもの二三に止まらず。人・畜死傷特に甚だしく、関東震火災に次ぎて●●(読めず)(中略)5月中旬にも余震・・・

今、私(住職)は、前住職も続けていたお寺の業務日誌(日記)を書き続けていますが、お寺のことを記載しているだけです。日本や世界で起きた大きな事象について何も記載をしていません。今の時代は何でも調べることができるので、大きな事象は記載しなくても良いかもわかりませんが、やはりお寺に関することは日々の備忘録が役に立つこともあるのかもわかりません。