お寺の掲示板

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人は人を救えないが「癒やす」ことはできる

『人は人を救えないが、「癒やす」ことはできる』 谷川洋三著から

著書では続けて、「大切な人を救いたいと願うのは、ごく自然なことですが、「救う」という考えには、少しだけ危険性も含まれているので注意が必要です」とあります。

「救い」というのは、基本的には永続的なものであり、一度救われたらそれがずっと継続するものです。しかし、必ず死ぬということを含めて、人間は変化します。ですから、救いというのは、神様とか仏様といった超越的存在を前提としないと、あり得ないことだと思っています。

人は人を救うことができません。でも「癒やす」ことはできます。狙って癒やそうとするということは、誘導することになりかねません。それを本当に相手が望んでいるのかわからないですから。基本的には寄り添っていくことなのだと思います。

目的や願いがあっても、自分の思いのままストレートに行動するよりも、相手の思いを尊重しながら、臨機応変に対応するほうがうまくいくことがあります。

※著書の題名です。「救い」については難しい問題と感じます。「寄り添う」ことも最近はよく耳にしますが、私の「寄り添う」形がはたして相手が望んでいる形か、絶えず問いながら、相手に向き合っていかないと独りよがりになりそうです。