お寺の掲示板

お寺の掲示板
自分が信じるものを信じて、悲しみから抜け出す

『人は人を救えないが、「癒やす」ことはできる』 谷川洋三著から

著書では続けて、「神社のお参りや、ご利益があると思うもの、スピリチュアルなパワーがあると思うものを自分で上手に選び、セルフケアに利用していきましょう」

基本的に、人は物事を自分の都合のいいように解釈したいものです。自分の中で何らかの理由を見つけて、ポジティブな解釈をすることは、けっこう大事なことなのではないかと思います。ただし、このような解釈は他の人から言われても納得しにくいので、他の人に押しつけたりしないほうがいいでしょう。無理やりかもしれないけれど、都合良く解釈したり、ご縁を信じたりすることは、ある意味「宗教的ケア」や「スピリチュアルケア」であり、同時に自分で自分のためにしている「セルフケア」でもあるといえるでしょう。

私は、宗教的ケアやスピリチュアルケアも、すべてセルフケアだと考えています。たとえ、宗教者、臨床宗教師など援助する立場の人がいたとしても、結局、患者や遺族、困難を抱えている人が、自分自身の人生を選択して、これでいいのだと思えることを支援しているだけです。
もちろん、危険な宗教団体や怪しい人間に騙されないように気をつけてほしいのですが、自分で積極的に選択した方法であるなら、大いに活用するといいでしょう。

※自分に都合のいいように解釈する自分であることは自覚していますが、自分が選んだものをセルフケアとして利用していくだけでよいのでしょうか。人生の選択は自分自身がしていると考えることもできますが、私(住職)は、大きなはたらきの中のものだとも考えます。