お寺の掲示板

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ただ寄り添うこと。それだけでも「癒やし」になる

『人は人を救えないが、「癒やす」ことはできる』 谷川洋三著から
著書では続いて、自らの死と直面している患者本人と、家族の気持ちがズレることはよくあります。そんなときは本人の意思を尊重し、温かく寄り添ってほしいと思います。

大切な人の余命が長くないことを知ったとき、遺される家族にも心の準備と覚悟が必要になります。
愛する人との別れという意味では本人も家族も同じですから、自分が死ぬことよりずっと悲しく、つらく感じられるかもしれません。家族もみな、葛藤を抱えることになります。

後悔したくないと思うのは遺される家族にとっても同じことでしょう。大切な人のために何かをしてあげたい、役に立ちたいと思うのはごく自然なことです。遺される家族が、患者本人のためにできるのは、ただ寄り添うこと。なるべくそばにいて、話を聞いてあげることです。「それしかできない」と感じられるかもしれませんが、「それができれば十分」ともいえます。
ただそこにいてくれる、それだけでも相手には「癒やし」になります。死を前にして、孤独でないということが、本人にとっても支えになるものです。

※「ただ寄り添うこと」の難しさを感じます。毎日の生活に追われて、つい自分のこと以外を後回しにする自分がいます。でも著書にもありますが、「家族が無理をしすぎないことも大切です」自分を責めないことへのケアが必要です。