お寺の掲示板

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穏やかに「枯れ木」のように

『大往生できる人 できない人』潔く、とらわれず、おまかせして生きる 田畑正久著 から
人は高齢になり、口から食べられなくなってくると、穏やかに、枯れ木が枯れるかのごとく亡くなっていきます。二週間くらいで、静かに命を終えるのです。

一方食べられなくなった時の「延命治療」として、鼻から管をいれたり、胃に穴を開け栄養を入れる胃瘻(いろう)があります。この治療をすると数ヶ月から数年生き続けることはできるものの、じわじわと体が弱っていきます。
本人の意思表示が無いと家族の希望と意思の倫理観で延命がなされることが多いですが、最近は、生命保険などを使うとき「回復の見込みがある」ことが前提になってきたようで、老化現象で口から食べれなくなった場合、不自然な延命は本人にとって生命の質がよくないと共通認識になりつつあります。

※老化現象を見極める一つとして口から食べれなくなるをあげるなら、人類のこれまでの歴史の中で、老化現象で亡くなられた方とそれ以外の原因で亡くなられた方はどちらが多いのだろう。生き物の「いのち」の終わりはさまざまであると思うけど、穏やかに死を望むのにも意思表示が必要な時代を生きている。