お寺の変化

お寺の変化⑦ 寄付
これまでお寺から寄付の依頼がありますと、お同行の皆様に一律ご負担をお願いする形が当たり前のようでした。そこには、依頼する寄付額でお寺の建造物の改修などその時々の必要な予算額が前提での依頼ですので、予算額が達成できないと目的が果たせなかったからです。妙華寺の寄付依頼も前住職の時代までは概ね、そのような形でした。
お同行の皆様の中には、お寺への帰属意識が強く、自分をこれまで育てていただいた先祖への恩返しの気持ちとして負担をされていたと思います。しかし現在は、お寺への帰属意識や、先祖への関係性が希薄化し、個人意識を尊重の中で一律同じ額の負担をお願いする時代ではなくなったのだと思います。

妙華寺の平成22年の親鸞聖人750回忌ご遠忌大法会に伴う大きな改修計画からの寄付依頼は、予算額がとても高額になりましたので一律にご負担していただくことが難しいと思い、心苦しいことでありましたが、ご賛同いただく方からのご寄付としました。それ以降、一光三尊仏御開扉法会・境内墓地通路改修工事・そして今回の親鸞聖人850年ご誕生奉讃行事記念の寄付依頼も同様としています。

妙華寺がこの地に寺領をいただいた時は、本堂も何もない境内でした。初代の住職が勧進を続けて最初の本堂が建てられるのにおよそ10年間の年月を費やし新しいお同行の皆様のお力添えをいただいたものです。その本堂が、江戸時代の久居の大火で焼失しその後40年ほど勧進を続けて再建された本堂が、今ある本堂です。境内地には、本堂以外にも、鐘楼堂や山門・妙華寺会館や庫裡・書院など多くの建造物があります。また墓地区域もあり、時代と共に埋葬法式も変化して、今の墓地の姿になりました。大きな行事の時にいくつかの修理や改修をしながら建造物などを次の時代も使用できるように大切に使っています。
お寺を次世代に伝える為のことでありますのでご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
予算額に届かない場合は、法人の積立を取り崩しての事業になります。

【修復した選択集絵伝3幅】