6月の日曜学校

6月の日曜学校は、仏教から伝わった伝統や文化の紹介2です。
③ 日本庭園
平安時代、貴族の間で末法(まっぽう)思想が流行し、「この世で幸せが得られないなら、来世は極楽へ生まれ変わろう」と極楽浄土への往生を願い、浄土教が大流行しました。それに伴い、貴族の邸宅に造られた庭園も極楽浄土をイメージしたものがブームに。邸内に建てた持仏(じぶつ)堂の前に大きな池を設け、周辺に草木を美しく配置した「浄土式庭園」が確立しました。
その後、鎌倉から室町時代にかけて禅宗が隆盛を極めると、水を使わず、石組みと白砂(しらす)で庭を造る「枯山水庭園」が発展し、砂で水の波紋を示すなど、自然の景観を巧に表現しているのが特徴です。もともと、禅の修行は大自然と一体化して行うもの。そのため、庭園にも自然の要素を凝縮し、修行の場としたのです。
※末法(まっぽう)
正・像・末の三時の一。教のみあって行と証がない仏教衰微の時代。なお末法を過ぎて教法もなくなることを法滅という。道綽(どうしゃく)は末法の凡夫が救われる道は往生浄土の教のみとした。
④ 精進料理
お釈迦様の定めた五戒で殺生(せっしょう)が禁止されていることから、仏教では肉や魚を食べることをタブーとする考えが生まれました。そこで野菜や豆類、穀物を工夫した料理が食べられるようになり、これが「精進料理」の始まりです。「精進」とは修行に励み、身を浄めること。つまり「食」も修行のひとつに当たるのです。
日本の精進料理を発展させるのに貢献したのが、曹洞宗の開祖、道元(どうげん)です。『典座(てんざ)教訓』という書物を残し、調理の心得や料理法などを体系的に説いています。
『とってもやさしい はじめての仏教』から

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