井戸山の報恩講

井戸山の報恩講
4日の井戸山地区の報恩講は、お正月気分が続いている頃ですが、役所や企業では仕事始めの日です(今年は土曜日でこの限りではありませんでした)その日に報恩講として、お仏壇の前でお勤めをさせていただくことはとてもうれしく思います。以前は小雪が散る日もありましたが、最近はおおむね穏やかな日にお勤めをさせていただいています。
平成に入る頃までは、毎年宿があり(毎年違う家がなります)、そこから一軒一軒お勤めに行き、途中で宿で昼食をいただき、最後に全員が集まり宿でお勤めをして食事をいただき終了と1日がかりでしたが、宿が無くなり一軒一軒のお勤めだけになりました。宿の床の間に掛ける軸は親鸞聖人650回御遠忌のご絵伝でした。宿の廃止で絵伝の掛軸はお寺に寄贈され、今はお寺の法中控室の床の間に報恩講の時、掛けさせていただいています。
報恩講のお勤めは、重誓偈・正信偈・五首和讃(愚禿悲歎述懐より)・短念仏・廻向文です。古い方のお話では、井戸山地区では4日の報恩講、続いて自治会や、仕事関係の初寄り合い、そして高田本山のお七夜へのお詣り、それから仕事が始まるとお聞かせいただいた時があります。今ではそのような時間の流れも無くなり、ゆっくりお正月を楽しむ時間も限られてきたようです。報恩講のお勤めは、お盆のお勤めと違い少し晴れやかな時間です。
穏やかな正月(冬)は、私たち人間には過ごしやすいことですが、農作物にとっては、冬の寒さも必要なことのようで地域の特産物もあと1度気温が高くなればこの地域では育たないことや、冬野菜が育ちやすく市場価格が暴落して農作物を育てるのに割があわないなど現場のお話をお聞かせくださる時間でした。それでもご家族共々一緒にお念仏できることが続いていることはとても有難いことです。