今年最初の聞法は、真宗教団連合主催の『教行信証』と現在~現代思想としての「他力」~で、政治学者の中島岳志氏の講演とシンポジウムでした。
現代日常生活の中で使われる「他力」は、仏教の本来の意味(弥陀の本願(=阿弥陀が一切の人を救おうとして立てた願い)によって成仏すること。)からでなく、比喩的な意味(他人にたよって物事をしようとすること)で使われる「他力」が定着している為、浄土真宗の教義の根幹をあらわす「他力」をどのように伝えるか『教行信証』に尋ねることでした。
中島氏の親鸞との出遇は大学生の時に吉本隆明氏の講演を聞いてそれ以降、専門の政治学とは別に研究をされているようで、親鸞についての著書もあります。講演は、「他力」について、文法の「与格構文」から読み解くのは、新鮮な感じでした。そこでは私を器(うつわ)と表現されたり、東日本大震災の時に感じた死者と生者の関係から死者の再定義も考えさせられました。
また、シンポジウムでは、本願寺派・大谷派・高田派の3名のバネリストが出席され、当時の念仏の教え(法然の教え)が、その時代で正統であったことへの親鸞のメッセージが『教行信証』であり、『教行信証』は過去の思想でなく、現代の、将来のものとして、絶えず内省していく思想であることを改めて感じました。民主主義が暴走していると感じる現代に親鸞思想をバックボーンとして政治学に取り組まれている中島氏の話はとても篤く流ちょうな語り口に引き込まれました。
※中川個人の感想です。
また、講演会・シンポジウム終了後バス停で、三重県津市の知人に会いました。定年後菩提寺の行事や、地域の真宗3派の会の会員として積極的に行事に参加されているようです。今日も講演会・シンポジウムを楽しみに参加されたようです。今度、知人の親鸞聖人との出遇いを伺える機会があればと思い帰路につきました。
【案内】
真宗教団連合三重県支部中部ブロック研修会として、2月2日(土)13時30分~高田本山宗務院二階会議室で、英月(えいげつ)師の講演があります。講題は「私の居場所・あなたがあなたのままで輝く」でどなたでも参加できます。時間に都合がつきましたらご参加ください。
※英月師は、昨年5月に妙華寺の「お寺の講演会」でもご講演されました。
また、2月26日(火)13時30分~高田本山宗務院二階会議室で、布教伝道研修会が開催されます。若い布教使をお育ていただいています。今回妙華寺の衆徒も実演いたします。